CEC日記【京都・岡崎エリア】京都モダン建築
皆さん、こんにちは! CECメンバーの大岡美葉(Fumiha Ohoka)、廣瀬亮(Ryo Hirose)、佐野詩音(Shion Sano)です。「CEC日記」では、私たちCECメンバーがツアーで実際に見て、聞いて、感じた京都の魅力が満載なスポットを紹介させていただきます。今回はアートなエリアとして名高い岡崎エリアの魅力をお届けします。
モダン建築
明治維新からおよそ150年。日本の近代化から戦後、そして現代へとつなぐ名建築はいま「モダン建築」と称され親しまれています。
京都は震災戦災による被害が少なかったことにより、数多くのモダン建築が現存しています。その中でも今回は、岡崎エリアにある京都市京セラ美術館の周辺に建てられている3つの建築をご紹介いたします。
今回ご紹介するモダン建築
・ロームシアター
・京都府立図書館
・平安神宮
ロームシアター京都
ロームシアター京都(1960)は前川國男による設計で、この地で長年愛されてきました。この建築で目を引くのは下部の構造物が大胆に抜けたピロティと、重厚な鉄筋コンクリート造です。
“ピロティとは、前川の師、ル・コルビュジェによって提唱されたもので、一階部分の構造物を取り除き、建物を持ち上げることでその空間を公共に開くことを目的としています。
そしてピロティの柱をよく見ると、木目が浮かんで見えてきます。本建築ではコンクリートにあえて木目を生かした型枠を採用することで、鉄筋コンクリート造の建築でありながら“暖かさ”“を表現することが可能になっているのです。
このような、人々が知らなければ誰にも気づかれないような建築家のこだわり。それこそが、人々がロームシアター京都に集う理由なのかもしれません。
光・風・音・そして人々を誘い込むピロティ
京都府立図書館
日本初の公立図書館である「京都府立図書館」は1909年に設立されました。
設計を手がけたのは”関西近代建築の父”、武田五一。彼は3年間のヨーロッパ留学後、京都を拠点とし、数多くの作品を残しました。
NHK朝ドラ「ごちそうさん」を見ていた方はご存じでしょうか?彼は”竹元教授”(ムロツヨシさん)のモデルにもなっています。
「曲線と直線」「西洋と和」の融合が見事。クラシカルで上品な雰囲気が漂います。
戦前に大流行したテラコッタ(建築装飾用の大型の陶器)が使用された最初期の建物でもあります。
しかし、1995年の阪神淡路大震災によって損傷。その後ファサード(正面)部分のみを保存、新たに増築して現在の姿となっています。
平安神宮
明治28年、平安神宮は平安遷都1100年を記念として建てられました。平安京の大極殿を模して建てられましたが、屋根には緑釉瓦が使われており、より一層平安時代を彷彿とさせますね。
設計は、”祗園閣”を建てた伊東忠太が携わっているそうです。それもなんと伊東が大学院生時代に設計した最初の建築物であるそうで、同じ大学生として驚きが隠せません。
平安神宮の前はいつも賑わいを見せています
モダン建築の魅力
いかがでしたか。
今回は昭和時代のロームシアター、明治時代後期の京都府立図書館、明治時代中期の平安神宮の3つのモダン建築をご紹介させていただきました。建築を通して歴史を知ることができるのもモダン建築の魅力の一つです。
今まで何気なく通り過ぎていたちょっぴりレトロな建物にも、実は深い歴史があります。こういった歴史を「知る」ことでいつもとは違った風景を味わえることができます。
みなさんの旅が素敵な体験でいっぱいになりますように。
Special thanks to 京都市京セラ美術館 企画推進ディレクター 前田 尚武さん
京都のガイドのご用命についてはhttps://www.cec-kyoto.jp/までお問い合わせください。
国内外から学生が集まるまち”京都で、わたしたちは世界各国から京都に居を置く留学生と日本人学生で活動をしている団体です。 私たち”アンバサダー”が、自身の体験や知識をもとに京都の文化観光を多様な言語でご案内します。 神社仏閣庭園、モダン建築、食文化、伝統芸能などの知識と体験、現地での出会いなど最高の思い出を作っていただくために、既存のコースから、オーダーメイドの特別な1日コースまでリクエストにお応えし、京都での忘れられない日々になるようお手伝いをいたします。 ガイドツアーだけでなく、ユニークベニューを活用したイベントから四季折々の京都文化を存分に楽しんでいただける企画まで、スペシャルな体験をご提供いたします。