温泉協会が勧める、中・西日本の極上秘湯宿5選
岐阜、長野、和歌山、静岡、熊本の厳選温泉宿で贅沢な源泉掛け流しを楽しみ、歴史と自然の癒し空間に浸りましょう。
1975年、「秘湯」という造語を生み出した朝日旅行の前身、朝日旅行会の創業者・岩木一二三氏の提唱により、「日本秘湯を守る会」が発足しました。当時は、バスも通わない交通の不便な小さな山の温泉宿33軒が集まる会でした。
創立以来、同会は「旅人の心に添う 秘湯は人なり」を理念とし、旅心からのおもてなしと極上の温泉を味わう宿のあり方を追求しています。また、温泉という地球の恵みに感謝し、自然環境の保持・保全活動にも積極的に取り組んでいます。
現在、同会の理念に賛同する温泉宿は140軒を超え、訪れる旅人を素晴らしい温泉と温かいおもてなしで迎えています。今回は、日本秘湯を守る会の会員宿より10軒をピックアップしてご紹介します。ぜひ、旅の計画の参考にしてみてください。
新穂高温泉 槍見舘(岐阜県)
日本の中心に位置し、3000m級の山々が連なる北アルプスの麓にある奥飛騨温泉郷です。源泉数は140本を超え、全国でも有数の豊富な湧出量を誇ります。その最奥、標高1000mを越える場所に広がるのが、高原の温泉地・新穂高温泉です。槍見舘は、新穂高温泉を流れる清流、蒲田川沿いに佇む一軒宿で、1925年創業の老舗です。宿名のとおり北アルプスの名峰・槍ヶ岳を望む混浴露天風呂があり、泉質は単純温泉で色は透明です。少し熱めの掛け流しの湯が旅の疲れをほぐしてくれます。浴槽は槍ヶ岳を一望する「槍見の湯」のほか、4つの貸切露天風呂や、大きな窓から槍ヶ岳を望む内湯など8種類を備えています。夕食は季節ごとの旬の食材を使用した滋味溢れる郷土会席がメインです。また、「飛騨牛料理指定店」としても認定されており、特選飛騨牛の鉄板ステーキや朴葉みそステーキも好評です。
夕食は、季節の食材を使用した郷土会席が中心で、「飛騨牛料理指定店」として飛騨牛の鉄板ステーキなども提供しています。
泉質:単純温泉
浴槽:内湯=2、露天=7
温泉使用量:420L/分
日帰り入浴:可(大人500円)
所在:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂587
標準宿泊料金:18,850円〜33,150円
大湯元 山田旅館(長野県)
長野県北安曇郡小谷村にある歴史ある老舗旅館です。温泉は2本の自家源泉があり、毎分150Lという豊富な湯量を誇ります。湯船はレトロな雰囲気を感じる「元湯」と、宮大工の手で建てられた「外湯」の2か所です。建物中央にある元湯は24時間入浴が可能です。また、お湯は飲泉も可能で、古くから肝臓や糖尿病に効くといわれています。
敷地内には数百年前に建てられた本館をはじめ、6棟の有形文化財が建ち、タイムスリップしたような気分になれます。
泉質:ナトリウム-炭酸水素塩泉
浴槽:内湯=元湯と外湯/男女各2、露天=展望風呂
温泉使用量:150L/分日帰り入浴:可(大人700円)
所在:長野県北安曇郡小谷村中土18836
標準宿泊料金:14,400円〜19,900円
湯の峰温泉 あづまや(和歌山県)
1200年前頃から熊野詣での旅人がその身を清めてきたと伝えられる歴史ある古湯「湯の峰温泉」です。この温泉地に佇む木造4階建ての「あづまや」は、1800年頃創業の老舗旅館です。湯船に注がれるお湯は自家泉源で、豊かな硫黄の香りとともに湯の花が舞います。風呂場はレトロな槇風呂のほか、現在の風呂の原型とされる蒸し風呂、日本庭園専門の教授が設計した露天風呂などバラエティ豊かな湯巡りが楽しめます。また、源泉を使った「特製温泉粥」は食べる温泉として好評の朝食です。
泉質:含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉
浴槽:内湯=3、露天=交替1
温泉使用量:70L/分
日帰り入浴:不可
所在:和歌山県田辺市本宮町湯峯122
標準宿泊料金:16,650円〜33,150円
川端の宿 湯本館(静岡県)
1872年創業の老舗旅館です。ノーベル文学賞受賞作家・川端康成が1918年から10年間逗留して小説『伊豆の踊子』を執筆した宿としても知られます。源泉掛け流し100%の貸切露天風呂は、すぐ横を流れる狩野川の野趣溢れる造りで、渓流の音に耳を傾けながら秘湯の風情を堪能できます。湯船は、露天風呂のほかムーディなライティングで夜中も楽しめる「大浴場」、大理石造りの「婦人風呂」、3面がガラス張りで開放感のある「展望檜風呂」などがあり、加水・加温なしの源泉を掛け流しています。
料理は地元の川で獲れた鮎や、天城名物のいのしし鍋、駿河湾の旬の刺身を中心にした和食が提供されます。湯本館では臭みの少ないいのしし肉を使用しているため、食べやすいです。
レトロな雰囲気が残るエントランスは、小説『伊豆の踊子』の世界に入り込んだような気分にしてくれます。湯本館では、川端康成が滞在した部屋を当時のまま保存してあり、川端先生が残したものなどを見学できます。
泉質:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉
浴槽:内湯=3、露天=入替制・貸切1
温泉使用量:96L/分
日帰り入浴:△(利用できない場合あり、大人800円)
所在:静岡県伊豆市湯ヶ島1656-1
標準宿泊料金:15,400円〜33,000円
大洞窟の宿 湯楽亭(熊本県)
海水浴場近くにある里山の一軒宿です。源泉は、肌ざわりが良く肌がすべすべになるという「白湯」と、鉄分やカリウムを多く含む炭酸泉の「赤湯」の2種類です。浴槽は男女別で、それぞれ2つの内湯と1つの露天風呂を備えます。宿の名物となっているのは、家族で手掘りしたという全長約33mの洞窟風呂です。濁りのある赤湯の炭酸水素含有量は3340mgと日本最高クラスを誇り、体が芯から温まる独特の感覚が楽しめます。また、重みのある湯ざわりが特徴で、皮膚病や切り傷、やけどに効果があるといわれています。
夕食は、料理長自らが食材を選んで作る「創作おまかせ懐石」で、四季折々の食材と天草の新鮮な海の幸がたっぷりと楽しめます。提供される野菜のほとんどは無農薬の自家栽培で、新鮮さと美味しさが自慢です。
冒険心がくすぐられる赤湯の洞窟風呂。炭酸は温度が高いと抜けやすいため、源泉温度50度の炭酸泉は貴重です。
泉質:白湯=単純泉、赤湯=含二酸化炭素ナトリウム塩化物炭酸水素塩泉
浴槽:内湯=4、露天=2、洞窟風呂=2
温泉使用量:白湯=40L/分、赤湯=227L/分
日帰り入浴:△(大人800円)
所在:熊本県上天草市大矢野町上5190-2
標準宿泊料金:17,600円〜
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