【日本の建築美】大洲は懸造り建築の宝庫
大洲市内には日本の建築美を感じることができる建造物が多くありますが、懸造りと呼ばれる建築は大洲の建築を語る上で外すことはできません。 本記事では大洲の懸造り建築の代表例として、少彦名神社と臥龍山荘をご紹介いたします。
懸造り建築とは?
懸造り建築とは崖などの急斜面の土地に建物が飛び出すような形で建てられている建築のことを指します。
京都府の清水寺や鳥取県の三仏寺投入堂などが代表例として挙げられますが、大洲市内でもいくつかの懸造り建築を見ることができます。
また、大洲の懸造り巡りの拠点には「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」がおすすめです。宿泊で来られる方は下記記事もご参照ください。
少彦名神社 参籠殿
少彦名神社の参籠殿は大洲の代表的な懸造り建築の1つで、古事記や日本書紀に登場する少彦名命(すくなひこなのみこと)の終焉とされる地を崇敬するために建てられた神社です。その中でも参籠殿と呼ばれる建物は床面積の約9割が崖から飛び出る形で建てられ、間近でその迫力を楽しむことができます。
参籠殿自体は1934年に建立されましたが、管理者不在の状態もあり、老朽化している状態が続いていました。しかし2014年、ニューヨークに拠点を置くワールド・モニュメント財団により助成金を補助されることで修復されることで、現在の姿となりました。
参籠殿の中には当時の資料などが飾られており、参籠殿の修理の資料を見ることができます。
少彦名神社の詳しい情報はこちらをご覧ください。
臥龍山荘 不老庵
市内随一の観光地である臥龍山荘も大洲で見られる懸造り建築の一つです。臥龍山荘は明治時代に貿易によって財を成した河内寅次郎によって建てられ、当時の豪商らしく財を尽くした贅沢な作りとなっており、各所に拘りを感じることができます。
中でも不老庵と呼ばれる建物は、建物そのものが肱川に浮かぶ舟のように見立てた懸造りとなっており、天井は船底を模し、また対岸の冨士山から月が昇り天井に反射することで部屋を明るくするといった多彩な工夫が施されています。
懸造りを含む不老庵の全貌は臥龍山荘の対岸から見ることができ、季節によって様々な変化を楽しむことができます。
臥龍山荘については下記の記事でも紹介していますので、興味のある方はぜひお読みください。
大洲市は四国の西側、南予と呼ばれる地域に属し、大洲盆地を中心に、北は瀬戸内海、南は四国山地に面した地域です。 市の中心には清流・肱川が流れ、その名の由来ともいわれるように肘のように湾曲した川が、まちを巡っていることで、自然・歴史文化・名産品に多くの恵みをもたらしました。 江戸の昔、大洲城の城下町として栄えたその名残が、肱川のほとりに息づいています。