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日本の洋食料理6選!洋食の歴史やおすすめ名店も紹介
「洋食」と聞くと、ハンバーグやオムライスなどが思い浮かびますが、細かく言えば、西洋料理に基づいて日本で独自に進化を遂げた料理を指します。現在では定番料理として親しまれている洋食のルーツや人気メニュー、洋食の名店についてまとめた記事です。
日本独自の料理「洋食」について知ろう
洋食は、明治時代に流入されてきた西洋料理を、日本人の味覚に合うようアレンジされたものです。
その洋食に関する情報をはじめ、日本人に人気の洋食メニュー6選や、都内のおすすめしたい洋食の名店5選を解説しています。気になる名店があったら、ぜひ足を運んでみてください。
洋食とは?
洋食は、現在の日本の食文化において欠かせない存在であり、その始まりは明治以降の文明開化期(1868年以降)にさかのぼります。
当時、日本は積極的に西洋文化を取り入れており、そのひとつに西洋料理がありました。当初は、外交官や上流階級などの限られた人しか食べられませんでしたが、明治時代中期には庶民も含め、一般的に広まっていきます。
洋食は高級料理であったことから、庶民は独自のアレンジを加えて、現在のカレーライスやオムライスなどの洋食の原型を作り出しました。つまり、洋食は西洋料理を日本人の舌や好みに合うようにアレンジし、独自に進化を遂げた料理です。
本格的な西洋料理や日本の伝統的な和食と区別するために、「洋食」という言葉が用いられるようになりました。
洋食を代表する主な料理6選
日常的に食卓に並ぶ洋食の中で、特に日本人が好きな定番の料理をピックアップしました。
1. オムライス
「オムライス」は英語ではなく、フランス語の「オムレ(omelette)」と英語の「ライス(rice)」を組み合わせた和製語です。
基本的には、トマトケチャップで味付けしたご飯を、薄く焼いた卵で包んだ料理です。多くの人に愛される定番の洋食メニューで、日本にはオムライス専門店もあります。
バリエーションが豊富で、ご飯をガーリックライスやピラフに変えたり、ケチャップの代わりにカレーやホワイトソースをかけたりと、好みに応じてアレンジできます。
野菜とご飯、卵が一度に摂れるため、栄養バランスがよく、そのボリュームによる満足感が人気の理由です。
2. ハンバーグ
洋食を代表する肉料理といえば、「ハンバーグ」が挙げられます。肉を細かく刻んで食べる、ドイツの「タルタルステーキ(tartar steak)」が起源のひとつだとされていますが、正式な記録はありません。
牛ひき肉に、玉ねぎのみじん切りやパン粉、卵、香辛料などを混ぜ合わせ、オーバル型に成型して焼いたものが一般的です。
デミグラスソースや照り焼き、醬油ベースのソースに大根おろしを添えるなど、さまざまな食べ方を楽しめます。
手軽なレトルト食品からレストランの高級ハンバーグまで、種類が豊富な点も特徴です。
最近は、特にブームになっており、東京では「挽肉と米」や「極味や」などのハンバーグ専門店が増え、さらに注目を集めています。
3. ハヤシライス
「ハヤシライス」は、英語の「ハッシュドビーフ(hashed beef)」と「ライス(rice)」を組み合わせた和製語です。薄切り牛肉や玉ねぎ、じゃがいもなどを炒め、ブラウンソースで煮込んだものをご飯にかけて食べる料理です。
「ビーフシチュー」に似ていますが、具材の形や味付けが異なり、ハヤシライスの方が煮込む時間が短く、比較的簡単に作れます。
ハヤシライスのルーが販売されていることから、手軽に作れる家庭料理のひとつです。
オムライスの上にハヤシソースをかけた「オムハヤシ」も人気で、レストランなどでよく見かけます。
4. コロッケ
「コロッケ」は、フランスの「クロケット(croquette)」という揚げ物を、日本風にアレンジしたとの諸説があります。
下処理した肉や魚介と、茹でたじゃがいもを混ぜて形を整え、卵・小麦粉・パン粉をまぶして揚げた料理です。
日本に伝わった当初は高級メニューでしたが、徐々に庶民の間にも広まり、家庭の食卓はもちろん、精肉店やコンビニのテイクアウトメニューとして、気軽に味わえるようになりました。
じゃがいもの代わりにかぼちゃを使った「かぼちゃコロッケ」や、ホワイトソースとカニを使った「カニクリームコロッケ」なども定番です。
5. フライ(エビ、かき、豚肉など)
「フライ」は、主に魚介類や野菜に、卵・パン粉を付けて油で揚げた料理です。肉類を同様にして揚げた料理は、「カツレツ」とも呼ばれます。
他に、「エビフライ」や「カキフライ」、「アジフライ」なども、フライ料理の代表的なメニューです。
語源である英語の「fry」は、「揚げる」だけではなく「焼く」「炒める」など、油を使う料理全般に使われます。日本では、「フライドチキン」や「ポテトフライ」など、パン粉を使わない揚げ物も含まれます。
6. スパゲッティ
「スパゲッティ」は、イタリアの代表料理「パスタ」が発祥であり、中でも棒状や管状に長く成形されたパスタを指します。
また、日本では和風にアレンジされたパスタを、スパゲッティと呼ぶ場合もあります。
本格的なイタリアンレストランから昔ながらの喫茶店まで、幅広く楽しめる点が特徴です。
メニューは多岐にわたりますが、代表的である「ナポリタン」や「たらこスパゲッティ」などが、老若男女問わず人気を集めています。
日本で有名な、美味しい洋食の名店
洋食には魅力的なメニューがそろっていますが、日本には美味しい洋食を味わえる名店が多くあります。都内のおすすめの名店5選と、その看板メニューを紹介します。
上野精養軒
Picture courtesy of ホットペッパーグルメ
「上野精養軒」は伝統的な洋食を楽しめる、1872年創業の老舗洋食店です。
看板メニューには、創業時から続く秘伝のドミグラスソースを使った「昔ながらのビーフシチュー」や、わんぱくな大人のお子さまランチ「パンダプレート」、冬に食べたい熱々の「シーフードグラタン」などがあります。
数量限定メニューやセットメニュー、お子様メニュー、季節限定スイーツも用意されており、さまざまなシチュエーションで利用可能です。冬季以外は、上野公園の自然を眺められるテラス席を案内してくれます。
【上野精養軒】
住所:〒110-8715 東京都台東区上野公園4-58
営業時間:ランチ 11:00~15:00(L.O. 14:00)/ディナー 17:00~21:00(L.O. 20:00)
※土日祝のランチは11:00~16:00(L.O. 15:00)
※夜は予約のみの営業
定休日:月曜日
公式HP:https://www.seiyoken.co.jp/index.html
公式Instagram:https://www.instagram.com/seiyoken_official/
ホットペッパーグルメ:https://www.hotpepper.jp/strJ000010206/
日比谷松本楼
Picture courtesy of ホットペッパーグルメ
「日比谷松本楼」は、1903年の日比谷公園の開園とともにオープンした洋食店です。
夏目漱石や高村光太郎などの名だたる文豪たちが集ったレストランとしても知られています。
大都会の中にある緑豊かな癒し空間で、昔ながらの「ハイカラ洋食」を堪能できます。
看板メニューの「ハイカラビーフカレー」のほか、オムレツライスのソースと、ハンバーグ・海老フライ・カニクリームコロッケから好きな組み合わせを選べるプレート料理が人気です。
ディナータイム(17:00以降)の食事は予約のみ承っています。ランチタイム・ティータイムの予約は、テラスオープンデッキ席(1席限定)を除いて、基本的に受け付けていないため、直接ご来店ください。
【日比谷松本楼】
住所:東京都千代田区日比谷公園1-2
営業時間:ランチ 11:00〜14:00 / ティータイム 14:00〜17:00 / ディナー 17:00〜20:00 L.O.
公式HP:https://www.matsumotoro.co.jp/
ホットペッパーグルメ:https://www.hotpepper.jp/strJ000010206/
資生堂パーラー
Picture courtesy of ホットペッパーグルメ
1928年に本格的な洋食レストランとして開業した「資生堂パーラー」は、銀座でもひときわ目立つレンガ色の東京銀座資生堂ビル内にあります。
数々の文化人を魅了した洋食の味は現在も受け継がれており、「コンソメスープ」や「ビーフカレーライス」、「マカロニグラタン」などの伝統的なメニューが愛されています。
特に、チキンライスをきめ細やかでプルプルとした卵で包んだ「オムライス」は、味も見た目も美しい大人気メニューです。
【資生堂パーラー】
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル4・5F
営業時間:11:30~21:30 (L.O. 20:30)
定休日:月曜日(祝日は営業)・年末年始
公式HP: https://parlour.shiseido.co.jp
ホットペッパーグルメ:https://www.hotpepper.jp/strJ000211336/photo/
洋食大吉
Picture courtesy of ホットペッパーグルメ
1970年創業の「洋食大吉」は、食通として知られる文豪の池波正太郎やプロレスラーのスタン・ハンセンなど、多くの著名人が足しげく通った浅草の名店です。レトロな雰囲気漂う店内には、テーブル席と座敷があります。
看板メニューの「岩中トンテキ」や「カニクリームコロッケ」は、そのボリュームにもかかわらずリーズナブルな価格で、訪れる人々を満足させています。ランチメニューのハンバーグとフライのセットもお得です。
【洋食大吉】
住所:〒111-0052 東京都台東区柳橋1-30-5 ドヌール柳橋弐番館KYビルB1F
営業時間:ランチ 11:30~15:00 / ディナー 17:30~22:00
※土曜日はランチのみ
※日曜日は17:00~21:30
ホットペッパーグルメ:https://www.hotpepper.jp/strJ000128511/
ヨシカミ浅草
観光名所の浅草寺付近の路地にある「ヨシカミ浅草」は、1951年創業の老舗洋食店です。アットホームな雰囲気の店内では、昔ながらの素朴な味の洋食を味わえます。
1週間かけてじっくり仕込むデミグラスソースを使った「ビーフシチュー」や「ハヤシライス」などは、まさに洋食の王道と言える看板メニューです。
「ハンバーグステーキ」や「ビーフカツレツ」、「スパゲッティーナポリタン」、「オムライス」などの豊富なメニューがそろっているので、なかなか決められないわくわく感がたまりません。
【ヨシカミ浅草】
住所:〒111-0032 東京都台東区浅草1-41-4 六区ブロードウェイ
営業時間:11:30〜21:30(L.O. 21:00)
定休日:木曜日
公式HP:https://www.yoshikami.co.jp/
ホットペッパーグルメ:https://www.hotpepper.jp/strJ000103317/
名店で日本独自の「洋食」を楽しもう!
洋食は、明治時代に伝わった西洋料理を日本風にアレンジした、日本オリジナルの料理です。オムライスやハンバーグなど、現在でも多くの人々から愛されている洋食メニューは数多くあります。
本記事で紹介した洋食の名店は、歴史や文化を感じられる洋食が人気の老舗店ばかりです。洋食の魅力を知るためにも、日本を訪れた際はぜひ足を運んでみてください。
Written by Cakutama editorial team
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