旅の準備はじめよう

日本では近年、キャンピングカーでの旅行が人気になっています。本記事では、キャンピングカーでの宿泊スポット(RVパーク、オートキャンプ場)の利用方法や、運転免許、車内設備など、日本でのキャンピングカー旅行の前に知っておきたい事項をまとめました。
近年、日本では外国語に対応したキャンピングカーのレンタルサービスが増え、訪日観光客も気軽にキャンピングカーの旅を楽しめるようになりました。
しかし、キャンピングカーでの運転や、宿泊施設の予約方法などに不安を感じる人も少なくないのではないでしょうか。そこで、本記事ではキャンピングカーを利用する際に知っておきたい12の事項をまとめました。
※本記事には、訪日観光客向けの情報が一部含まれています。
おすすめのキャンピングカーサービスについては、以下の記事にまとめています。どこでレンタルするかを検討中の方は、こちらも参考にしてみてください。
■宿泊地(RVパークほか)の利用方法
■キャンピングカーのレンタル・設備
■その他
まずは、キャンピングカーの運転に関する不安を解消しましょう!
多くのキャンピングカーは普通免許で運転可能です。大型車の免許などは不要です。
日本や台湾では、マニュアル車・オートマ(AT)で免許が異なります。しかし、近年の日本のキャンピングカーはAT車が主流となっており、AT限定免許でも問題なく運転できます。
アメリカの場合は免許にマニュアル・ATの区別がありません。なので、日本での運転に制限はありません。
なお、訪日観光客の場合、もちろん国際免許証や、翻訳文(台湾の場合)が必要なので、ご注意を!
キャンピングカーは、普通の乗用車より車高が高く、重量も重いのが特徴です。筆者は初めてキャンピングカーに乗ったとき、目線がとても高いため、ちょっと怖かった覚えがあります。
そのため、運転に慣れないうちは、慎重にゆっくり運転しましょう。特に注意してほしいのは、以下のような点です。
・運転席の高さに慣れる
キャンピングカーは乗用車に比べて運転席が高い位置にあります。見える景色が変わることに慣れ、周りの状況をしっかり把握しましょう。
・後方や側面の安全確認を徹底する
キャンピングカーは死角が広いです。サイドミラーやバックカメラを活用して安全確認を怠らないように。
・スピードを出しすぎない
キャンピングカーは重量があるため、スピードを出しすぎると転倒のリスクが高まります。適切な速度を保ちましょう。
・車間距離を十分に取る
キャンピングカーは重量があるため、ブレーキを踏んでから完全に停止するまでの距離が長くなります。十分な車間距離を確保してください。
・カーブや交差点はゆっくり走る
キャンピングカーは高重心のため、カーブでは横転のリスクが普通車より高くなります。また、車体が長いため、車がカーブする際の前輪・後輪の軌道の差が大きくなり(内輪差・外輪差)、内側をこすってしまうこともあります。慎重に、ゆっくりと走行しましょう。
・高さ制限のある場所に注意する
日本では、高速道路や主要な幹線道路においては高さ制限は滅多にありません。ただし、一般道の場合、高さ制限のあるトンネルがある場合があります。こういった場所は通り抜けできないので、迂回しましょう。また、屋根がある駐車場も、入れない場合があります。
日本の駐車場は、一般的に「長さ5.0m×幅2.5m」程度の大きさです。
キャンピングカーの大きさで解説しますが、小型のキャンピングカーの場合、問題なく入りますが、中型の場合、ギリギリとなります。
なので、駐車する際は、左右に車が駐車してない場所を探すなど、なるべくスペースに余裕がある場所に停めましょう。
【駐車できない可能性がある場所】
・コインパーキング:コインパーキングは、場所によってはキャンピングカーが不可の場合があります。
・立体駐車場・地下駐車場:これらの場所も、高さ制限で駐車ができない場合があります。
キャンピングカーは、普通乗用車よりも駐車場探しに時間がかかる可能性があります。そのため、時間の余裕をもって行動しましょう。
Picture courtesy of pixta
適切な対策をすれば、冬でも問題なく利用できます。寒冷地や冬季にキャンピングカーを使用する際は、以下を意識しておきましょう。
・タイヤ
スノータイヤ(スタッドレスタイヤ)やチェーンを装備したキャンピングカーをレンタルする。
・暖房
車両のエンジンとは独立している燃焼式ヒーター(FFヒーター)が装備されているかをチェック。
・断熱
断熱対策がしっかりしているかをチェック。
・夜間
大雪時の夜の運転はとても危険なので、絶対にやめる。
・車種
可能であれば、4WDの車種をレンタルする方が安全です。
・運転
急ハンドル、急ブレーキは避けましょう。
なお、こちらの記事に、雪道運転で注意することを紹介しています。特にスノータイヤは、キャンピングカーのレンタル申し込み時に確認しておきましょう。
キャンピングカーの乗り方が分かったら、次は宿泊スポットについてチェックしてみましょう!
オートキャンプ場のイメージ Photo by Pixta
日本では、法的にキャンピングカーでの宿泊が認められた場所と、そうでない場所があります。
【宿泊可能】
・RVパーク
・オートキャンプ場(不可の場合あり)
【休憩可能だが、宿泊は不可】
・コンビニやスーパーなどの一般駐車場
・高速道路のサービスエリア・パーキングエリア
・道の駅
特に近年は、車中泊ができないオートキャンプ場が増えているため、キャンピングカー旅行はRVパークでの宿泊が主流となっています。続いて、RVパークについて詳しく解説します。
香川県の三豊市にある父母ヶ浜(ちちぶがはま)のRVパーク
RVパークとは、「Recreational Vehicle Park」の略。日本では特に、一般社団法人日本RV協会が定めた条件を満たす、車中泊施設のことを指します。
RVパークには一般的に以下のような設備が整っています。
・電源:車載バッテリーや冷蔵庫など、車内の家電を充電できます。
・水道:料理や洗い物に利用できるほか、車内タンクへの給水も可能。
・ゴミ捨て場:有料の場合あり。
・排水設備:生活排水やトイレの排水を処理できます。
・シャワー・入浴施設:多くの場合有料で、1人あたり500円〜1000円ほど。
・24時間利用可能なトイレ:定期的に清掃されていることが多く、清潔です。
・売店・自動販売機:施設にもよりますが、飲み物やインスタント食品、トイレットペーパー、シャンプーなどの日用品が揃います。
ほかにも、最近はWi-Fiやランドリー設備、キッチンスペースや子ども向けの遊び場を設置しているところも多いです。
Picture courtesy of JRVA
RVパークは、日本全国にあります。RVパークは、基本的に予約不要のため、当日に現地に行ってその場で申し込めばOK。
ただし、連休の時期は大変混み合うため、予約をしておくことをおすすめします。日本の連休については、こちらの記事をご確認ください。
以下、予約方法を紹介します。
【日本語ができる場合/Google翻訳などで対応する場合】
RVパークは、たいてい、電話予約・オンライン予約どちらもできます。ただし、施設の公式HPが日本語のみ、あるいはスタッフが日本語のみしか対応できない場合があります。
ただし、あまり難しい日本語は必要ないので、Google翻訳などのツールをつかって予約してもよいでしょう。
以下、RVパークの予約サイトになります。
RVパーク:RVパーク公式HP
【外国語での予約方法】
一部のRVパークは、Airbnbのような国際的な予約サイトにも掲載されており、外国語で予約ができます。また、キャンピングカーのレンタル会社が、外国語でRVパークの紹介をしていることもあります。
Carstay:https://carstay.jp/en/stations/current_location/?mode=map
Air bnb:https://www.airbnb.jp/japan/stays/rvs
こちらから申し込めば、Carstayは10%の割引が付きます。
キャンピングカーでは、その中で暮らせるよう、さまざまな設備が整っています。
キャンピングカーの内装イメージ Photo by Pixta
キャンピングカーには、生活に必要なさまざまな設備が搭載されています。詳細を以下にまとめました。
なお、どんな設備があるかは、借りるキャンピングカーによって異なります。レンタル時にしっかり確認しましょう。
・キッチン
キッチンはガスコンロまたはIHコンロのほか、調理台やシンクが備わっている場合が一般的です。
・トイレ
カセットトイレが一般的です。カセットトイレは汚水タンクを取り外して処理できる簡易トイレ。排泄物はキャンプ場やRVパークの排泄物処理施設で捨てます。
・シャワー
日本では、中型以上のキャンピングカーではシャワー付きのモデルが多いです。しかし小型のキャンピングカーにはシャワーはありません。その場合、RVパークのシャワーを利用しましょう。
冷房
近年、多くのキャンピングカーには、ルーフエアコンが備え付けられています。ルーフエアコンは外部電源や発電機が必要ですが、それがあれば長時間の使用が可能です。
暖房
近年、多くのキャンピングカーにはFFヒーターが搭載されています。FFヒーターとは、車両のエンジンとは独立している燃焼式ヒーターです。エンジンを動かさなくても車内を温めることができます。
※冷暖房に関する注意
冷房、暖房ともに車両エアコンであれば、エンジンが稼働していれば使用できます。ただし、エンジン寿命への影響や環境保護の観点から、長時間の使用は推奨されません。
その他
このほか、レンタル会社ごとにさまざまな設備があります。
例えば、JAPAN Road Tripの場合、以下のような設備も使えます。
・ETC車載器(高速道路の走行に必要)
・冷蔵庫
・走行しながら充電できるサブバッテリー
ぜひ、こうした点もチェックしながら、自分に合ったキャンピングカーを選んでくださいね。
キャブコンタイプのキャンピングカー Photo by Pixta
車種によって大きさは異なりますが、以下は一般的なキャンピングカーのサイズです。
・中型サイズ:長さ5メートル、横幅2メートル、高さ3メートル程度
・小型サイズ:長さ3.5mメートル、横幅2メートル、高さ2メートル程度
どちらのキャンピングカーを選ぶかは用途によります。最近の日本では、ファミリーやグループでの旅行には、中型以上のキャンピングカーが人気です。
なお、キャンピングカーの大きさの詳細は、以下の記事もご覧ください。
Picture courtesy of Booking.com
キャンピングカーのレンタル料金は、車種や利用時期、レンタル会社によって異なります。
ただ目安として、小型車の場合「1日1万円ほど」、中型車の場合は「1日1万5000円〜2万円ほど」です。
RVパークの平均的な相場は、2,000円~6,000円ほどです。
なので、家族4人でキャンピングカーを利用した場合、シャワー代金やごみ処理代金、ガソリン代を含め、多く見積もっても1泊3万〜3万5000円くらいと考えていいでしょう。
なお、家族4人でホテルに1泊した場合、交通費を1人5000円と想定すると費用は以下の通りになります。
交通費2万円(5000円×4人)+ホテル代3万2000円(8000円×4人)=合計5万2000円
こう比較すると、ホテルに泊まるよりキャンビングカーのほうが格段に安いと言えます。
基本的に、貸し出しと返却はレンタカーを扱う店舗で行います。レンタカー会社についての詳細は、この記事をご覧ください。
特に空港や駅の付近には多くの店舗があります。
ただし、追加料金を払うことで、貸出場所と返却場所を異なる店舗に指定できる乗り捨てサービスを行っている会社もあります。出発地に戻る手間が省けるためとても便利です。
最後に、そのほかの注意事項をお伝えします。
キャンピングカーを使う場合、ホテルに宿泊する必要がありません。
ただし、日本に入国する際には、外国人入国記録に日本での滞在先の住所を書く必要があります。そのため、事前にRVパークは1か所以上予約しておき、そこの住所を記載するとよいでしょう。
キャンピングカーなら時間に縛られることがないので、ホテルに泊まるより自分のペースで旅を楽しめます。観光地での滞在時間も自由に調整できる点も魅力です。
寄り道などの予定変更にも柔軟に対応できますよ。キャンピングカーで、気まままに日本の旅を楽しみましょう!
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Written with Asuka Yoshida
企業のIR/CSR分野のPR、国際協力分野の情報誌編集を経て、2017年10月にMATCHAに参加しました。2019年4月から香川県三豊市に移住。訪日観光客向けの記事を書くほか、地域おこしにも携わっています。
インターネットサービスやレンタカー、ホテルなどのほか、また西日本の観光スポットの記事を主に担当しています。