ライター Mayu
上野公園完全ガイド。動物園、美術館、博物館、寺、園内の施設や見どころを解説

東京都台東区にある上野公園は1873年に当時の政府が公園として指定した日本ではじめての公園。お花見の定番スポットとして知られている他、寺や蓮の花が楽しめる池、動物園、美術館、博物館などが敷地内にあり、休日はとても多くの人で賑わいます。そんな上野への行き方、敷地内の施設や見どころをまとめました。
上野公園とは
上野恩賜公園(うえのおんしこうえん)は、東京都台東区にある公園で、通称、上野公園と呼ばれています。上野公園は1873年に当時の政府が公園として指定した日本ではじめての公園です。
およそ53万m²の広い敷地には、現在、上野動物園や不忍池(しのばずのいけ)、国立西洋美術館、下町風俗資料館といった観光スポットがあり、訪れる人を楽しませてくれます。
また、上野公園は桜の名所としても知られ、春になると多勢の花見客で賑わいます。100年もの昔から日本人に愛されてきた上野公園の魅力に迫ります。
目次:
1.上野への行き方
2.上野公園への行き方
3.上野公園の施設&見どころ
4.上野公園でのお花見
5.旅のお役立ち情報
上野への行き方

上野公園の最寄り駅は、JRと東京メトロの上野駅です。都内の要所から上野駅までのアクセスを紹介します。
東京駅から上野への行き方
東京駅から上野駅までは、JR山手線内回りで4駅。約10分の乗車で到着します。料金は160円です。
新宿駅から上野への行き方
東京随一の繁華街、新宿から上野までも、JR山手線を利用します。今度は山手線外回りで12駅、およそ25分です。料金は200円です。
渋谷駅から上野への行き方
若者で賑わう街、渋谷からは東京メトロ銀座線・浅草行に乗りましょう。所要時間はおよそ25分、料金は200円です。
上野から上野公園への行き方
上野駅に着いたら、上野公園に向かいましょう。ここでは、JR上野駅から上野公園までの道筋を紹介します。
上野駅から上野公園へ

① JR上野駅公園改札に向かう
JR上野駅のホームに到着したら、まずは上の階へエスカレーターまたは階段でのぼり、公園改札を目指します。
② 改札を出て上野公園を目指す

公園改札を抜けると、目の前はもう上野公園です。
〜上野公園内の施設&見どころ〜
上野公園には、博物館、動物園等、多くの文化施設が存在します。不忍池は、夏に蓮が咲き乱れる公園として日本人に愛されています。
上野公園で訪れるべきスポットはこちら。
1.上野動物園
上野に来た旅行者の多くが訪れる上野動物園ですが、動物園のある上野恩賜公園はとても広く、動物園にたどり着くのは容易ではないことも。
そこで、まずは多くの乗客が利用するJR上野駅から上野動物園へのアクセスをお伝えします。
上野公園から上野動物園への行き方
最初に、「JR上野駅から上野公園へ」を参考に上野公園に向かってください。
①横断歩道を渡る

改札を出てすぐに横断歩道があります。この横断歩道を渡りましょう。
②東京文化会館を左折

すると、目の前に東京文化会館という大きな建物が見えてきます。

この建物の角を左に曲がってください。
③国立西洋美術館の横を通過

右側に国立西洋美術館が見える道に出ます。この道を直進してください。

④噴水のある広場を横断

右側に噴水が見える広場につきました。方向を変えずそのまままっすぐ前進します。

動物園の正面東門の看板が見えてきました。

到着です。
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上野動物園で見るべき動物

上野公園では、ジャイアントパンダやキリンの仲間オカピなど珍しい動物の飼育がされています。ジャイアントパンダは、日本でこの上野動物園と兵庫県の神戸市立王子動物園、和歌山県の和歌山アドベンチャーワールドの3園でしか飼育されていません。
そのため、上野動物園のパンダの檻の前は連日多くの人で賑わいます。パンダが笹を食べる時間は、動物園の公式HPや入口で公開されています。食べる姿を見たい場合は時間を調整して飼育施設に向かいましょう。

このほか、上野動物園には、日本の特別天然記念物であるニホンカモシカや日本コウノトリ、タンチョウやオオサンショウウオといった貴重な動物たちも。自国の動物園にはいない動物を見たいなら、ぜひ訪れたい場所です。
上野動物園のオススメのコース
上野動物園とひと言で言っても、そこで飼育されている動物は約400種3000にものぼります。時間に余裕がないときは、あらかじめ見る動物を決めてから園内をまわるのがよいでしょう。
訪日観光客にオススメなのが、「日本の動物を中心に見るコース」。ニホンカモシカやエゾシカ、日本の野鳥を展示する日本の動物エリアで、母国にはいない日本の動物たちを眺めてみてください。
表門広場を入ってすぐ左側には、歴史的建築物の五重塔(ごじゅうのとう)があります。その周辺にはニホンカモシカやエゾシカ、日本の野鳥を展示する日本の動物エリアが広がっています。ルリカケスやニホンリスの連結ケージなども見ることができます。
ここでは上野動物園でみられる日本の動物を紹介します。
奈良や宮島の名物「二ホンシカ」

奈良や宮島で大切に育てられていることで知られるニホンシカ。東京の上野動物園でも見ることができます。
美しく鳴く「日本の野鳥」たち

上野動物園ではたくさんの日本の野鳥を展示しています。日本の野鳥IとⅡの、2つの展示施設があります。
胸元の模様をチェック! 「ツキノワグマ」

ツキノワグマの「ツキノワ」とは、「月の輪」という意味。その名の通り胸の辺りに三日月のようの白い模様があります。
日本初の猿山に住む「ニホンザル」


猿山(※1)を日本で最初に設置したのが、上野動物園です。ここでは、群れで生活するニホンザルの姿を見ることができます。
※1:猿山……人工の山にサルを放し飼いにする、日本の動物園でよく見られる展示スタイルのこと。
西園:子ども動物園にいる日本の家畜

三嶋牛(みしまうし)は山口県で飼育されている家畜です。

口之島牛(くちのしまうし)は鹿児島県トカラ列島口之島で飼育されている家畜です。この他にもたくさんの動物が上野動物園では飼育されています。もっとたくさん見たいという方はなるべく早めに入場して、園内を巡ってみてください。
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2.国立西洋美術館

上野公園内で、ひときわ目立つ近代的なつくりの建物が国立西洋美術館です。
20世紀の有名な建築家ル・コルビュジエにより設計された国立西洋美術館本館は、世界文化遺産、日本の重要文化財にも指定されおり、絵画だけでなく、建築の鑑賞を目的に訪れる人もいるそう。
館内には、クロード・モネやピエール=オーギュスト・ルノワールなど印象派の作品を含む西洋絵画やオーギュスト・ロダンを中心とした彫刻を常設しています。
住所:東京都台東区上野公園7-7
公式HP:http://www.nmwa.go.jp/jp/index.html
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3.東京都美術館
1926年に日本初の公立美術館として開館した東京都美術館。常設展はなく、特別展で海外や国内のアーティストの作品を企画展示しています。
住所:東京都台東区上野公園7-47
公式HP:http://www.tobikan.jp/index.html
4.国立科学博物館 日本館

国立科学博物館は博物館と美術館の街「上野」の上野恩賜公園内にあり、通称「科博」として親しまれている日本最大級かつ日本で唯一の国立の科学博物館です。
常設展示は、地球上のさまざまな生物や科学技術の進歩に関する展示をおこなう「地球館」。そして、日本列島の自然をテーマとした展示をおこなう「日本館」に分かれています。
日本館では、日本列島の成り立ちや日本に生息した動植物、古代の日本人の生活にまつわる資料を展示。独自に発展した日本の生物多様性や日本の文化の起源についての知的好奇心を満たしてくれます。
住所:東京都台東区上野公園7-20
公式HP:http://www.kahaku.go.jp/
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5.国立科学博物館 地球館

地球館では、哺乳類や鳥類の剥製、地球の様子を示す画像やデータの展示、日本の科学技術の進歩に貢献した偉人たちにまつわる展示がされています。物理や科学に興味のある人にぴったりの博物館です。
住所:東京都台東区上野公園7-20
公式HP:http://www.kahaku.go.jp/
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6.不忍池(しのばずのいけ)

全体で約11万㎡もある大きな天然の池。池は大きく3つにわかれています。夏にはピンクや白の蓮の花が楽しめる「蓮池」、カワウなどの鳥が生息する「鵜(う)の池」・ボートを漕いで楽しむことのできる「ボート池」です。
池の中央には島があり、「弁天堂」という寺が立っています。上野でひと休みしたいときは、ここに立ち寄ってみましょう。
住所:東京都台東区上野公園
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7.弁天堂

不忍池の中心にある、六角形をした寺。学術や芸術・財産や縁結びといった御利益があると言われる弁財天を祀っています。弁天堂の周囲には、すっぽんやフグ、メガネ、包丁に感謝を捧げるための石碑も。弁天堂を訪れたら、本堂だけでなくぜひこれらのユニークな石碑も見て回りたいところです。
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8.清水観音堂(きよみずかんのんどう)

清水観音堂は、重要文化財に指定されている天台宗の寺。浮世絵師の歌川広重が『名所江戸百景』で描いた松のモデルになった月の松(つきのまつ)や京都の清水寺を模した本堂など、小さいながら見所のあるスポットです。
9.上野東照宮

上野東照宮は、江戸時代に日本を統治していた徳川家の当主のうち、徳川家康、徳川吉宗、徳川慶喜を祀るお寺です。開運や学問にご利益があるとされ、受験生がお守りを買う姿がよく見られます。
本殿と唐門、透塀(※2)は1651年に建てられ、国指定重要文化財に指定されています。これらは江戸建築と呼ばれる様式で建てられており、朱色の塗料や金箔を使った豪華な外観が特徴です。
春はぼたん・桜の名所として、秋は紅葉狩り、お正月は初詣や冬ぼたん鑑賞で賑わいます。
※2:透塀(すきべい)……彫刻などにより、内部が透けて見える塀。
住所:東京都台東区 上野公園9−88
公式HP:http://www.uenotoshogu.com/
10.下町風俗資料館

「下町(したまち)」とは「庶民の町」を示す日本語。日本人が「懐かしい」と感じ、外国人の方が「日本らしい」と感じる建物や町並みの多くは、こういった下町の風景です。そんな東京の下町の姿を今に蘇らせたのが上野にある下町風俗資料館。
約100年前の商家と庶民の住宅を移築展示した館内では、商家で売っていた下駄の鼻緒(はなお)や一般庶民が洗濯のときに使っていた「はりいた」と呼ばれる着物を干すための道具を展示しています。
昔の日本人の暮らしを知ることのできる貴重な資料館です。
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11.上野大仏

上野大仏はもともとは体も合った仏像ですが、地震による被災、度重なる戦争を通じ損壊し、今では人の背丈ほどのお顔のレリーフだけが残っています。
12.スターバックス上野公園店

スターバックスコーヒーの上野公園店。店舗のおしゃれなデザインが有名です。上野公園から想起するイメージを、日本の伝統美術である染めの手法で表現しているのだとか。
開放的なテラス席もよいですし、店内からも大きな窓を通して噴水や自然豊かな園内を眺めることができます。
13.上野の森 Park Side Café

上野公園でひと休みするのにオススメなのがパークサイドカフェです。天気のよい日のテラス席は快適で自然に囲まれながら、ゆったりとした時間が過ごせます。
上野公園でのお花見(ベストシーズンと注意点)

3月末から4月初旬は、東京で桜が見ごろを迎える時期です。上野公園は江戸時代から桜の名所として知られ、およそ40種類1200本もの桜が園内を彩ります。
毎年3月半ばから4月の初旬までは「うえの桜まつり」も開催。園内には提灯が飾られ、夜は桜のライトアップがおこなわれます。焼き鳥や焼きそばなどの食品を提供する出店もあり、大勢の花見客で賑わうのが通例です。
ごくまれにですが、花見などたくさんの人が集まる場所では携帯の電波が通じにくくなる場合があります。現地でだれかと落ち合う場合は、事前に上野公園での待ち合わせ場所を決めておくか、上野公園以外の場所に集まってからお花見に向かうのが安心です。
ちなみに、桜の時期の上野公園の鉄板の待ち合わせ場所として、上野公園入口の提灯や上野公園に入ってすぐ右手奥にあるカフェ「上野グリーンサロン」があります。
詳しくは「ショッピングのついでに立ち寄れる、都内のお花見スポット5選」の記事をご覧ください。
旅のお役立ち情報
外貨と日本円を両替したいときは、銀行の外貨両替サービスやセブンイレブンのATMを利用してみましょう。
手持ちの現金がなくなったときは、「PLUS」マークのあるATMを探してみましょう。簡単に海外キャッシングサービスを利用することができます。
日本には、外国人観光客向けの便利なWi-Fiサービス「Japan Connected-free Wi-Fi」があります。事前にアプリをダンロードしておきましょう。