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世界自然遺産・小笠原「父島」で絶景を見られる展望台6選
小笠原諸島は東京都心から1000㎞も離れた場所にある、ユネスコ世界自然遺産に登録された離島です。父島の西側に広がる山あいには素晴らしい絶景が見られる展望台がたくさんあります。夕日が見える展望台、トレッキングも楽しめる展望台など、6カ所を紹介します。
小笠原(おがさわら)諸島「父島(ちちじま)」は東京都から南へ約1000㎞の場所にあり、都心からフェリーで丸一日かかる離島です。海底火山活動で隆起した山がちな地形で、その高台からは息をのむような絶景を見ることができます。
今回は島内の展望スポットの中でも、雄大な山谷の景色や夕日スポットなどが望める6か所をご紹介します。
水平線に沈む夕日スポット
1.ウェザーステーション展望台
父島の北西部にある三日月山のウェザーステーション展望台は有名な夕日スポットです。この展望台では冬から春にかけて島周辺を回遊しているザトウクジラの姿が見えることもあるそう。
天気がよければ太平洋の水平線に沈む真っ赤な夕日を見ることができます。
海に沈む船が見下せる場所
2.境浦海岸バス停
村営バスの「境浦(さかいうら)海岸」バス停を降りると海が見渡せる歩道があります。
干潮時には境浦に沈む濱江丸(ひんこうまる)の船体が現れ、高台からはその姿がよく見えます。
トレッキングしながら島を一望できる展望スポット
3.中山峠(なかやまとうげ)
村営バスの終点である「小港(こみなと)海岸」のバス停には、中山峠への遊歩道の入口があります。
この遊歩道も島固有の動植物が多いので、マットで靴の泥を良く落としてから出発です。
生態系を脅かす野山羊が生息しているので、侵入を防ぐ柵をしっかり閉めてから山に入ってください。
歩きやすい整備された遊歩道を20分ほど登ると中山峠に到着します。
峠からは北側に小港海岸の砂浜、コペペ海岸のサンゴ礁、その奥におがさわら丸が発着する二見湾まで一望できます。
南側は樹々が生い茂る谷あいや天然記念物に指定されている「南島(みなみじま)」など周辺の島々が見え、父島の表情豊かな自然が目の前に広がっています。
4.中央山(ちゅうおうざん)
父島のほぼ中央に位置する中央山は町から車で20分ほど。駐車場から山道を登ると展望台があり、そこからは遮るものが何もない父島の景色がぐるっと見渡せます。
山頂には太平洋戦争時に使われた電波探信儀(レーダー)の台座が残っています。
ドライブしながら巡りたい展望台
父島の東部から中心部にかけて山間部を走る車道には展望台が散在しています。
5.長崎(ながさき)展望台
町から車で10分の場所にある長崎展望台は父島の北にある兄島がよく見える場所。溶岩の崖があり海底火山だった跡が残っています。
6.初寝浦(はつねうら)展望台
長崎展望台から車でさらに山に入って10分ほどの場所にある初寝浦展望台。ここには太平洋戦争時の軍用施設が残っていて、その朽ちた建物の姿は少し怖く感じます。
ですが、展望台からは眼下に切りたった山あいの間に美しい海が広がっています。その海の青さに感動して、たとえ行くのが大変でも初寝浦海岸に訪れてみたいと思うことでしょう。
崖には野山羊がいることもありますが、森林減少や固有植物の食害などで駆除の対象となっているため、絶対に餌などやらないようにしましょう。
自然豊かな山を体験するために
山やトレッキングに出かける際ははきなれたスニーカーなどを用意し、動きやすい服装を心掛けましょう。また、水分補給のための飲み物も持って行きましょう。そして、ごみは各自で宿まで持ち返ってくださいね。
また、車道と整備された歩道以外の立ち入りは危ないので禁止されています。山の遊歩道では貴重な固有の動植物に出会うことができますが、生態系を保つためにも採ったり触ったりせず、じっくり観察して楽しんでください。
おわりに
父島で見られる絶景の数々はいかがでしたか? とにかく海が綺麗なうえに、火山活動がつくり出したユニークな地形や緑深い山谷など、素晴らしい景色をパノラミックに見渡せます。時間や季節によっても異なる表情が見られるので、あなただけのお気に入りの絶景を探してみて下さい。
新潟生まれ。事業会社でのマーケティングを経験後、2011年からシンガポールへ移住し、出版社や制作会社で編集に従事。2015年に日本へ帰国しMATCHAのライターに。国内外を旅行する中で見つけた新しい発見を、多くの人とシェアしていきたいです。