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ホエールウォッチングにシュノーケリングも。「父島」で絶対体験したいアクティビティ
小笠原諸島は東京都心から1000㎞も離れた場所にある、ユネスコ世界自然遺産に登録された離島です。手つかずの自然が残る無人島やクジラやイルカが生息する海域もあり、旅行者でもツアーアクティビティを体験できます。
小笠原(おがさわら)諸島「父島(ちちじま)」は東京都から南へ約1000㎞の場所にあり、都心からフェリーで丸一日かかる離島です。その父島周辺には手つかずの豊かな自然が残っています。
今回は希少な固有種が生息する無人島への上陸や、ホエールウォッチングにシュノーケリングなど、父島のオススメアクティビティをご紹介します。
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1.奇岩がもたらす絶景の無人島
父島の南西部にある南島(みなみじま)は国の天然記念物に指定されている無人島で、父島から発着する小型船舶によるツアーで上陸できます。
南島には東京都自然ガイドが同行しないと上陸できません。また、自然保護の観点から一日あたりの最大利用者数は100人、滞在時間は最大2時間と制限されています。さらに植生回復のため冬季の3ヶ月は入島禁止期間に定められています。
それほどまでに自然に配慮した南島を代表する絶景ポイントが「扇池(おうぎいけ)」です。扇形に開いたビーチの先に浸食された岩が不思議な景観を生み出しています。夏季には、ウミガメの赤ちゃんが孵化し海に戻る様子を見られることもあるそうです。
ラピエという鋭く尖った石灰岩の地形は国の天然記念物に指定されています。この岸壁では春から夏にかけてカツオドリなどの海鳥が子育てをする姿も見られます。
島の砂丘には1000年以上前に絶滅したマイマイ(カタツムリ)の半化石がたくさん埋まっています。南島では化石をはじめ動植物や卵など全ての採取が禁止されているので、持ち帰らないようにしましょう。
南島のほぼ中央にある陰陽池(いんよういけ)は海水と淡水の混ざった汽水が溜まっている珍しい池です。
南島の峰からは父島の「ジョンビーチ」と「ジニービーチ」を対岸に望むことができます。
南島上陸ツアーを実施するピンクドルフィンは英語対応も可能で英語版HPもあります。ツアー料金は半日5,000円~です。
2.クジラの集まる海域でホエールウォッチング
小笠原諸島は冬季になると繁殖と子育てのためにクジラが集まり、島周辺で頻繁に見られるようになります。父島の高台からも見ることができますが、ホエールウォッチングのツアーに参加すると間近にクジラの姿を観察できます。
冬から春先にはザトウクジラが、マッコウクジラは通年で生息が確認されているので比較的高い確率でクジラに遭遇できるそうです。
小笠原ではクジラの100m以内に近づかないなど自主ルールを設けてクジラの楽園を守っています。今回参加したツアーではザトウクジラの親子が仲よく泳ぐ姿を間近に見ることができました。
また、イルカも年間を通して多く生息しているので、海が穏やかな日は船上からジャンプする姿を見たり、イルカと一緒に泳ぐドルフィンスイムを楽しむこともできるそうです。
これらのツアーはピンクドルフィンの英語版HPで詳細を確認できます。
3.澄んだ青い海で楽しむシーアクティビティ
父島では周囲を透明な美しい海に囲まれているので、シーアクティビティがとても人気です。小笠原はダイビングの名所として有名ですが、免許が無くても楽しめるシュノーケリングは一度は挑戦してほしいアクティビティです。
シュノーケリングの道具は町の商店で販売されていますが、小笠原観光(有)で3時間1,100円~でレンタルすることもできます。
父島の二見港(ふたみこう)近くの製氷(せいひょう)海岸には枝サンゴの群生があります。同じ種類のサンゴでもオレンジやピンク、ブルーなどカラフルなサンゴが続く素晴らしい景色が広がっています。
父島では宮之浜、釣浜、コペペ海岸などでもサンゴとその周りを泳ぐ魚を見ることができます。
より本格的なシュノーケリングに挑戦するなら、父島の北部にある兄島が抜群のスポット! 海域公園として保護されていて、透明度の高い海に様々な形のサンゴと色とりどりの熱帯の魚が泳ぐ海中景観が楽しめます。
南島上陸やホエールウォッチングのツアーに含まれているので、ツアー参加の際はぜひ体験してみてください。
父島には二見湾という大きな湾があり波も穏やかなので、初心者でもシーカヤックやカヌーで遊べます。シャンティ―バンガローでは英語HPから問合せ可能で、料金は半日5,000円~です。
海に浮かぶ小島や荒々しい岸壁を間近に見たり、岩場にできた狭い洞窟をスレスレで通り抜けたりと、ワクワクするような冒険ができますよ。
おわりに
父島で体験できるアクティビティの数々はいかがでしたか? 天然記念物の無人島上陸や至近距離で見るホエールウォッチングなど、小笠原でしか体験できない珍しいアクティビティがたくさんあります。ちょっと費用はかかってしまいますが、貴重な体験にはその価値があるはず! 父島を訪れた際にはこうした自然体験ツアーを利用してみてください。
新潟生まれ。事業会社でのマーケティングを経験後、2011年からシンガポールへ移住し、出版社や制作会社で編集に従事。2015年に日本へ帰国しMATCHAのライターに。国内外を旅行する中で見つけた新しい発見を、多くの人とシェアしていきたいです。