旅の準備はじめよう
日本のことば事典「振袖」
振袖は、日本で古くから切られてきた着物の一種。振袖とその他の着物との違い、どんなときに着ればいいのかなど、振袖に関する豆知識を紹介します。
伝統的な着物・振袖
Photo by Pixta
「着物」は、日本の伝統的な衣服。日本の観光地では、この着物をレンタルできるお店は珍しくありません。日本らしい町並みの中を着物を来て歩けば、より日本を堪能することができるでしょう。
しかしひと口に着物と言っても、その種類はさまざま。本記事では華やかで豪華なイメージのある着物、「振袖」について解説します。
振袖とはどんな着物?
振袖は、主に若い女性が身につける着物のタイプで、現在は成人式(20歳を祝う公的な行事)や結婚式などで身につけられます。
Photo by Pixta
振袖とそのほかの着物を見分けるポイントは袖の長さ。振袖の袖は非常に丈が長く、下に垂れ下がるような形になっています。
さらに振袖自体も袖丈の長さによって細かく区分されます。約114センチメートルの大振袖(おおふりそで)、100~95センチメートルの中振袖(ちゅうふりそで)、85センチメートルくらいの小振袖(こふりそで)の3種類です。もちろん着る人の身長によって違ってしまうため、長さは目安に過ぎません。
裾の丈が短い着物は「留袖」
Photo by Pixta
また袖丈の長い振袖とは反対に、袖の丈が短い着物のことを、留袖(とめそで)と呼びます。既婚女性の礼服としてよく身につけられます。
長い袖が持つ意味
着物の袖が長くなった理由は諸説ありますが、江戸時代になり女性の間で舞踏を習う習慣が生まれたからだとも考えられています。より美しく踊りを見せるために、袖を長くしたのです。
一説には、当時の踊り子たちは袖を振る事で愛情を表し、袖にすがることで哀れみを表していたとか。未婚の女性が男性に想いを伝える時にその踊り子の真似をした事が大流行したため、振袖は未婚女性の着物という習慣が出来上がったとも言われています。
その他、長い袖には厄(不運)を払う、幸福や良縁をたぐり寄せる意味もあると考えられています。
振袖はどんな時に着るの?
Photo by Pixta
昔は男女共に着用されていて、色柄や構造に差はなかったと言われていますが、現在の振袖は若い女性が祝いの場で身につける着物として定着しています。
大振袖は最も格式が高く、花嫁衣装として用いられる正式な装いです。
準礼装の中振袖は、成人式や結婚式に参加する際にもよく身につけられます。ただ花嫁より目立ってしまわないように注意が必要です。
Photo by Pixta
小振袖は卒業式に着るのが定番。軽くて動きやすいこともあり、気軽に着ていくことが出来るので、演劇鑑賞やパーティーなどにもぴったりです。
このように、振袖は特別なイベントや行事の際に身につける着物であり、街歩きをする際にはあまり用いられません。しかし、観光地の着物レンタルのお店では、この振袖を借りることもできます。
せっかくの旅行。一般的な使い方とは違うかもしれませんが、華やかな振袖を来て、日本の町を観光するのもよいでしょう。
あわせて読みたい
Main image by Pixta
日本への訪日外国人の方が、もっと増えますように!