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『太陽の塔』『明日の神話』を作った男の作品に触れる「川崎市岡本太郎美術館」
岡本太郎は日本を代表する前衛芸術家。民族学や文化人類学に根ざした作品を多数残しました。大阪『太陽の塔』や渋谷『明日の神話』などの作品は、海外の方にもよく知られています。そんな岡本太郎の作品に触れられる神奈川県川崎市の岡本太郎美術館を紹介します。
展示されている代表作
川崎市岡本太郎美術館にはどんな作品が展示されているのか。今回は、数ある展示品の中から厳選して、数点ご紹介します。
『森の掟』
『傷ましき腕』
こちらは、『明日の神話』の原画です。大きな作品を作る場合、岡本太郎はまず小さな作品を原画として作り、それを徐々に大きくして完成版を制作していたのだとか。
『明日の神話』の完成版は、渋谷駅構内に展示されています。詳しくは「知らずに通り過ぎてない?渋谷駅の壁画『明日の神話』」をご覧ください。
岡本太郎の生涯
館内では作品展示の他、岡本太郎の人生や人柄、経歴に迫るスペースも用意されています。
こちらは、岡本太郎の生涯を年表にしたもの。年表に空けられたすき間からは彼の作品が覗いています。年表と連動するように時系列に並べられており、どの時期にどんな作品を作ったのか分かる仕組みになっています。
その真後ろには、漫画家であった父・一平と小説家であった母・かの子の生涯が示されています。両親も芸術家という芸術一家で岡本太郎は育ちました。
岡本太郎の多彩な作品
岡本太郎は、絵画だけではなく、彫刻や陶芸、執筆活動など幅広く活躍しました。もちろん、川崎市岡本太郎美術館にも数々の作品が展示されています。
『犬の植木鉢』
背中には植物を植えるための穴が3つあります。にっこり微笑む犬のような4つ足の動物です。
『午後の日』
こちらの作品は、東京都多摩霊園にある岡本太郎の墓碑にもなっています。
『坐ることを拒否する椅子』
到底座れそうには見えない異形の椅子です。座る面には、大きな口や目があり、どれも個性的な表情をしています。ちなみに座り心地は悪く、お世辞にもくつろげる椅子とは言えません。岡本太郎の「合理主義や機能主義を乗り越えた作品を作りたい」という思いから、このような作品がうまれたのだとか。
岡本太郎はこのように観るだけではなく触れて利用する作品、多くに人の目に触れるパブリックアートも多く手がけています。
個性が爆発する企画展
川崎市岡本太郎美術館では、年4回企画展示が入れ替わっています。訪れた今回は毎年作品を公募している「岡本太郎 現代芸術賞」の受賞作品が展示されていました。「時代を創造するものは誰か!」というキャッチコピーの通り、前衛的で挑戦的な作品の数々が並んでいます。岡本太郎の精神は、いまも日本のアートに息づいている。そう思わせる作品ばかりです。
旅行が好きです!取材を通して、自分自身、日本の魅力を発見していきたいです!