【静岡】「美肌の湯」梅ヶ島温泉郷へ!日帰り・宿泊で楽しむ温泉スポット&おすすめ宿
静岡駅から車で約1時間の場所にある梅ヶ島温泉郷。コンヤ・新田・梅ヶ島の3つの異なる源泉巡りができる国民保養温泉地です。肌触りが滑らかな湯は、日本有数の強アルカリ性温泉である証拠。本記事では、梅ヶ島温泉郷のおすすめ入浴施設・宿をご紹介します。
梅ヶ島温泉郷を構成する「コンヤ・新田・梅ヶ島温泉」

梅ヶ島温泉郷があるのは、静岡駅から車で1時間ほど北上した山あい。ここには、日本有数の強アルカリ性温泉が3つもそろっています。
梅ヶ島温泉郷は、主に「コンヤ温泉」「新田温泉」「梅ヶ島温泉」という3つの源泉地で構成されています。どれも泉質は異なりますが、共通しているのはpH9.0以上の強アルカリ性の温泉であること。

静岡駅からアクセスすると、まず最初に辿り着くのがコンヤ温泉。pH10.3の強アルカリ性と、3つの温泉の中で最もアルカリ性が強い泉質です。国内でも有数のpH値を誇るコンヤ温泉は、非常に肌触りが良く、皮膚に滑らかな膜が張るような入浴体験ができます。

3つの温泉の中で唯一の日帰り温泉スポットは「新田温泉」にある「黄金の湯」です。登山やキャンプ、周辺散策の際に良く利用されており、3つの温泉の真ん中に位置しています。泉質は「ナトリウム−炭酸水素塩温泉」で、神経痛や筋肉痛、五十肩の回復などの効能があり、新田温泉のお湯を気軽に楽しめます。

最も奥にある「梅ヶ島温泉」は、pH9.6と3つの温泉の中で2番目に高い強アルカリ性。“武田信玄の隠し湯”とも呼ばれており、開湯1700年前とも伝えられる歴史深い温泉です。

豊かな自然環境と、歴史が紡がれてきた背景などが評価され、この3つの源泉エリアは「国民保養温泉地」にも指定されています。

一度に3つの源泉の湯巡りが叶う梅ヶ島温泉郷。ここからは、それぞれの温泉の特徴や、宿泊・日帰りにおすすめの入浴施設や宿をご紹介します。
ゆったり宿泊、サクッと日帰り。プランに合わせて楽しむ温泉スポット
【コンヤ温泉】何度でも一番風呂が楽しめる「大野木荘」

テニスコートやゴルフ場、梅・桜園などが集まっているコンヤの里。その一画で大切にコンヤ温泉を守ってきたのが旅館「大野木荘」です。

3つの源泉の中で、最も高いpH10.3の「単純硫黄泉」は、入浴した瞬間に驚くほどの滑らかさを体感できます。

大野木荘のお風呂は、完全貸切スタイル。フロントで鍵を受け取って利用します。「どのお客様にも一番風呂に入って欲しい」という思いから、利用のたびに清掃が入る“おもてなし”が詰まった旅館です。

入浴できるのは「花鳥風月」と名付けられた4つのお風呂。どれも泉質は一緒ですが、それぞれコンセプトや雰囲気が異なるのが魅力です。

寒い時期は、内湯の「月」で身体を温めてから、露天風呂の「風」に入るのがおすすめ。まずは、「月」の間接照明が灯るリラックス空間でじっくり身体を温めます。お湯に浸かると、“天然の化粧水”とも言われる温泉が身体を優しく包み込むのを実感できるはず。
身体のどこに触れても滑らかで、とろみのある柔らかいお湯に心奪われます。岩肌から豊かに流れる源泉を眺め、贅沢な入浴時間を過ごしました。

続いて入浴した「風」のお風呂は、開放感と和のテイストが嬉しい露天風呂。脱衣所からお風呂までは畳が敷かれており、足元の保温性もバッチリです。

風鈴の音色が温泉の流れる音と重なり合い、より深いリラックス空間を演出しています。

五感まで寛げる、至福の時間となりました。

客室は、どの部屋も趣向を凝らした畳が敷かれているのがポイント。部屋ごとに和装畳、着物生地を再利用した畳などが採用され、アクセントとして存在感を放ちます。

旅館のお楽しみの一つである食事は、地元の食材をたっぷりと使用。わさびをメインに、一品一品にストーリーを持たせたコース料理は、お客様の心にも残る味わいです。(なお、囲炉裏での食事は完全予約制となり、別途料金が掛かります。)
4つのお風呂と、おもてなしが行き届いたワンランク上の宿泊が楽しめる大野木荘。予約をすれば日帰り入浴もできるため、ぜひ旅程に組み込んでみてください。
【梅ヶ島温泉】宿泊も日帰り入浴も楽しめる「ホテル梅薫楼」

創業150年以上の歴史を持つ老舗「ホテル梅薫楼」。長年、梅ヶ島温泉の歴史を受け継いできた旅館です。ホテル梅薫楼では、今も豊富に湧き出る源泉を、趣向の異なる4つのお風呂でゆったりと楽しめます。

入浴できるのは男女の内湯「常磐の湯」「長寿の湯」と、貸切風呂「石風呂」「穴風呂」の4種類。宿泊者はもちろん、日帰り入浴の場合も1人500円で、1時間お風呂を楽しむことができます。

内湯の「常磐の湯」と「長寿の湯」には、それぞれ岩風呂と五右衛門風呂が完備されています。五右衛門風呂は、浴槽いっぱいに注がれた源泉を独り占めできる贅沢なお風呂です。

なめらかで柔らかい泉質であることは、ゆったり流れ落ちるお湯を見るだけで一目瞭然。温泉に浸かると、濃厚なお湯がまるで肌にベールを纏わせたかのように包み込みます。

内湯を出ると、廊下にゴツゴツとした石や枝が埋め込まれていることに気づきます。
これはホテル梅薫楼の隠れ名物である「健康廊下」。スリッパを脱いで素足で渡れば、足ツボマッサージのように足裏を刺激できるユニークな仕掛けです。家族や友人と楽しみながら歩けば、旅の心に残る思い出となるでしょう。

家族風呂の「岩風呂」と「穴風呂」は、1人や少人数で入りたい時に適しています。特に天井まで岩で包み込まれている「穴風呂」は、お湯と岩に守られているような安心感が感じられます。

入浴後は、ロビーで自家製の梅酒を味わったり、談笑したりしながら、入浴の余韻に浸ってみてはいかがでしょうか。
【新田温泉】日帰り湯治におすすめの「黄金の湯」

日帰りで新田温泉を最大限満喫するなら、「黄金の湯」がおすすめ。敷地内には食事や土産物が買える「黄金の里」も併設されています。

黄金の湯の源泉・新田温泉の泉質は「ナトリウムー炭酸水素塩温泉」。神経痛や筋肉痛、五十肩の回復などに効き目があります。
まずは身体の汚れを落とし、ぬる湯から入浴。じっくり身体を温めてから、熱めの一般湯、露天風呂へと移動する入り方がおすすめです。36.5〜37度と体温ほどのぬる湯は、時間をかけて芯から身体を温めるのに最適。まるで布団に包まれているかのような心地良さに、ついつい時間を忘れてしまいます。
じっくりと体温をあげた後は、お隣の一般湯へ。温まった身体で41~42.5度のお湯に入るとすぐに汗が吹き出し、代謝の向上も感じられます。

火照った身体を冷ますには、標高800mの清々しい空気が味わえる露天風呂がおすすめ。開放的な景色が望める露天風呂は、冷えた空気と温泉の湯加減が絶妙で、何度も入りたくたくなるほどです。滑りのあるお湯は入浴するたびに肌がしっとりなめらかになってゆくのが実感できます。

入浴後は、畳の休憩室で休んだり、マッサージ機やハンモックでリラックスしたりと、自由な過ごし方ができます。釣りや散策、ハイキング帰りなど、アウトドアの際にも利用しやすい日帰り入浴スポットです。
【梅ヶ島温泉】4種のお風呂で心身ともにリラックスできる「湯の島館」

梅ヶ島温泉にある「湯の島館」は、安倍川のほとりに佇む1958年創業の老舗旅館。安倍川のせせらぎが、心地よく響く自然豊かなお宿です。

今回宿泊したのは、和モダンな角部屋「葵」。安倍川に面しており、部屋からも川の流れる音が聞こえてくる風流な和室です。

一段小上がりになった寝室が、非日常の魅力を引き立てています。
食事は専用の個室にて。夕食には「駿河軍鶏のすき焼き」「海老芋の和風グラタン」「梅ヶ島アマゴのおかき揚げ」やお刺身など、地元静岡や梅ヶ島の食材をふんだんに使用した逸品が並びます。

特に「駿河軍鶏のすき焼き」は、じっくり味わいたい名物料理です。梅ヶ島温産の軍鶏は、贅沢にむね肉ともも肉を両方味わえます。柔らかく煮込まれた白菜やエノキと共にいただくと、お肉のジューシーな食べ応えが際立ちます。
静岡市葵区でとれた美黄卵に絡めていただくと、その濃厚な味わいがさらにお肉の旨みを引き立ててくれました。

地元の酒蔵「志太泉酒造」の発泡日本酒「フジエダ・ヌーヴォー」も、口の中で爽やかに弾ける微炭酸が心地よく、食事の味を一層引き立てます。

デザートの生ゼリーは、静岡クラウンメロンと、紅ほっぺの贅沢な組み合わせ。果汁が口いっぱいに広がるフレッシュな食感が楽しめ、食事の締めに最適です。地元の恵みを惜しみなく提供してくれる、お宿のおもてなしに心が温まりました。

夕食後は、いよいよ旅館自慢の4種のお風呂「風林火山」へ向かいます。フロントへ電話し、空いているお風呂があれば専用の鍵を受け取って利用するシステムです。
まずは、夜の入浴におすすめと聞いていた露天風呂の「山」へ向かいます。

扉を開けた先に広がっていたのは、すべてが岩で作られた野性味あふれる岩風呂です。洞窟のような空間からは、自然そのもののエネルギーさえ感じます。

岩肌から注がれる源泉を独り占めし、贅沢な過ごすことができました。
続いては、巨大な木桶の浴槽と2つの五右衛門風呂が楽しめる「風」の湯。

床が畳敷きになっており、どこを見渡しても純和風のつくり。畳のおかげで、寒い時間の入浴でも足先の冷たさを感じることはありません。

和室をそのままお風呂に改装したかのような、不思議と落ち着く空間となっていました。
檜の香りが特徴の「林」の湯は、淡い緑色で統一された、足までゆったり伸ばせる広々としたお風呂です。

とろみのある柔らかなお湯に包まれていると、時間の流れさえも緩やかに感じられます。その心地よさに、つい時間を忘れて長湯をしてしまいました。

心身ともに深い安らぎに包まれ、目を閉じて水音や風の音に静かに耳を傾けたくなる空間でした。

最後に訪れたのは、武田軍の「赤備え」を思わせる朱色で彩られた「火」の湯。「武田信玄になった気分で入れるお風呂」をイメージして造られたそうで、歴史好きにはぜひ入浴してほしいお風呂です。

「林」の湯と同様、「火」の湯にも囲炉裏付きの小上がりが設けられており、湯船から休憩処が望めるつくり。小さな子ども連れなど、様々なシーンで活用できそうです。

湯治のように4つのお風呂を巡り、心身ともに深く癒やされたおかげで、翌朝は爽やかな目覚めを迎えられました。旅の疲れも癒やされ、安倍川のせせらぎを聞きながら、心地よい朝の時間をスタートできました。

旅の朝を彩るのは、お腹と心を満たす温かい朝食。お盆に乗った副菜の小鉢や焼き鮭、せいろ蒸しやお味噌汁など、彩り豊かな和食が並ぶテーブルに朝から心が躍ります。

ゆったりと時間の流れる中でいただく朝食は、4つの湯巡りの記憶とともに、鮮やかに心に残る思い出となりました。

湯の島館の温泉は、予約をすれば日帰りでも利用可能。ぜひ、武田信玄の隠し湯と言われる名湯を体験してみてください。
アクセス情報
梅ヶ島温泉郷までアクセスするには、主に2つの交通手段があります。
1つは、レンタカーや自家用車で向かうパターン。首都圏から向かう場合、東京ICからは3時間ほど、静岡駅からは一般道で1時間ほどでアクセスできます。
もう1つの手段は、新幹線と路線バスを使う方法です。まず静岡駅まで新幹線でアクセスし、静岡駅から「しずてつジャストライン」で梅ヶ島温泉を目指します。
ただ、梅ヶ島温泉まで向かうバスは平日3本、土日5本と本数が限られているため、乗車計画をしっかり立てておきましょう。
国民保養温泉地とは、温泉利用の効果が十分期待され健全な保養温泉地として、「温泉法」に基づき環境大臣によって指定されています。全国に79箇所の温泉地が指定されています。(2024年10月現在) 国民保養温泉地の選定は、おおむね以下の基準によって行われています。 第1 温泉の泉質及び湧出量に関する条件 (1)利用源泉が療養泉であること。 (2)利用する温泉の湧出量が豊富であること。なお、湧出量の目安は温泉利用者1人あたり0.5リットル/分以上であること。 第2 温泉地の環境等に関する条件 (1)自然環境、まちなみ、歴史、風土、文化等の観点から保養地として適していること。 (2)医学的立場から適正な温泉利用や健康管理について指導が可能な医師の配置計画又は同医師との連携のもと入浴方法等の指導ができる人材の配置計画若しくは育成方針等が確立していること。 (3)温泉資源の保護、温泉の衛生管理、温泉の公共的利用の増進並びに高齢者及び障害者等への配慮に関する取組を適切に行うこととしていること。 (4)災害防止に関する取組が充実していること。