旅の準備はじめよう
海底を歩いて渡る!下関と北九州を結ぶ「関門トンネル人道」
日本の本州最西端にある山口県下関市と九州の福岡県北九州市の間にある、関門海峡(かんもんかいきょう)。ここには、海峡の底を歩ける「関門トンネル人道」があります。今回はこのトンネルを通り、県境を超える様子をレポートします。
山口県下関市と福岡県北九州市の間にある、関門海峡(かんもんかいきょう)。ここには、海峡の底を歩けるトンネルがあるのをご存知でしょうか。海の底を歩くなんてちょっとドキドキしますが、それだけではありません。
山口県と福岡県の県境はこの関門海峡にあり、地上を電車や車で通るルートだと料金がかかるのですが、このトンネルを徒歩で通るのは無料です。
今回は、そんな関門海峡底につくられた「関門トンネル人道」を紹介します。
本州と九州を隔てる関門海峡
日本列島で最も大きい島「本州」と、最も南に位置する「九州」は関門海峡で隔てられています。本州側は山口県下関市、九州側は福岡県北九州市になり、両県の県境は海上にあります。
海峡の幅は狭いところで約600mで、地上には関門橋がかかっています。両岸を行き来する方法は、今回紹介する関門トンネル人道を徒歩で歩く他に、高速道路、一般道、新幹線、電車、船がありますが、徒歩以外は料金がかかります。
九州側の北九州市門司からスタート
トンネルの入り口は、福岡県北九州市の門司(もじ)側と山口県の下関側の2か所あります。今回は門司側から渡ってみましょう。
門司側の入り口は、こちらの建物にあります。まずは建物内のエレベーターで60mほど地下へ降りてください。ちなみに、人道の上には車両が通行する関門トンネルが通っています。
歩行者は無料ですが、バイクと自転車で通行する人は片道20円の通行料を支払います。トンネル内で乗車は禁止されているので、車両を押して通行します。
エレベーターを降りるとホールになっていて、休憩するスペースや記念スタンプが設置されています。空調もしっかり管理されているので快適です。
道には下関方面と書かれています。この矢印を進んでいきます。
海底に続く長いトンネルを歩く
トンネルの長さは780mなので所要時間は15分ほどです。この一本道には緩やかな傾斜がついていて、真ん中が一番深くなっています。
100m間隔で残りの距離を示した案内板が掛けられています。
下関の海底をイメージしているのか、壁にはフグの愛らしいイラストも。
トンネルの一番深い部分へ到着したようで道路が平らになりました。県境はもうすぐです。
山口県と福岡県の県境はココ
漢字で福岡県、山口県と書かれたこの場所が県境です。この線を跨いで写真撮影をするのが観光客に人気で、時には順番待ちになることも。
壁面にも北九州市と下関市のイラストが描かれています。左は下関名物のフグ、右は門司随一の名所・JR門司港駅です。
本州側の山口県下関に到着
県境からは登りになりますが、傾斜がゆるいため気になりません。更に先へ進んでいくとトンネルの向こう側に開けた空間が見えてきました。
門司側では「下関」と書かれていた標識も、下関側では「門司」と書かれています。
この「775m」という標識がトンネルの長さを表わしています。
人道トンネルは国の道路として認められていて、国道2号にあたるそうです。
そしてエレベーターで地上に55mほど上がるとゴールです。
出口の外には公園があり、ダイナミックな関門橋を間近に見ることができます。
関門海峡人道トンネルへのアクセス
人道トンネルへは公共交通機関で訪れることができます。門司の市街地からトロッコ列車でトンネルの近くまで行くことができます。
門司側、下関側どちらも入口前までバスが運行されています。JR門司駅やJR小倉駅から西鉄バスに乗り「関門トンネル人道口」で下車してすぐ。JR下関駅からはサンデン交通バスに乗り「御裳川(みもすそがわ)」バス停で下車しすぐです。
海底を歩いている雰囲気は伝わりましたか? 私自身、徒歩で県境を越える体験は初めてで、両県の標識をこの足で跨ぐ瞬間はワクワクしました。地元の方たちにも日常的に利用されていて、トンネル内ではジョギングを楽しむ人や学校帰りの学生たちと何度もすれ違いました。
海底を歩ける珍しい関門海峡人道トンネル、あなたも体験してみてはいかがですか?
関門海峡人道トンネル
住所:福岡県北九州市門司区門司(門司側)、山口県下関市みもすそ川町22(下関側)
営業時間:06:00~22:00
定休日:なし
Wi-Fi環境:なし
クレジットカードの有無と種類:なし
言語対応レベル:日本語
最寄り駅:西鉄バス「関門トンネル人道口」下車、サンデン交通バス「御裳川」バス停下車
アクセス:JR門司駅からバスで約10分、JR下関駅からバスで約15分
価格帯:無料(自転車とバイクは通行料20円)
宗教情報:-
電話番号:083-231-1350(下関市 観光交流部 観光政策課)
093-322-1188(北九州市 産業経済局 観光にぎわい部 門司港レトロ課)
新潟生まれ。事業会社でのマーケティングを経験後、2011年からシンガポールへ移住し、出版社や制作会社で編集に従事。2015年に日本へ帰国しMATCHAのライターに。国内外を旅行する中で見つけた新しい発見を、多くの人とシェアしていきたいです。