【山形県】絶対に食べておきたい米沢のソウルフード!羊肉グルメ特集
山形県・米沢市といえば米沢牛が有名ですが、地元では昔から羊肉が愛されています。なぜ羊肉なのか?どんなお店があるのか?おすすめの食べ方は?この記事では、そんな米沢のソウルフードである羊肉グルメについてご紹介します。
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目次
- 「米沢牛」のまちに、なぜ羊食が浸透したのか?
- 米沢の羊肉グルメを堪能できるお店その1「ひつじ家NEO」
- 米沢の羊肉グルメを堪能できるお店その2「なみかた羊肉店 めえちゃん食堂」
- 米沢で愛され続ける羊肉料理をぜひご賞味あれ!
「米沢牛」のまちに、なぜ羊食が浸透したのか?
日本でも人気の高いブランド牛のひとつに「米沢牛」があります。米沢市へ来たことがない人でも、その名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
全国的に米沢牛が知られている一方で、実は地元では昔から「羊肉」が愛されています。
なぜ、羊肉なのでしょうか…?歴史を遡ること1918年。当時の日本政府が、軍備強化の一環として羊毛の自給自足を目指した「綿羊100万頭計画」を発令したことに端を発します。結果として、この計画は上手くいかなかったのですが、その影響は各地に残り、米沢市でも羊の酪農家が増え、その利活用が問題となってしまいました。当時の米沢(日本)では、肉を食べる習慣があまりなかったことに加え、牛・豚・鳥肉よりも癖がある羊肉は、なかなか受け入れられず、育てた羊が活かされずにいたのです。
そこで、当時農協の職員であった行方貞一さん(なみかた羊肉店初代店主)は、羊肉の独特の臭みを消すための味噌ダレを考案し、自ら精肉店を経営することで、羊肉の普及に尽力しました。はじめは大変な苦労があったようですが、お店に併設した食堂でまずは地元の人に食べてもらう機会を増やすなど、羊肉の美味しさや栄養価の高さを実感してもらう地道な活動が、少しずつ実を結んでいきました。
今や米沢のソウルフードとして浸透し、住民に愛されている羊肉。この食文化は、先人たちの知恵と努力によって根付いたものだったのです。
米沢の羊肉グルメを堪能できるお店その1「ひつじ家NEO」
《ヘルシーな羊肉メニューで、ちょっと豪華なランチタイムを》
米沢のソウルフードである羊肉料理を手軽に楽しむなら、「ひつじ家NEO」がオススメです。こちらは、ディナーだけでなくランチタイムも営業しており、お昼から羊肉料理を堪能できます。
昔から地元の方が多く来店していますが、最近では、ヘルシーな羊肉を求める女性客が増え、休日には他県(宮城県、福島県など)の方が、わざわざ食べに来るほどリピーターが多い人気店です。
お店のイチオシメニューは、3種類の部位の食べ比べができる「生ラム味くらべ」(2,850円)と米沢で古くから愛されている食べ方「名物 みそ焼き」(1,350円)です。
※価格はいずれも2024年10月時点。
色々な部位を食べたい方にオススメ!「生ラム味くらべ」
精肉店を営んでいることもあり、ひつじ家NEOでは羊肉の様々な部位を楽しめます。鮮度も抜群で、色々な部位を食べてみたいという方には、この味くらべセットがオススメです。
食べ比べできるのは、もも・ショルダー・肩ロースの三種類で、お店の特製ダレでいただきます。醤油とにんにくをベースに、隠し味にりんごやピーナッツを使ったタレは濃厚で甘みがあり、少しピリ辛な風味が羊肉の脂と絡んで食が進みます。
それぞれの肉を自分で焼いて食べるスタイルですが、ポイントは焼きすぎないこと!やや赤色が残る半レアの状態が、一番美味しい状態なので気をつけましょう。
まず、もも肉は、さっぱりして歯ごたえがある赤身です。ほどよい厚みがあるので、噛めば噛むほど、肉の旨味が染み出してきて、シンプルながら羊肉本来の美味しさを楽しめる部位です。濃厚タレとの相性も抜群で、さっぱりとしているので、ぺろりと食べられてしまいます。
ショルダーは、羊の腕に近いよく動く部分ということもあり、筋肉質でありながら脂分もしっかりあり、そのバランスが絶妙な部位です。また、他の2種と比べ、羊肉らしい香りが強く、ラム肉好きにはたまらない部位です。味は、噛み応えがありながらも柔らかく、とてもジューシーです。噛む度に、しっかりとした旨味を感じられ、鼻から抜ける香りが心地よくあります。気づけばなくなっている……というぐらい、あっという間に食べてしまう部位です。
そして、口に入れた瞬間、とろりと美味しさが広がるのは肩ロース。柔らかくて旨味が強く、熟成された美味しさが口いっぱいに広がる満足感が高い部位です。
ボリューミーなのにさっぱりしていているのでしつこくなく、最後まで純粋な肉の旨味を堪能できます。しょうゆベースのタレとの相性もよく、和風で濃厚な味わいを楽しめます。
一度の食事で、3種の美味しさを楽しめるリーズナブルで贅沢な一品。ご飯やビールをお供に、ぜひ楽しんでみてください。(※筆者は、肩ショルダーが一番お気に入りです)
地元の味噌を使った特製たれが決め手!「名物 みそ焼き」
ひつじ家NEOの名物メニューである「みそ焼き」。お肉は冷凍ラムと生ラムの2種類がありますが、店主のオススメは冷凍ラムです。生ラムよりも冷凍ラムの方が、より羊肉らしさが残り、ジビエ感が高い野性味がある味わいが楽しめ、癖になる美味しさと評判です。
肉に和えてある味噌ダレは、米沢市内の味噌屋さんの味噌をベースに、青森産のにんにくやりんごを合わせたもの。様々な組み合わせを試行錯誤して作られたタレは、店主のこだわりがつまった濃厚な味噌ダレになっています。
お店が空いているときはスタッフの方が焼いてくれますが、自分で焼く楽しみ方もあります。焼き方のマニュアルがあるので、初めての方でも安心して美味しく焼くことができます。
熱くなった鉄板に野菜を敷いてから肉を広げ、付属の「魔法の水」をかけると、味噌の香りが一気に広がって食欲をそそります。ジュージューと肉が焼ける音を楽しみながら待つこと数分で、みそ焼きが完成します。
まず感じるのは、にんにくの力強い香り。焼けた味噌の香ばしさが引き立ち、期待が膨らみます。
熱々のお肉を頬張り、噛みしめると、濃厚な味噌と羊肉の旨味が一気に広がります。肉の厚みが絶妙で、噛みしめる度にジュワッと旨味が広がるリズミカルな美味しさを楽しみながら、次々と箸が進みます。
にんにくの風味が食欲を刺激して、あっという間に食べてしまう一品です。
※常連の方は、これをご飯の上に乗っけて「みそ焼き丼」として召し上がるそうです。
ひつじ家NEOのランチタイムでは、この他に定食やカレーで羊肉の美味しさを堪能することもできます。ぜひ、旅の寄り道に、伺ってみてはいかがでしょうか。
尚、ひつじ家NEOは、ディナータイムの営業もしています。気の合う友人やご家族で、お酒と一緒に羊肉を楽しむにも最適なお店です。
ひつじ家NEO 店舗情報
・営業時間:<お昼>11:30-14:00(LO13:30) <夜>17:00-21:30(LO21:00)
・定休日:水曜
・住所:〒992-0012 山形県米沢市金池7丁目2−47
・電話番号:0238-61-6323
・支払い方法:現金、クレジットカード、電子マネー
・言語対応:日本語
・その他:店内にFree Wi-Fi有り
米沢の羊肉グルメを堪能できるお店その2「なみかた羊肉店 めえちゃん食堂」
「義経焼き」発祥の老舗が贈る、進化が止まらない絶品羊ディナーコース!
この「なみかた羊肉店」こそ、米沢へ羊肉を普及するために奮闘した行方貞一さんが立ち上げたお店そのものです。米沢駅から徒歩7分と、アクセスにも優れているこのお店の一階は精肉店となっていて、新鮮な羊のこま肉やラムチョップなどを購入することもできます。
初代店主の行方貞一さんが考案した、「羊肉独特の臭みを消す秘伝の味噌ダレ」を羊肉と野菜に絡め、鍋で焼いて食べる方法が「義経焼」です。
店舗二階の「めえちゃん食堂」ではこの「義経焼」のほか、さまざまな羊肉料理を堪能することができます。
※ディナータイムのみの営業となります。
メニューが豊富で、思わずどれを注文しようか迷ってしまうほど。今回は、めえちゃん食堂を代表する看板メニュー「生ラムしゃぶしゃぶ」「ラムチョップステーキ」「義経焼」が一度に楽しめるコースメニューをセレクトしました。
※なお、生ラムしゃぶしゃぶはコースメニュー限定(予約必須)になりますので、ご注意ください。
「生ラムしゃぶしゃぶ&義経焼コース」は、上記の3品の他にデザートを含む計8品で、2時間の飲み放題(アルコール飲料・ノンアルコールカクテル・ソフトドリンクなど)が付いて5,500円(税込)と良心的な価格です。
さらにプラス500円すると、なみかた羊肉店がセレクトした日本酒、焼酎、梅酒合わせて20種類以上のお酒も飲み放題となります!山形県で醸された日本酒「天泉 朝日鷹」や「雅山流」、希少な焼酎の「中々」など、お酒好きにはたまらないラインナップです。美味しい羊肉料理と地酒を一度に楽しんでみたい方には、こちらがオススメです。
新鮮なお肉だからこその味わい方!「生ラムしゃぶしゃぶ」
赤身と脂味のバランスがいい肩ロースとショルダーを、1mmの薄さでスライスした美しい一品。鮮度が良くきれいなピンク色をした生ラム肉は、さっと出汁にくぐらせるだけで食べ頃になります。
※加熱しすぎると固くなります。
加熱したお肉は、ポン酢か胡麻ダレでいただきます。薬味や調味料も豊富に揃っているので、好みの味に調整できるのが嬉しいポイントです。
お肉はとても柔らかく、まるで絹のようになめらかな舌ざわり。口の中いっぱい羊肉の旨味と香りが広がる一方で、お肉の臭みがまったく気にならない味わいなので、これまで羊肉に苦手意識があった方にもぜひ食べていただきたい一品です。ポン酢と組み合わせると甘みが、胡麻ダレに絡めると旨味が引き立ちます。ぜひそれぞれのタレを試してみて、自分好みの食べ方を探してみてくださいね。
合わせる日本酒は、大吟醸の「雅山流 如月」がオススメ。生ラムしゃぶの柔らかな甘みと伴走するように、口の中にフルーティーな甘みが広がって、深い味わいを楽しめます。
ジューシーに焼けた骨付き肉にかぶりつく!「最高級ラムチョップステーキ」
見た目もインパクト抜群のラムチョップステーキも、めえちゃん食堂に来たらぜひ味わってほしい人気メニューです。
香ばしい薫りが食欲をそそります。
一見、分厚く見えますが、かじり付いてもすっと噛みほどけるぐらい柔らかく、ナイフやフォークを使わず食べ進めることができます。噛めば噛むほど、ジューシーで旨味たっぷりな肉汁が口の中に溢れてきます。しかしながら脂はさっぱりしているので重たく感じません。肉そのものの美味しさを余すことなく楽しめる、食べ応えある一品となっています。
またお好みで、添えられたバルサミコソースと自家製マスタードといっしょに食べてみるとラムチョップの美味しさが一層引き立ちます。特に自家製マスタードは、ラムチョップに合うように試作を重ねてつくられた超大粒のもの。マスタードシードを潰さないまま長期間熟成されているので、プチプチとした食感がとても良いアクセントになります。
合わせる日本酒は、辛口が良いでしょう。シンプルな味付けでもじゅうぶんに濃厚な味わいの羊肉、そして肉の美味しさを引き立てる調味料などの風味が残っているところに辛口の日本酒を飲めば、それぞれの旨味が程よく溶け合い、すっきりと澄んだ心地よい風味を残してくれます。
米沢のソウルフードといえばこれ!「義経焼」
秘伝の味噌ダレが味の決め手となっているなみかた羊肉店の「義経焼」。同じく厚切り羊肉と野菜を鉄板で焼く料理として日本では「ジンギスカン」も有名ですが、ジンギスカンには醤油ダレが使われています。
「義経焼」の名前の由来は、12世紀ごろの日本を生きた有名な武人・源義経です。語り継がれている伝説のひとつに、源義経が大陸へと渡り、モンゴルでチンギスハン(ジンギスカン)になったのではないか、という説があります。
※あくまで一説です。具体的な歴史記録・証拠は残っていません。
この逸話から、羊料理の「ジンギスカン」と一線を画す味噌ダレで味付けした食べ物として「義経焼」と命名されたそうです。
味噌ダレに使われているベースの味噌、ニンニク、隠し味のりんご「紅玉」は、すべて地元の米沢産のもの。創業以来受け継がれてきたこだわりのタレが、羊肉の旨さと野菜の甘味を引き立てます。
「義経焼」をうまく焼くコツは、鉄鍋の周りに野菜を、中央に肉を置くことです。具材を置き終わったら、付属の「魔法の水」をかけると、湯気とともに香ばしい香りがテーブルに広がります。最後に、まんべんなく火が通るように肉と野菜を混ぜて焼き、完成です。
薄さにこだわったというラム肉は、噛めば噛むほど旨味が広がっていきます。また味噌ダレの塩味と甘みのバランスがちょうど良く、お肉にさらに深いコクを与えてくれています。羊肉そのものの美味しさもしっかりと感じられるので、お酒はもちろんご飯との相性も抜群です!
「生ラムしゃぶしゃぶ&義経焼コース」では、羊肉料理だけでなく冷麺やデザートのシャーベットなども楽しめるのもうれしいポイント。お腹も心も大満足する、とってもお得で贅沢尽くしなコースとなっています。リピーターが多いのも納得です。
なお、ディナー予約は基本的に電話受け付けとなっていますが、オンラインからも申し込めるそうです。日本語での電話に不慣れな方は、下記のオンラインストアやInstagramからのご予約がおすすめです。
現店主の行方進之介さんは、家業を継ぐ際に世界中の羊肉を食べる旅に出て、そこで得た経験をお店で販売する商品や料理に反映しているそうです。歴代の味を継承しながら新しいチャレンジと進化を続けるめえちゃん食堂から、今後も目が離せません!
なみかた羊肉店 めえちゃん食堂 店舗情報
・営業時間:水曜~日曜 17:00-22:00
・定休日:月曜、火曜
・住所:〒992-0026 山形県米沢市東2-1-30
・電話番号:050-5589-7118
・支払い方法:現金、クレジットカード
・言語対応:日本語
・その他:店内にFree Wi-Fi有り
米沢で愛され続ける羊肉料理をぜひご賞味あれ!
いかがでしたか?米沢のソウルフード・羊肉料理を思う存分楽しんでいただけるお店の紹介でした。
米沢といえば「米沢牛」や「米沢ラーメン」ももちろん食べていただきたい一品ですが、住民に長く愛され続けている羊肉も、同じくらい自慢できるグルメです。
日本の山形県へお越しの際は、ぜひ米沢で羊グルメも味わってみてくださいね!
東北地方の中でも、重要なサムライの遺産が数多く残る米沢のまち。 東京から新幹線で約2時間で到着する、非常にアクセスの良い東北地方の観光地です。 甲冑や着物を身に着けてみたり、合戦に参加してみたり、寺社仏閣を巡ってみたり。かつて、日本のサムライたちが過ごしたストーリーを、米沢で追体験してみませんか。