山口県の名湯・俵山温泉の魅力!おすすめ温泉宿と観光スポット徹底ガイド
山口県長門市に位置する俵山温泉は日本有数の湯治場として知られ、静かな山間にたたずむ国民保養温泉地です。魅力あふれる俵山温泉についてご紹介します。
俵山温泉のグルメや周辺観光情報についてはこちらの記事もご覧ください。
俵山温泉の魅力
俵山温泉の歴史と特徴
約1100年の歴史を持つ俵山温泉。地域のシンボルにもなっている白猿が、傷を癒した湯としても知られ、温泉の神聖さとその効能が古くから語り継がれています。
このエピソードからも、俵山温泉が「湯治」(とうじ)※の場として発展してきたことがうかがえますね。
※湯治・・・病気や怪我の治療を目的とした温泉療養
泉質はアルカリ性単純温泉で、無色透明の柔らかいお湯が特徴。特に肌に優しく、リラックス効果が高いことから「美肌の湯」としても評判で、その優れた泉質から国民保養温泉地にも指定されています。また、神経痛や筋肉痛、疲労回復に優れた効能を持ち、身体全体をじっくりと癒す「湯治文化」が今も大切にされています。
俵山温泉の楽しみ方
外湯文化の紹介
俵山温泉では、大半の宿泊施設に内湯がなく、その代わりに温泉街の中心にある2つの共同浴場「町の湯」と「白猿の湯」を外湯として利用するのが特徴です。これら2つの温泉は、それぞれ違った泉源を使用しており、効果効能も異なると言われています。
町の湯
「町の湯」は、敷地内から自然湧出する源泉かけ流しの温泉です。地元住民にも親しまれており、銭湯感覚で利用する方が多くいらっしゃいます。
優れた泉質を有し、特に神経痛や筋肉痛、関節痛などに効能があるそうで、日々の疲れをゆっくりと癒したい人に最適です。
41度の温かめのお湯で、ついつい長湯をしてしまいそうになりますが、温泉の成分が強いため15分以上入ると湯あたり ※温泉成分が身体に影響を及ぼして引き起こされる頭痛・めまい・吐き気などの体調不良 するので気を付けるよう、地元の方から何度も声をかけられました。
施設内には飲泉所も設けられており、無料で飲泉することができます。2ℓのペットボトルは300円で販売されており、飲料としてはもちろん、コーヒーを入れたりお米を炊くために買われる方も多いそう。
入浴料は比較的リーズナブルで、日帰りの観光にも利用しやすい点が特徴です。チケット購入は現金のみの対応になるので、小銭を忘れずに!朝6:00~22:00までの営業も嬉しいポイントです。
白猿の湯
「白猿の湯」は、町の湯と並ぶ外湯の一つで、その名は伝説に登場する白猿が由来です。こちらの温泉では、2つの源泉をブレンドした「混合泉」と、1つの浴槽に「川の湯泉」の源泉をかけ流した浴槽が楽しめます。
特に白猿の湯で使用されているお湯は肌に優しく、美肌効果はもちろんアトピー性皮膚炎や火傷にも効果あり。地元住民の方々は、古くから体調や改善したい部位によって入る温泉を変えるのだとか。この泉質の違いを楽しむことで、身体をじっくりと温め全身を癒すことができそうですね。
浴槽や洗場は広く、岩に囲まれた開放的な露天風呂も魅力の一つです。1階には、売店のほかに、無料で利用できる足湯や、ペット専用の「ペット湯」も完備。こちらの温泉は、火曜・水曜・木曜は定休日(変更の場合あり)のため、事前に営業日をチェックするのがおすすめです。
日帰りでも楽しめる!俵山初心者におすすめの過ごし方
日帰り旅行プラン
日帰りで訪れて、温泉とグルメを楽しむのもおすすめ! 温泉に浸かった後、温泉街を散策しながら地元の名物「三猿饅頭」や、飲食店「たべ山」でのジビエ料理も体験できますよ。
<福田泉月堂:三猿饅頭>
俵山温泉の象徴でもある「白猿」伝説をモチーフにした「三猿饅頭」は手焼きの和菓子で、ふんわりとしたカステラ生地と餡が特徴。三代目のご主人が毎朝手焼きする伝統スイーツです! 可愛らしい猿を片手に写真を撮れば、良い旅の思い出になりそう。
特に焼き立てが絶品! タイミングが合えば焼き立てを購入できるかも。
<そば居酒屋:たべ山>
町の湯に隣接するそば居酒屋 「たべ山」では、地域の名物料理である手打ちそばを中心に、俵山産の鹿・猪を使ったジビエ料理が楽しめます。地元で収穫された野菜や果物を使った、季節ごとの特別メニューも魅力!
この日は、収穫されたばかりの栗を使った「栗ご飯」と、山口県で栽培されるオリジナルの柑橘「長門ゆずきち」を使ったお蕎麦とサワーを注文!まろやかな酸味とたっぷりの果汁が癖になる美味しさ。9月10月頃に出会える名産品です。
夜は珍しい日本酒や、イタリアワイン好きのマスターが集めた選りすぐりのアルコールが飲めるそう。鹿や猪を使ったジビエ料理との相性も抜群ですね。
宿泊でゆったり俵山を堪能するなら「ゲストハウスねる山」
今回宿泊させていただいたのが「ゲストハウスねる山」。素泊まりのみの対応で、大変リーズナブルなお宿です。客室はすべてが個室。お部屋はスタンダードな和室から、地元作家が手がけたコンセプトルームまで様々。
地元客と湯治客が交流できるラウンジや、簡易設備のゲストキッチンも完備。冷蔵庫をはじめ、炊飯器やコーヒーメーカー、調理器具が揃っています。
■夕食
素泊まりのみの対応となるため、夕食の用意はありません。夕食はそば居酒屋「たべ山」(当館向かい側建物)で取ることも可能です。「白猿の湯」1階の農産物直売所や、購入したものを持ちこんでの自炊もおすすめです。
■朝食
宿泊者のみ、金曜・土曜・日曜限定の事前予約制で、1食700円で和朝食をアレンジ可能です。
宿泊者向けに、温泉街周辺を散策するガイド付きツアーや、地元の文化を学べる体験プログラムも提供されています。これにより、温泉だけでなく、山口県の自然や歴史に触れることができ、より充実した滞在となるでしょう。
アクセス
俵山温泉へのアクセスは、バスまたはレンタカーがおすすめです。
バスの場合は何度か乗り継ぎが必要になりますので、事前にスケジュールの確認が大切です。
山口宇部空港からバスで行く場合(新山口駅からバスで行く場合も同様)
まずは空港から新山口駅までバスで移動。(乗車時間30分ほど)
新山口駅到着後は、センザキッチンまで「長門市⇔新山口駅直行便」で向かいます。
予約が無くても空いていれば乗車可能ですが、WEBか電話で事前に予約するのがオススメです。(乗車時間1時間30分ほど)
センザキッチンから俵山温泉へは、サンデンバス(約40分)またはタクシー(要予約)で移動。
1日1便のみですが、スケジュールが合うようであれば、ながと周遊観光タクシーもオススメです。前日までの予約必須、乗り合いタクシーとなりますので、ご利用の場合はご注意ください。
山口宇部空港からバスで行く場合(金土日月)
金土日月曜日のみ限定で、空港からセンザキッチンまでの直通バスが運行しています。
1日2便のみですが、大人片道3500円で乗車が可能です。(乗車時間1時間30分ほど)
金土日月曜日に旅行を予定している方は、こちらを利用するのもおすすめです。
福岡方面からバスで行く場合
博多駅または福岡天神バスターミナルから、長門市、センザキッチンまでの直行バス「おとずれ号」(要予約)が運行しています。1日1便(運行曜日の変更あり)で、片道4000円、往復7000円(WEB販売限定)で利用可能です。
国民保養温泉地とは、温泉利用の効果が十分期待され健全な保養温泉地として、「温泉法」に基づき環境大臣によって指定されています。全国に79箇所の温泉地が指定されています。(2024年10月現在) 国民保養温泉地の選定は、おおむね以下の基準によって行われています。 第1 温泉の泉質及び湧出量に関する条件 (1)利用源泉が療養泉であること。 (2)利用する温泉の湧出量が豊富であること。なお、湧出量の目安は温泉利用者1人あたり0.5リットル/分以上であること。 第2 温泉地の環境等に関する条件 (1)自然環境、まちなみ、歴史、風土、文化等の観点から保養地として適していること。 (2)医学的立場から適正な温泉利用や健康管理について指導が可能な医師の配置計画又は同医師との連携のもと入浴方法等の指導ができる人材の配置計画若しくは育成方針等が確立していること。 (3)温泉資源の保護、温泉の衛生管理、温泉の公共的利用の増進並びに高齢者及び障害者等への配慮に関する取組を適切に行うこととしていること。 (4)災害防止に関する取組が充実していること。