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外国人旅行者が日本への短期旅行でインターネットを使うのに便利なのがeSIMです。本記事では、日本でおすすめのeSIM12社のプランを、金額・データ量・日数、テザリングや電話番号(Voice SIM)の有無などで比較。あなたにベストなeSIMを紹介します。
Photo by Pixta
外国人旅行者や一時帰国者などが日本を旅行する際にインターネットを使おうと思ったら、フリーWi-Fi、SIM、ポケットWi-Fiルーターなど、複数の方法があります。
その中でも、近年、特に注目されているのが「eSIM」です。eSIMはSIMカードの一種ですが、物理的なカードの抜き差しが不要で、申し込み・利用設定がオンラインだけで完結するため、とても便利です。
もっとも、日本にはたくさんのeSIMサービスがあるため、どれを選んだらよいか迷ってしまうかもしれません。本記事では、12社のeSIMサービスを比較。MATCHAのおすすめを紹介します。
1. eSIMの使い方
2. eSIM12社の比較
日本の会社
3. 1.mobal
4. 2.World eSIM
5. 3.Sakura mobile
6. 4.Japan Wireless
7. 5.GTN PREPAID eSIM
8. 6.Ninja eSIM
グローバルな会社
9. 7.Saily
10. 8.eSIM Japan
11. 9.Ubigi
12. 10.Holafly
13. 11.airalo
14. 12.KlookのeSIM
15. ポケットWi-FiルーターとeSIMを両方使うのもオススメ
※本記事は、日本への短期旅行者向けのeSIMを紹介しています。長期滞在される方向けのプランは、以下の記事をご覧ください。
従来のSIM(Physical SIM)は、差し替えの手間がかかる Photo by Pixta
eSIMとは、Embedded SIM(本体組み込み型のSIM)の略称です。
従来のSIMは、端末からスロット(差し込み口)を出してカードを入れ替える必要がありました。この場合、入れ替える手間がかかるのはもちろん、SIMカードを紛失したり、破損したりする恐れもありました。
それに対し、eSIMは機器上での設定変更のみで使うことができ、物理的な抜き差しは不要です。
eSIM Japanの設定方法の説明 Picture courtesy of eSIM Japan
eSIMは、サービスによって初期設定の方法は異なりますが、基本的に、
1.オンラインで申し込み
2.メールで送られてきたQRコードを読み込み
3.簡単な設定
の3ステップですぐに使えます。
AndroidスマートフォンにおけるeSIM設定の画面。機器上の設定だけで、使うSIMを変えられる
なお、eSIMは、アクティベートさせるにあたって最初にAPN設定が必要となります。けして難しくはありませんが、説明をきちんと読まないと、少し戸惑うかもしれません。
多くの会社では、eSIMを購入したらマニュアルも一緒に送ってくるので、設定の仕方をしっかり確認しましょう。
日本では、さまざまな会社がeSIMを提供していますが、それらは大きく、日本拠点の会社と、グローバルにサービスを提供する会社に分けられます。
訪日観光客の多くは、1日500MB~1GB程度のデータ容量を使い、日本の滞在日数は1~2週間ではないかと思います。日本の会社は、こうした旅行者向けに安いプランを提供しています。
その一方で、グローバルな会社は、複数の国にまたがって使えるeSIMのプランがある、1日単位での利用がしやすいといった特徴があります。
サービス | 日数・データ量の幅 | 最安プラン | 特徴 |
8〜90日間、3〜100GB | 8日間・3GB、2,340円 | 1~2週間で1日1~2GB程度使うのにお得 | |
3〜30日間、500MB〜無制限(※) | 3日間・500MB 、3.95ドル(約620円) | 1日500~1GBを使用する人にお得 | |
8〜90日間、無制限(※)のみ | 8日間・無制限、4,950円 | 手厚いカスタマーサービス | |
無制限(※)は1日~ データ量制限プランは7~30日間、3GB~50GB | 1日・無制限、5ドル(約790円) | 1日単位で使える | |
30日間のみ、3〜30GB | 30日間・3GB、3,000円 | 実店舗でも購入可能 | |
5〜31日間、5〜100GB | 5日間・5GB、3,102 円 | 老舗のポケットWifi会社が提供 |
サービス | 日数・データ量の幅 | 最安プラン | 特徴 |
7〜30日間、1〜20GB | 7日間・1GB、3.99ドル(約630円) | データ量少なめのプランが安い | |
3〜90日間、3GB/日〜無制限(※) | 3日間・1日3GB、5.99ドル(約945円) | プランが多い | |
1〜30日間、500MB〜50GB | 1日間・500MB、2.5ドル(約390円) | 1日単位で使える | |
1〜90日間、無制限(※) | 1日間・無制限、6ドル(約950円)1日単位で使える | 1日単位で使える | |
7〜30日間、1〜20GB | 7日間・1GB、4.5ドル(約710円) | データ量少なめのプランが安い | |
5〜15日間、500MB/日、無制限(※) | 5日間・1日500MB上限、1,462円 | 予約サイトで手軽に購入 |
※「データ量無制限」となっていても、1日3GB以上といった大きなデータを使うと、通信速度が減少する可能性があります。
※ドル-円は、2024年6月時点でのおおよその相場(1ドル=158円程度)で計算しています。
MATCHAでは、特に2週間程度の滞在・1日1GB程度の利用で安く使えるmobal、少ないデータ容量でリーズナブルなプランがあるWorld eSIMをおすすめします。
ただ、他の会社にも使いやすいプランが多くあります。ぜひあなたにとってのベストプランを、本記事を参考に探してくださいね。
※なお、2024年6月現在、eSIMに日本の電話番号やSMS機能をつけられる「Voice eSIM」はmobal、Sakura Mobile、airaloの一部のプランのみが提供しています。
Picture courtesy of mobal
mobalは、1989年に英国で創業したMobell Communications Limitedが提供するサービスです。
mobalのeSIMは、8日10GBで2,750円、8日30GBで3,200円、16日50GBで3,900円など、1~2週間の滞在で1日1~2GB程度を使う場合、お得なプランが多く、特におすすめのサービスです。
また、mobalは、「Voice eSIM」を提供する数少ない会社のひとつです。
なお、mobalは、英国企業ならではの英語でのスムーズな対応が魅力のほか、利益の一部をアフリカの貧困層の支援に充てるといったチャリティ活動の取り組みも特徴です。
Mobal | |
可能 | |
あり | |
NTT | |
なし |
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Picture courtesy of World eSIM
「World eSIM」は、世界各地でポケットWiFiを提供している「グローバルWiFi」ブランドの関連サービスです。
「World eSIM」の特徴は、「500MB・3日間」や、「1日1GB/2GB・10日間」といった、少なめのデータ容量で安いプランを提供していること。旅行中はあまりスマートフォンを使わないという人も多いでしょう。そんな人にはぴったりのサービスです。
また、「World eSIM」では、日本を含めた複数の国でeSIMが使えるプランも提供しています。
World eSIM | |
可能 | |
なし | |
ソフトバンク | |
日本を含むアジア22カ国で使えるプランあり |
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Picture courtesy of Sakura mobile
Sakura Mobileは、英語圏から日本を旅行・長期滞在する人に人気のサービス。ポケットWi-Fiルーターのレンタル、家のインターネット回線の開設も手掛けています。
Sakura MobileのeSIMは、データ容量無制限で8日間4,950円、15日間7150円などのプランを提供しています。データ量無制限プランとしてはかなりリーズナブルです。
また、Sakura Mobileは、事前の問い合わせへの丁寧な対応や、日本旅行中のトラブル対応に高い評価があります。日本でのeSIM利用に不安がある場合は、Sakura Mobileを使うのがオススメです。
なお、Sakura Mobileは、mobal同様、「Voice eSIM」を提供する数少ない会社のひとつです。
Sakura Mobile | |
可能 | |
あり | |
NTT | |
なし |
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Picture courtesy of Japan Wireless
Japan Wirelessは、訪日外国人向けのキャンピングカーサービスや医療情報の発信などを手掛ける株式会社インバウンドプラットフォームが提供するサービスです。
Japan WirelessのeSIMの特徴は、データ量無制限のプランを1日単位で提供していること。無制限プランは1日5ドル(約790円)程度からあります。少し割高ですが、日数が長くなるほど安くなります。
Japan Wireless | |
ー | |
なし | |
NTT | |
なし |
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「GTN」は、日本に在住する外国人向けのさまざまなサービスを提供する会社です。そのeSIMは、日数は30日のみですが、 データ容量は3GBから30GBまでの5つのプランがあります(※)。
「GTN PREPAID eSIM」の特徴は、オンラインだけでなく、実店舗でも購入できること。羽田空港や、大阪の難波などで直接購入することも可能です。
詳細は、以下の記事をご覧ください。なお、羽田空港店、あるいはオンラインでの購入の場合、10%OFFの特典が付きます。
※実店舗での購入の場合、羽田空港の店舗以外では20・30GBのプランは購入できません。
GTN PREPAID eSIM | |
機種によってできない場合あり | |
なし | |
au、ソフトバンク | |
なし |
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Picture courtesy of Ninja eSIMの公式HP
ポケットWiFi「Ninja WiFi」のeSIM版として2024年5月に発売された「Ninja eSIM」。期間は、5・7・10・15・21・31日間から選べます。データ容量は期間にもよりますが、5〜100GBの間で選択可能です。
「Ninja WiFi」は、英語圏からの訪日観光客にもっとも使われているポケットWiFiのひとつです。同じ会社が提供するサービスとして、信頼性の高さが魅力です。
Ninja eSIM | |
ー | |
なし | |
ソフトバンク | |
ー |
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世界全体で事業展開する会社のサービスも、日本で使うことができます。
Picture courtesy of Saily 公式HP
「Saily」は、アメリカに本社を置く会社。仮想プライベートネットワーク(VPN)を提供している世界最大級の会社「Nord Security」が立ち上げました。
Sailyは世界150カ国以上で使用できるeSIMを販売しています。専用のチャットから、年中無休、24時間質問ができ、サポート体制も万全です。
日本用のeSIMは、7日間・1GBで3.99ドル(約627円)、30日間・3GBで6.99ドル(約1,099円)と安価で、そこまでデータ容量を必要としない人にオススメです。
Saily | |
可能 | |
なし | |
NTT | |
なし |
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Picture courtesy of eSIM Japan.
「eSIM Japan」は、アジア、ヨーロッパ、北米、オーストラリアなどで幅広くeSIM事業を展開するWHIZが提供するサービスです。
日本向けには「データ量無制限(ただし一定量の使用で速度制限)」「1日5GB」「1日3GB」の3つのパターンで、日数は3~30日の間から、さまざまな組み合わせのプランを出しています。
eSIM Japanは、プランの数が多く、自分に合ったものを選びやすいのが特徴。また、金額も、比較的リーズナブルです。
eSIM Japan | |
可能 | |
なし | |
au、ソフトバンク | |
「日本と韓国」「日本と中国」「日本を含むアジア12カ国」「日本を含む世界148カ国」などで使えるプランあり |
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Picture courtesy of Ubigi
Ubigi(ユービージー)は、フランスに本社を置くTransatel社が運営しています。現在は日本の通信大手・NTTの子会社になっていることから、日本でのサービスにも力を入れています。
Ubigiは、1日500MBで2.5ドル(約400円)のプランがあり、1日単位で使うといったフレキシブルな使い方をしたい時に便利です。ただし2024年6月現在、1~2週間程度で使いたいときに、ちょうどいいプランがないのが難点かもしれません。
Ubigi | |
可能 | |
なし | |
NTT | |
「日本を含むアジア15カ国」「日本と米国」「日本を含む世界180カ国以上」などで使えるプランあり |
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Picture courtesy of Holafly
スペインに本社を置くHolaflyは、2017年に創業し、現在は世界各国でeSIMのサービスを展開しています。
Holaflyの特徴は、データ量無制限のプランであれば1日単位で日数を選べること。「4日間、データ無制限」といった、ピンポイントの日数で使いたい場合にとても便利です。もっとも、同じデータ量無制限プランで見ると、Sakura Mobileなどより多少割高となります。
Holafly | |
可能(1日最大500MB) | |
なし | |
au | |
なし |
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Picture courtesy of airalo 公式HP
「airalo」は、世界で初めてeSIMを販売したシンガポール拠点の会社です。2024年6月現在の累計ユーザー数は1000万人以上と、多くの国で利用されているeSIMです。
日本用のeSIMは、7日間・1GBで4.5ドル(約708円)、30日間・3GBで8.5ドル(約1,338円)など。データ量無制限プランがありませんが、1日の使用データ量が少ない人向けのプランが多くあります。
airaloは、発展途上国に資金を提供するなど、慈善活動にも力を入れています。
airalo | |
可能 | |
日本を含めた世界124カ国で使えるsSIMのみVoice SIMあり | |
NTT、ソフトバンク | |
「日本を含むアジア18カ国」「日本を含む世界124カ国」で使えるプランあり |
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Picture courtesy of Klook
旅行の体験予約サービスを提供している「Klook」。こちらでは、ソフトバンクが提供するeSIMが販売されています。1日500MB・5日間で1,471円~と、十分にリーズナブルな価格となっています。
本記事の読者には、Klookに登録している人も多いのではないでしょうか? 使い慣れたサイトからスムーズに購入したい場合におすすめです。
Klook(ソフトバンク) | |
可能 | |
なし | |
ソフトバンク | |
なし |
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Photo by Pixta
個人や少人数での旅行の場合、eSIMはとても便利です。
その一方で、日本滞在中にパソコンを多く使ったり、大人数で旅行をしたりする場合、ポケットWi-Fiルーターも併せてレンタルするのがオススメです。
eSIMでテザリングを使うと、スマートフォンのバッテリーの減りが早くなります。そうしたとき、ポケットWi-Fiルーターがあると安心のためです。
また、ポケットWi-Fiルーターは、使えるデータ量が多いものが多く、複数のパソコン・スマートフォンをつなぐのにも向いています。
ポケットWi-Fiルーターに関して、MATCHAがオススメしたいのは、Ninja-Wi-Fiです。データ量は1日3GBまで使え、料金は1日770円です。さらにMATCHA経由でNinja-Wi-Fiに申し込むと、料金が20%OFFとなり、5日間・3,080円で使えます。価格的に見ても、SIMカードに匹敵するリーズナブルさです。
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eSIMが各社がさまざまなプランを提供していますが、mobal、World eSIMなど日本の会社は、日本旅行者の旅行日数に合わせたプランを多く出しています。
eSIMは近年、大多数のスマートフォンで使えるようになっています。しかし、一部の古い機種は、eSIMに対応していません。eSIMを提供している会社は、公式HPに対応機種の一覧を表示しています。購入前に確認しましょう。
日本には、最近までSMS(ショートメッセージ)や電話ができる、いわゆる「Voice eSIM」はありませんでした。しかし2024年6月現在、mobalやSakura Mobileなどの日本の会社が、それらが可能な「Voice eSIM」を販売しています。
日本では近年、日本の電話番号(070、080、090)が使えるVoice eSIMが、mobalやSakura Mobileなど一部の会社で販売されるようになりました。
eSIMは購入・利用ともに気軽にでき、便利です。その一方で、テザリングを行うとスマートフォンの電池の減りが早くなりがちです。スマートフォンとパソコンを両方使いたい場合や、複数人でインターネットを共有したい場合は、ポケットWifiがおすすめです。
eSIMは、各社が次々とユニークなプランを出しています。
この記事を参考に、あなたに合ったプランを探してくださいね!
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ライター
日本に住んでいるオーストラリアの旅行作家兼写真家です。季節ごとに変わる日本の風景を撮影したり、伝統的な職人の技術について聞いたりすることが大好きです。すべての出来事には、良いストーリーが欠かせません!見るべき素晴らしいものがたくさんありますし、日本は常に新しいものを追加しています!