焼酎の歴史を変えた伝説の職人「黒瀬杜氏」と「南さつま七蔵」を巡る、究極の文化体験
日本の南端、鹿児島県。その中でも美しい海岸線と豊かな自然に恵まれた「南さつま市」は、世界中の愛好家が注目する「本格焼酎」の聖地です。ここには、伝説の職人集団「黒瀬杜氏」の歴史と、未来へ繋ぐために結束した「南さつま七蔵」の情熱がある。
日本の南端、鹿児島県。その中でも美しい海岸線と豊かな自然に恵まれた「南さつま市」は、世界中のスピリッツ愛好家が注目する「本格焼酎(Honkaku Shochu)」の聖地です。
ここには、100年以上にわたり焼酎造りの技術を守り続けてきた伝説の職人集団「黒瀬杜氏(Kurose Toji)」の歴史と、その魂を未来へ繋ぐために結束した「南さつま七蔵(Minamisatsuma Nanakura)」の情熱があります。
今回は、一杯のグラスに込められた「人の物語」と「職人の技」を巡る、南さつま市の深い旅をご紹介します。

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目次
- 焼酎界のマスターブレンダー「黒瀬杜氏」の伝説
- 伝統を守り、未来へ繋ぐ「南さつま七蔵協議会」の挑戦
- 「本格焼酎」の製造工程(簡略版)
- 旅の目的地:杜氏の里 笠沙(とうじのさと かささ)
- ローカル体験:焼酎を最高に楽しむ「ペアリング」
- 結びに:一杯のグラスが繋ぐ、世界と南さつま
焼酎界のマスターブレンダー「黒瀬杜氏」の伝説
杜氏(Toji)とは何か?
「杜氏」とは、日本のお酒造りにおける最高責任者の呼称です。ワインの醸造家(Winemaker)や、ウイスキーのマスター・ブレンダー(Master Blender)にあたります。

黒瀬杜氏の誕生
南さつま市の小さな漁村「黒瀬」は、明治時代から優れた杜氏を数多く輩出してきました。黒瀬地区は耕作できる土地が少なかったため、人々は「技術」を磨き、冬になると九州各地の酒蔵へ出稼ぎに行く道を選んだのです。
彼らが伝えた製法や、目に見えない微生物である「麹(Koji)」を扱う技術は、鹿児島県内のほぼすべての酒蔵へ広まりました。まさに、鹿児島焼酎の繁栄は黒瀬杜氏なくしては語れないのです。
伝統を守り、未来へ繋ぐ「南さつま七蔵協議会」の挑戦
現在、南さつま市には特徴豊かな7つの酒蔵があります。これまではライバル同士でもあったこれらの蔵元が、黒瀬杜氏の伝統を継承し、世界へ発信するために結成したのが「南さつま七蔵(ななくら)協議会」です。
協議会のスローガンは「想い、つなぐ。未来へ」。 単なるお酒の販売ではなく、南さつま市のテロワール(風土)や職人の誇りを、一つの「ブランド」として発信しています。
個性溢れる7つの酒蔵(The Seven Distilleries)
| 蔵名 | 代表銘柄 |
| 本坊酒造 | 貴匠蔵 |
| 萬世酒造 | 萬世 |
| 宇都酒造 | 天文館 |
| 吹上焼酎 | 小松帯刀 |
| 櫻井酒造 | 金峰櫻井 |
| 東酒造 | 七窪 |
| 杜氏の里笠沙 | 黒瀬杜氏 |
これら7つの蔵と行政・観光協会が協力し、限定商品の開発や体験プログラム、酒蔵を巡るイベントなどを企画しています。

「本格焼酎」の製造工程(簡略版)
ステップ①:麹造り
蒸した米に麹菌を種付けし、数日間かけて「麹」を育てます。
杜氏は、温度計に頼りすぎず、手触りや香りで麹の健康状態を判断します。

ステップ②:一次仕込み
麹に水と酵母を加え、発酵させます。ここで元気な「酵母」を大量に育てることが、美味しい焼酎への第一歩です。

ステップ③:二次仕込み
主原料である「サツマイモ」を投入します。南さつま市で採れたてのサツマイモを蒸して砕き、先ほどのタンクに加えます。サツマイモのデンプンが、麹の力によって糖に変わり、それが酵母によってアルコールへと変化していきます。

ステップ④:蒸留
発酵が終わった液体を加熱し、アルコールを抽出します。蒸気となったアルコールを冷やすと、透明な焼酎が生まれます。最初に出てくる「初垂れ(はなたれ)」は、アルコール度数が高く、驚くほど芳醇な香りがします。

旅の目的地:杜氏の里 笠沙(とうじのさと かささ)

黒瀬杜氏の歴史と「南さつま七蔵」の魅力を一度に体験できるのが、観光拠点でもある「杜氏の里 笠沙」です。
五感で学ぶ展示館: かつて杜氏たちが使っていた道具や、厳しい修行の歴史が展示されています。
伝統の現場見学: 実際に木桶や甕を使った焼酎造りを見学でき、職人の息吹を間近に感じることができます。
特別なお土産品: ここでしか買えない限定の焼酎やオリジナルグッズなどを購入することができます。
ローカル体験:焼酎を最高に楽しむ「ペアリング」

南さつま市で焼酎を味わうなら、地元の食文化と一緒に楽しむのが鉄則です。
お湯割り(Oyuwari): 地元で最も一般的な飲み方です。お湯を先に入れ、後から焼酎を注ぐことで、サツマイモの香りがふわりと広がります。
鳥刺し(Torisashi): 新鮮な鶏肉の刺身。鹿児島の甘い醤油とニンニクが、焼酎のキレを際立たせます。
キビナゴ(Kibinago): 南さつまの海で獲れる小さな魚。美しい銀色の刺身を酢味噌で味わい、冷たい焼酎で流し込むのが通の楽しみです。
結びに:一杯のグラスが繋ぐ、世界と南さつま
私たちが提供しているのは、単なるアルコール飲料ではありません。
それは、黒瀬杜氏たちが守り、南さつま七蔵が未来へ繋ごうとしている「文化の結晶」です。
南さつま市の美しい夕日を眺めながら、その土地で生まれた焼酎を飲む。
その瞬間、あなたは日本の伝統の一部になります。
職人たちの魂が息づく町、南さつま市で、あなたをお待ちしています。

【鹿児島県】南さつま市は、本土最南西端に位置する、食と自然資源にあふれた街です。 ●映画『007は二度死ぬ(You Only Live Twice)』撮影地 ●鑑真大和上上陸地 ●【日本遺産】重要伝統的建造物群保存地区『加世田麓』 ●黒瀬杜氏/阿多杜氏発祥の地(南さつま七蔵焼酎) ●九州百名山『金峰山』 ●薩摩半島の三名山『野間岳』