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日本旅行でオススメのeSIM10社を比較!使い方やメリット・デメリットも紹介
日本旅行中にインターネットを使いたい場合、最も手軽な手段のひとつがeSIMです。本記事では、eSIMの使い方やメリット・デメリット、さらに日本でオススメのeSIMを10つ比較し、金額・日数などの面で、どれにどのようなメリットがあるかを紹介します。
日本のインターネット事情とeSIM
Photo by Pixta
日本を旅行する際にインターネットを使おうと思ったら、フリーWi-Fi、SIM、ポケットWi-Fiルーターなど、複数の方法があります。
このうち、手軽にインターネットを使いたい場合にオススメなのはSIMです。しかしSIMは従来、カードの入れ替えや設定に手間がかかることが、大きなデメリットでした。
こうした中、近年登場したのが、カードの差し替えが不要となる「eSIM」です。
本記事では、eSIMの魅力や、日本でオススメのeSIMサービスを紹介します。従来のSIMやポケットWi-Fiについては、以下のMATCHA記事を参照ください。
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目次
1.eSIMの使い方・メリットとデメリット
2.主なeSIM10社の比較!オススメはどれ?
3.ポケットWi-FiルーターとeSIMを両方使うのもオススメ
4.よくある質問
eSIMの使い方・メリットとデメリット
従来のSIM(Physical SIM)は、差し替えの手間がかかる Photo by Pixta
eSIMとは、Embedded SIM(本体組み込み型のSIM)の略称です。
従来のSIMは、端末からスロット(差し込み口)を出してカードを入れ替える必要がありました。この場合、入れ替える手間がかかるのはもちろん、SIMカードを紛失したり、破損したりする恐れもありました。
それに対し、eSIMは機器上での設定変更のみで使うことができ、物理的な抜き差しは不要です。
eSIM Japanの設定方法の説明 Picture courtesy of eSIM Japan
eSIMは、サービスによって初期設定の方法は異なりますが、基本的に、
1.オンラインで申し込み
2.メールで送られてきたQRコードを読み込み
3.簡単な設定
の3ステップですぐに使えるようになります。
AndroidスマートフォンにおけるeSIM設定の画面。機器上の設定だけで、使うSIMを変えられる
その手軽さが大きな魅力である一方、eSIMにはデメリットもあります。
ひとつは、古いスマートフォン機種では対応していない場合があることです。eSIMサービスを提供する会社の多くは、どの機種がeSIMに対応しているのかをHP上で公開しています。申し込み前にチェックするようにしましょう。
また、電話番号付きのeSIM(Voice SIM)は、2023年8月現在はまだありません。これは、短期間の旅行では、あまりデメリットになりませんが、長期で日本に滞在する予定の方はご注意ください。
主なeSIM 9社の比較!オススメはどれ?
- GTN PREPAID eSIM
- eSIM Japan
- mobal
- World eSIM
- Sakura Mobile
- KlookのeSIM(Softbank)
- Ubigi
- Japan Wireless
- Holafly
- 空港でのeSIM
サービス | 金額 | 主なプラン | 特徴 |
|
¥3,000程度 | 3GB上限・30日 | 長時間でお得、オンライン購入可 |
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¥1,160程度 | 1日500MB上限・7日 | 1週間以内の短期などでお得 |
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¥3,200 | 30GB・8日間 | 1日1~3GB程度使う人にお得 |
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¥3,300 | 10GB・20日間 | アプリで手続き簡単 |
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¥3,350 | 5GB・10日間 | 手厚いカスタマーサービス |
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¥1,368 | 1日500MB上限・5日間 | 予約サイトで手軽に購入可能 |
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¥360 | 1日500MB | 1日単位で使える |
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¥1,200程度 | 1日5GB上限・1日 | 1日単位で大きなデータ量使用可 |
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¥2,760程度 | 無制限(※)・5日間 | 世界でサービスを展開 |
|
- | - | 対面で購入可能 |
※一定のデータ量を使った後で、通信速度が遅くなる可能性があります。
日本では、さまざまな会社がeSIMのプランを提供しています。
もっとも、日本を旅行する方の多くは、1日500MB~1GB程度のデータ容量を使い、日本の滞在日数は1~2週間ではないかと思います。
その程度の容量に関係するプランで比較してみたところ、2023年8月現在、もっともリーズナブルなのがeSIM Japanとmobalです(※)。
その一方で、手厚いケアが人気のSakura Mobileや、人気の体験予約サイトから簡単に予約できるKlook(Softbank)など、それぞれ特徴があります。本記事では、各社のeSIMの特徴をお伝えするので、ぜひ自分に合ったものを探してみてくださいね!
※ドル-円は、2023年8月時点でのおおよその相場(1ドル=145円)で計算しています。
1.GTN PREPAID eSIM
※10%OFF特典及び「20GB」・「30GB」プランはオンライン購入またはGTN羽田エアポートガーデン店でのご購入者に限り適用されます。その他店舗では割引特典は適用されず、「20GB」・「30GB」プランも取り扱っていないため、ご注意ください。
GTN Mobileが発売する日本国内で使えるプリペイド型のデータ通信専用eSIMです。データ容量は3GBから30GBまでの5つのプランがあります。
購入するにはオンライン購入と店舗購入の2つの方法があります。店舗の購入可能な場所は以下の通りです。
関東エリア
・GTN羽田エアポートガーデン店
・GTNモバイル新大久保本店
中部エリア:
・名鉄観光サービス 名鉄トラベルプラザ(中部国際空港)
関西エリア:
・GTNなんばマルイ店
・JTB関西ツーリストインフォメーションセンターKIX(関西国際空港)
・JTB関西ツーリストインフォメーションセンター京都(京都タワービル内)
2.eSIM Japan
Picture courtesy of eSIM Japan
「eSIM Japan」は、アジア、ヨーロッパ、北米、オーストラリアなどで幅広くeSIM事業を展開するWHIZが提供するサービスです。
eSIM Japanの特徴のひとつは、多彩なプラン。1日2GB上限で3日間使用可能・8.99ドル(1,300円程度)のプランや、1日500MBで7日間・7.99ドル(1160円程度)、5GB・15日間で11.99ドル(1,740円程度)など、さまざまなプランから、自分にぴったりのものを選べます。。
1週間以内の短期旅行や、あるいは1週間以上でも少ないデータ量でOKの方にとっては、eSIM Japanはオススメです。その一方で、より大きなデータ量を使いたい場合、他にも安いサービスがあるので注意しましょう。
そのほか、eSIM Japanは、アジア&オーストラリア&米国、アジア全域など、地域をまたがってインターネットを使えるeSIMを提供しているのも特徴です。
3.mobal
Picture courtesy of mobal
mobalは、1989年に英国で創業したMobell Communications Limitedが提供するサービスです。
mobalのeSIMには複数のプランがありますが、少しデータ容量が大きいものを購入するとお得です。たとえば、1GB・8日間では¥1,920~ですが、30GB・8日間では¥3,200、50GB・16日間では3,900円、50GB・31日間では4,900円となります。
1週間以上の旅行で、1日2~3GB程度のデータを使いたい人はとって、mobalはお得です。
なお、mobalは、英国企業ならではの英語でのスムーズな対応が魅力のほか、利益の一部をアフリカの貧困層の支援に充てるといったチャリティ活動の取り組みも特徴です。
4.World eSIM
Picture courtesy of World eSIM
「World eSIM」は、世界各地で「グローバルWiFi」のレンタル事業を展開している「ビジョン株式会社」の子会社「Vision Mobile Hawaii Inc.」が提供するサービスです。
2023年9月現在、16カ国でサービスを展開しています。日本では、現在、6つのプランを展開しており、20日・10GBで21.50ドル(約¥3,300)と、eSIM Japanと同等の価格となっています。
同社は、アプリも提供しています。何度も日本旅行に来る場合、これをダウンロードしておくことで、スムーズにeSIMが活用できるでしょう。
5.Sakura mobile
Picture courtesy of Sakura mobile
Sakura Mobileは、日本を旅行・長期滞在する英語圏の人に根強い人気のあるサービス。SIMカードやポケットWi-Fiルーターのほか、家のインターネット回線の開設なども手掛けています。
そんなSakura MobileのeSIMは、使用期間によって料金が変わりますが、2023年8月で調べたところ、5GB・10日間のプランで3,350円、10GB・30日で5,850円でした。
Sakura Mobileは、eSIM Japanなどに比べると、割高に感じるかもしれません。しかし、Sakura Mobileは、事前の問い合わせへの丁寧な対応や、日本旅行中のトラブル対応に高い評価があります。
初めての日本旅行だったり、SIMカードを使い慣れてなく設定方法が分からなかったりなど、不安がある場合は、Sakura Mobileを使うのがオススメです。
6.KlookのeSIM
Picture courtesy of Klook
旅行の体験予約サービスを提供している「Klook」。会員に登録している方も多いと思いますが、「Klook」からもeSIMを購入できます。
2023年8月現在、「Klook」では、Softbankが提供するeSIMが販売されています。こちらは、1日500MB・5日間で1,368円~となります。
なお、「Klook」といった体験予約サイトからの申し込みの場合、トラブルが起きた際の問い合わせがしづらそうな印象があるかもしれません。その点、本サービスは、メッセージアプリ「LINE」からカスタマーサービスにつなぐことができます。
7.Ubigi
Picture courtesy of Ubigi
Ubigi(ユービージー)は、フランスに本社を置くTransatel社が運営するサービスです。現在は日本の通信大手・NTTの子会社になっていることから、日本でのサービスにも力を入れています。
Ubigiは、1日500MBで360円のプランがあり、1日単位で使うといったフレキシブルな使い方をしたい時に便利です。ただし2023年9月現在、1~2週間程度で使いたいときに、ちょうどいいプランがないのが難点かもしれません。
なお、Ubigiは、eSIM JAPANと同様、アジア全域や日本語米国など、国境をまたいで使えるeSIMを提供しています。
8.Japan Wireless
Picture courtesy of Japan Wireless
Japan Wirelessは、訪日外国人向けのキャンピングカーサービスや医療情報の発信などを手掛ける株式会社インバウンドプラットフォームが提供するサービスです。
そのeSIMサービスは、30日・30GBで43.15ドル(6,260円程度)、あるいは1日5GBで8.27ドル(1,200円程度)のプランが特に人気です。1日に5GB使えるプランは珍しいので、たくさんのデータ量を短期間で使いたい人にオススメです。
9.Holafly
Picture courtesy of Holafly
スペインに本社を置くHolaflyは、2017年に創業し、現在は世界各国でeSIMのサービスを展開しています。
Holaflyも多彩なプランがありますが、ベーシックなものは、データ量は無制限・5日間で19ドル(2,760円程度)となります。
もっとも、SIMサービスにおいて「無制限」とある場合、通常、1日2~3GB程度を使うと通信速度が遅くなります。Holaflyの公式HPにはそうした点に関して記載はありませんが、気になる方は事前に問い合わせてみてください。
なお、HolaflyのeSIMは、テザリングでほかのデバイスをつなぐことはできないといったデメリットもあるので、ご注意ください。
10.空港でのeSIM販売
Photo by Pixta
日本の主要空港では、その場で購入できるeSIMのサービスがあります。
例えば、羽田空港では、GTN羽田エアポートガーデン店においてeSIMを販売しています。3GB・30日で2,700円、6GB・30日で3,600円~と、プランはさまざま。直接対面で購入したい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
ポケットWi-FiルーターとeSIMを両方使うのもオススメ
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個人や少人数での旅行の場合、eSIMはとても便利です。
その一方で、日本滞在中にパソコンを多く使ったり、大人数で旅行をしたりする場合、ポケットWi-Fiルーターも併せてレンタルするのがオススメです。
eSIMでテザリングを使うと、スマートフォンのバッテリーの減りが早くなります。そうしたとき、ポケットWi-Fiルーターがあると安心のためです。
また、ポケットWi-Fiルーターは、使えるデータ量が多いものが多く、複数のパソコン・スマートフォンをつなぐのにも向いています。
ポケットWi-Fiルーターに関して、MATCHAがオススメしたいのは、Ninja-Wi-Fiです。データ量は1日3GBまで使え、料金は1日770円です。さらにMATCHA経由でNinja-Wi-Fiに申し込むと、料金が20%OFFとなり、5日間・3,080円で使えます。価格的に見ても、SIMカードに匹敵するリーズナブルさです。
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よくある質問
O3.だいたいどのくらいのデータ量で購入するのがよいでしょうか?
どのくらいのデータ量を使うかは人によりますが、以下の目安を参考にしてください。
動画視聴といった、重たいデータのやり取りをホテルやカフェのフリーWi-Fiを使えば、少ないデータ量でも日本旅行を楽しめるでしょう。
ただし、海外旅行にはトラブルがつきもの。あまり旅慣れてない方は、1日1GB以上のデータ量が使えるサービスにしておくのがオススメです。
知っておきたい!日本の通信データ量の目安(1GBの場合)
メール送信:2,090通(1回あたり約500KBを想定)
動画視聴:中画質で約4時間16分
Google Map:約1,432回閲覧(1回あたり10分の閲覧を想定)
参照:Wi-Fiレンタルどっとこむ
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Q2.自分のスマートフォンに来たQRコードを、自分のスマートフォンで読み取れません。
多くのeSIMサービスでは、申し込み時、自分のスマートフォンに送られてきたQRコードを読み込む必要があります。
しかし、通常の状態だと、自分のスマートフォンに表示されたQRコードを自分のスマートフォンで読み取ることができません。
こうした事態に備え、スマートフォンを2台用意しておくか、あるいはGoogleレンズやLINEなどのアプリを入れておくと、自分のスマートフォンに表示されたQRコードを読み取れるので、事前に準備しておきましょう。
Q1.eSIMには電話番号付き(Voice)SIMがありませんが、大丈夫ですか?
現在普及しているSIMカードには、日本の電話番号が付いてくる「音声通話(Voice)SIM」と、電話番号が付いてない「データのみのSim」があります。他方で、2023年8月現在、eSIMに電話番号付きのものはありません。
短期間の旅行であれば、日本の電話番号はなくても大きな問題はありません。
しかし、音声通話SIMの場合、いくつかのメリットがあります。ひとつは、何かトラブルが起きたときに、警察や救急車などへの緊急連絡ができることです。日本の警察や救急車は外国語対応しているため、これは外国人にとってもメリットです。
また、日本では、各種のお得なサービスや割引を受ける際に、申し込みに電話番号が必要なことがあります。例えば、日本で広く普及している電子決済アプリ「Pay Pay」を使おうと思ったら、電話番号が必要です。
なので、日本に長期間滞在する場合は、ぜひ電話番号が付いてくる「音声通話(Voice)SIM」の活用を検討してくださいね。mobal、Sakura Mobileといった会社は、通常のSIMにおいて「音声通話(Voice)SIM」を提供しています。
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企業のIR/CSR分野のPR、国際協力分野の情報誌編集を経て、2017年10月にMATCHAに参加しました。2019年4月から香川県三豊市に移住。訪日観光客向けの記事を書くほか、地域おこしにも携わっています。
インターネットサービスやレンタカー、ホテル、また西日本の観光スポットの記事を主に担当しています。