旅の準備はじめよう

秋田県大仙市で行われる『大曲の花火』は、日本三大花火の一つとされており、日本一美しい花火が見られる花火大会です。今年は8月31日(土)に開催されるこの『大曲の花火』への行き方、楽しみ方を、小説風にご紹介します。
台風10号の影響で大阪行きの東海道新幹線が終日運休になってしまい、今後の旅行のリスケジュールを余儀なくされた僕は、朝食を食べながらスマホで魅力的な行き先を探していた。台風の影響が少なそうな東北地方を調べていたら、日本一の花火大会『大曲の花火』が明日開催されるという記事を見つけた。どうやら、日本三大花火大会の一つらしい。100年以上続く歴史ある花火の競技大会で、日本一品質が高く、日本一美しい花火が見られるみたいだ。
興味が沸いた僕は、記事に書いてあった現地の”花火ツーリズムのエージェント”にメッセージを送ってみた。すぐに帰って来た返事には、一言こう書いてあった。「今日の午後に、東京駅から秋田新幹線に乗って、大曲駅までお越しくだされば、最高の花火をあなたにお見せします!」
東京駅から大曲駅へは、秋田新幹線「こまち」号で、およそ3時間半。こまち号は、全席指定席で、自由席はない。
そのため、東京駅に着いた僕は、指定席を取るために、まずは自動券売機へと向かった。有人の窓口は、長蛇の列だが、自動券売機の列はそれほどでもない。画面右上の言語切り替えをタッチして、表示言語を母国語に変えたら、JRパスを挿入して、指定席の予約画面へと進む。難なく、次に発車するこまち号の席が予約できた。
車内で飲むコーヒーやスナック類を買っているうちに、発車時刻が近づいてきたので、新幹線ホームへと急いだ。
東京駅を出発したこまち号は、一路、北へと向かう。仙台までは比較的混んでいたが、そこから先は割と空いていた。何度か車内販売のスタッフがカートを押してやってきたが、盛岡を過ぎたらパッタリと来なくなった。余談だが、仙台は牛タン、盛岡は冷麺が美味しい。
大曲駅に着くと、多くの人が降りた。全員が同じ方向に歩いていったので、人の流れについていくと、新幹線改札口を出て在来線のホームに着いた。さらに、エスカレーターに乗り、2階に上がると、なんと壁一面に『大曲の花火』のポスターが貼られていた。大量のポスターにお祭り気分を高められ、ワクワクしながら在来線改札口へと向かうと、改札の外で花火柄のTシャツを着た男性が手を振っているのが見えた。近寄って握手をすると、彼は満面の笑みで「大曲の花火へようこそ!」と言い、その後に"Tomo"と名乗った。
Tomo が予約してくれた焼き鳥屋へ行き、郷土料理と美味しい日本酒をいただく。大曲がある秋田県は、地鶏が有名らしく、確かに鶏が美味しかった。
夕食の店を出たら、街の中心部へ向かう。前夜祭が行われており、ちょうど大トリの女性ミュージシャンが歌っていた。地元出身のプロミュージシャンで、「青谷明日香」さんと言うらしい。近くの露店でビールを買い、飲みながら聴く。言葉は分からなくても、伸びやかで優しい声色と、愉快なリズムで、幸せな気分になる。
前夜祭の最後は、花火の打ち上げ。時間は短かったが、美しい花火に、明日への期待が高まる。
Tomoの運転する車に乗り、彼の家に向かう。今回の宿は、彼の自宅だ。彼は、妻と子ども二人と、寝室が10個ある古民家に住んでいる。彼ら夫婦は、長年Airbnbをやっているそうで、彼らの子どもたちも誰かがホームステイしに来ることに慣れていた。ホテルも良いが、こうやって誰かと交流しながら滞在するのも楽しい。しばし談笑した後、シャワーを浴びて、ぐっすり眠った。
ゆっくり寝て起きたら、Tomoは既に出かけていた。僕は、のんびりと田園風景を楽しみながら散歩。散歩から戻ると、庭で育てている野菜を食べる分だけ採り、朝食のサンドイッチを作る。朝食後は、庭にいる可愛らしいウサギを眺めて癒される。その後は、近所の果樹園でぶどう狩りを楽しんだ。思ったよりもお腹いっぱいになったので、ちょっと昼寝をした。
花火鑑賞の準備をし、Tomoの妻の運転する車でJR大曲駅へ。Tomoと合流し、観覧会場へと歩いて向かう。観覧会場に入るためには、有料の観覧席チケットを入手する必要があるのだが、既に彼が手配してくれていた。
買い物をしたり、トイレに寄ったりしていたら、思ったよりも時間がかかった。どこも混雑しており、何をするにも並ぶ。観覧会場は、河川敷。広い!人が多い!観客は10万人居るそうだ。
まだ明るいうちから、花火大会が始まった。色のついた煙や光を用いて表現する花火で、昼花火と言うらしい。各社違いがあってなかなか面白い。
昼花火の部が終わって30分くらい休憩時間となった。その後、1500台のドローンを使った、特別企画のドローンショーが行われた。
いよいよ、待ちに待った夜花火の部がスタート。競技に参加する各社が、10号玉2発の打ち上げと音楽付き短編花火ショーを行う。それらの点数に、昼花火の点数を加えた総合点で、日本一をかけて争う。途中途中には、迫力の余興花火も行われ、クライマックスの「大会提供花火」の美しさと迫力に胸が震えた。
興奮冷めやらない中、人混みの中を歩いて駐車場へ。Tomoの運転で、車で20分ほどで宿に戻った。
花火大会の翌日は、角館の武家屋敷や田沢湖、乳頭温泉など近くの観光地を巡り、夏の秋田を満喫した。
私たち花火トラベルは、2024年8月31日に開催される『大曲の花火』の鑑賞席チケットのお手配を承っています。また、民泊もお受けしています。ぜひ、当社のホームページをチェックしてみてください。また、公式LINEでご相談ご質問もお受けしております。
花火トラベルは、花火のまち大曲で創業した、花火ツーリズム専門の旅行会社です。私たちは、花火に対する知識と愛情とを活かし、厳選された観覧体験や特別な体験プログラムを提供し、お客様に忘れられないひとときをお届けします。地域の文化を尊重しながら、観光客と地元をつなぐ架け橋となることを目指し、最高のおもてなしで心に残る感動をお届けしています。