ゼロ・エミッション船~日本最大の海事都市「今治」と村上海賊
「日本最大の海事都市」 今治市は人口15万人ほどの四国第5(県庁所在地自治体を除くと最大)の地方都市です。多くの人は「今治タオル」や広島県尾道市と結ぶ「しまなみ海道」の四国側玄関口として知られています。 今治造船をはじめ、今治市の造船会社はグループ全体で、国内30%超のシェアを誇ります。また、船舶用機器の製造所も集積するため、海事産業が牽引する今治市の製造出荷額は、四国で一位になっています。 日本最大の海事都市となった背景には、地理・歴史的な理由があったようです。 古くから瀬戸内水運の難所であり、南北朝時代より戦国時代、周辺海域は村上水軍の拠点となっていました。 江戸時代は「海城」今...
今治市が本社の大手造船会社は2024年から船を造るドックを拡張しています。海運業界の温暖化対策で今後、二酸化炭素を排出しない水素やアンモニアが燃料の船などの建造の増加が見込まれその需要を取り込む狙いです。海運業界ではEU=ヨーロッパ連合が新たな環境規制を導入するなど世界的に温暖化対策が進められていて、今後、二酸化炭素を排出しない水素やアンモニアを燃料とする「ゼロ・エミッション船」などの増加が見込まれます。「ゼロ・エミッション船」をめぐっては造船国内最大手の「今治造船」がアンモニアを主な燃料とする船の開発を進めている事等により、脱炭素化への取組を2050年カーボン ニュートラルの実現に向けて動き出しています。
波止浜港より造船会社群を眺める
今治の先にある来島海峡は、瀬戸内の中央部にあるため、潮位変動が大きく、点在する小島の影響もあって、潮流は速く、古くから瀬戸内水運の難所といわれてきました。
そのため、この海域は古来より水軍(村上氏)の拠点となります。水軍は、因島、能島、来島を拠点にした海上の武装集団で、南北朝から室町・戦国時代を通して、歴史にその名を残し水軍は、港湾、海運、造船などの海事産業の基盤となりました。
観光事業として、日本遺産の「能島城跡上陸&潮流クルーズ」インバウンドOKの「サイクルツアー」他、村上海賊ミュージアム内の「jibacafe」にて、オフィシャルグッズの開発販売、官公庁向け誘客サービスを行っています。また、ロードサービス事業として、高速バスの運行「広島~今治・福山~今治・福山~松山」、料金所運営、料飲事業として「来島海峡サービスエリア」「風のレストラン」「丸の内88屋」その他、岡山理科大学の今治キャンパス食堂の運営を通じて、多くの訪問いただく皆さんに向けた誘客サービスと、地元貢献を目指しています。