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歴史ある建物が魅力!別府「竹瓦温泉」で、昔ながらの温泉文化を体験しよう
別府駅から徒歩10分の「竹瓦温泉」は、内湯のほか、砂を使ったサウナ「砂湯」の設備を持つ共同浴場です。この記事では、昔ながらの日本の温泉地の姿を残す竹瓦温泉の建物や、別府ならではの共同浴場でのマナーについてご紹介します。
歴史を感じる豪華な建物内部は一見の価値あり!
Photo by 宮川マロ
入り口の暖簾をくぐると、正面は木造のホールになっており、高い天井と鏡のように磨き上げられた板の間の右手に男女普通浴、左に「砂湯」の浴室があります。
Photo by 宮川マロ
砂湯とは、温泉で熱した砂を体の上にかけるサウナのことで、別府ではここ竹瓦温泉のほかに、鉄輪(かんなわ)温泉の日帰り温泉「ひょうたん温泉」、別府観光港の隣にある「別府海浜砂湯」などで体験することができます。
入り口のすぐ右手にある受付で料金を支払います。内湯は1人1回100円。今の日本では、自動販売機でジュースを買うよりも安い破格の料金ですが、別府の公営の共同浴場ではこれぐらいの値段が普通です。
参考価格:東京都内の公衆浴場の料金は460円。2017年10月現在。
Photo by 宮川マロ
砂湯の料金は1,030円。また受付ではそのほかにも、お風呂に入るときに必要な道具を持ってこなかった人のために、ハンドタオルや使い切りサイズのシャンプー、石鹸、ヘアーキャップやカミソリなども販売されています。
【販売されているものと価格(税込)】
- タオル…320円
- シャンプー…50円
- リンス…50円
- 石鹸…50円
- カミソリ…50円
- ヘアキャップ…110円
脱衣所の地下に作られたこじんまりとした浴室
男湯
Photo by 宮川マロ
まずは男湯の中をご案内しましょう。
青い暖簾をくぐったすぐの場所にあるのが男性用の脱衣所で、壁一面に脱いだ服を置くための棚が並んでいます。
開いている場所を自由に使うことができますが、財布などの貴重品の盗難が心配な方は、100円のコインロッカーが建物内にいくつか準備されているので、そちらをご利用下さい。
Photo by 宮川マロ
浴室と脱衣所との間には仕切りなどが全くなく、階段で地下に下っていく構造になっていますが、これは竹瓦温泉に限らず、別府市内の古い共同浴場でよく見られる造りです。
Photo by 宮川マロ
タイル張りの洗い場の中央には、7〜8人ぐらい入れるドーム型の湯船がひとつ。泉質はナトリウム・カルシウム・マグネシウム−塩化物・炭酸水素塩泉。湯船に注がれている源泉の泉温は、約53.8度とかなり高温です。
そのため、湯船の片すみには水の出る蛇口が備え付けられており、客がみずから水を足して温度を調節します。施設の方では、適温として43度前後を推奨していますが、この温度は日本のお風呂に慣れていない方にはかなり熱く感じてしまうかもしれません。
女湯
女湯の入り口は、ロビーの右側の赤い暖簾の奥です。
浴室の造りはほぼ男女とも同じですが、女湯のほうが若干新しいそうです。泉質はナトリウム−炭酸水素塩泉。湯温は浴槽に注がれる段階では52度で、男湯よりはぬるいもののそれでもかなりの高温です。
男女で違う竹瓦温泉の源泉、しかし男女浴室の入れ替えはナシ
先にも書きましたが、竹瓦温泉は男湯の泉質がナトリウム・カルシウム・マグネシウム−塩化物・炭酸水素塩泉、女湯はナトリウム−炭酸水素塩泉で、それぞれ別の源泉を使用しています。
源泉が違うとなれば、両方入ってみたいと思うものですが、残念ながら竹瓦温泉では浴室の男女入れ替えはありません。
知っておきたい別府独自の入浴マナー
かかり湯は浴槽から直接お湯を汲む
Photo by 宮川マロ
日本では共同浴場に限らず家庭用のお風呂の場合でも、湯船に入る前に体を軽く洗うのが全国共通のマナーとなっています。そのため、多くの浴場には洗い場にシャワーやお湯の出る蛇口などが備え付けられており、浴室に入るとまずはそれらを使って体の表面を軽く洗い流すのが慣例。
しかし竹瓦温泉には、そのような体を洗うための設備は一切ありません。では、どうやって体を洗うのでしょうか?
Photo by 宮川マロ
それは、洗面器を使って湯船から直接お湯を汲んで体を洗うのです! この方法は、竹瓦温泉に限らず別府の共同浴場の多くの場所で行われています。浴室のすみに、洗面器とバスチェアが備え付けられているので、ご自由にご利用ください。
使い終わった洗面器と椅子は、帰る時にもとあった場所に戻しましょう。
別府の共同浴場で湯船のヘリに腰をかけてはいけない理由
Photo by 宮川マロ
また、お風呂のヘリはちょうど椅子ぐらいの高さなので、体を冷ますのに少し腰をかけたくなってしまうのですが、別府の共同浴場では「湯船のヘリに腰を掛けてはいけない」という、よその地域ではほとんど耳にしないルールも存在します。
このしきたりの由来は、湯船のヘリはお湯に浸かっている人が頭を載せる場所なので、そこにお尻を乗せるのはよくないから、というのが定説となっています。
最後に
別府においでの際は、歴史的建造物の共同浴場と砂湯を体験しに、ぜひ竹瓦温泉にお立ち寄り下さい。別府駅から歩いてすぐなので、ちょっとした空き時間をつぶすのにも最適ですよ。
駐車場がないので、車でお越しの場合は近隣にあるコインパーキングか、国道10号線沿いの北浜海岸駐車場をご利用下さい。