広島の穴場スポットを巡る旅!尾道や宮島など隠れた名所を探検しよう
広島といえば、平和記念公園や嚴島 (いつくしま)神社が有名ですが、尾道や福山などの都市にも、史跡や自然などたくさんの魅力があります。本記事では、そんな1度は訪れたい広島のオススメ観光情報を、新スポットから絶品グルメ、おしゃれなホテルまで併せて紹介します!
広島市周辺の人気観光スポットを巡ろう
厳島神社 Photo by Pixta
広島県は、広島平和記念資料館や原爆ドーム、世界遺産の嚴島神社とその鳥居、そして鉄板でジュージューと音を立てて焼くお好み焼きが有名な、訪日観光客に人気の観光地です。
それらの名所にとどまらず、広島には他にもたくさんの見どころがあります。そこで今回は、広島県の6つの市町村にある観光スポットを、穴場スポットとともに紹介します。
有名な広島市、宮島にはじまり、広島で2番目に大きい都市である城下町の福山市、瀬戸内海を望む尾道市、歴史ある町並みの竹原市など、どこも広島市からアクセスしやすい素敵なスポットばかりです!
ぜひ穴場スポットへも訪れて、広島の幅広い魅力を堪能しましょう。
広島県のオススメ観光地
1. 広島市:平和記念公園と新名所
2. 尾道:広島の歴史的な港の玄関口
3. 福山:壮大な城と瀬戸内海の景観
4. 竹原:広島の酒と塩の街
5. 安芸太田:広島の田舎暮らし体験
6. 宮島:広島にある神社仏閣の島
1. 広島市:平和記念公園と新オープンスポット
広島市は近年、新スポットがオープンするなど、常に変化し続けています。なかには、日本の伝統文化をデザインに取り入れた、魅力的な建物もあります。
ここでは、定番スポットから新オープンスポットまで、広島市を満喫するために見逃せないスポットを紹介します。
平和記念公園
1945年、広島の街は原爆投下により一瞬にして破壊しました。原爆が投下されて命を落とした犠牲者を追悼するために、かつての広島の中心部に建設されたのが、広島平和記念公園です。
公園内にはいくつかの施設やモニュメントがありますが、その中心にあるのが「広島平和記念資料館」です。そこから徒歩5分ほどのところにある原爆ドームは、爆心地付近で唯一全壊を免れた建造物として、ユネスコの世界遺産に登録されています。
この公園を訪れた際には、ぜひ数時間かけてじっくりと散策し、平和のメッセージに祈りを捧げてみてください。
「おりづるタワー」広島の歴史に明るい展望を
Picture courtesy of HIROSHIMA ORIZURU TOWER
「おりづるタワー」で広島の歴史に想いを馳せてみませんか? こちらの屋上展望台「ひろしまの丘」からは、広島の現代の街並みとともに原爆ドームや宮島の弥山を望むことができ、広島の過去と現在の姿を見ることができます。
屋上展望台にあるルーフトップバーでは、夜景とともにオリジナルカクテルやソフトドリンク、スナックなどを楽しむことができます。
12Fの「おりづる広場」は、折り鶴をモチーフとした体験コンテンツが楽しめるスペースです。
自分で折った鶴を「おりづるの壁」に投入したり、自分の動きに合わせてスクリーン上の折り紙を折る「エアー」を体験したり、さらには1945年から今日までの街の様子を再現したデジタルコンテンツなどを見ることができます。
スパイラルスロープにも子どもから大人まで楽しめる工夫があり、各階に広島ゆかりのアーティストが描いたウォールアートが楽しめるだけでなく、らせん状の滑り台で12Fから1Fまで滑り降りて楽しむこともできます。
なお、車いす用の方でもスロープやエレベータをご利用いただけますのでご安心ください。
「二葉山」朝のハイキングを楽しもう!
Picture courtesy of My Japan
朝は「二葉山」へのハイキングからスタートするのもよいでしょう。広島駅を出発し、広島東照宮や稲荷神社などパワースポットを巡る「Asageshikiツアー」に参加するのもオススメです。
こちらのツアーでは、登頂のご褒美として、ガイドによる野点 (のだて。野外で点てる茶道)が行われます。朝日が街を照らす中、静かに抹茶を味わうことができますよ。 ベジタリアンやビーガンにも対応した広島の食材を使ったお弁当がいただけるのも魅力です。
森林のきれいな空気の中で朝食が楽しめる、広島の自然を満喫できるツアーです。
「広島市環境局中工場」感動的な建築と瀬戸内海の眺望
ニューヨーク近代美術館を手掛けた建築家・谷口吉生氏によって、鉄とガラスなどでできた高層建築として生まれ変ったのが「広島市環境局中工場」です。
ここではガラスの壁越しに、そびえ立つごみ処理設備を見学したり、瀬戸内海の景色を眺めることができます。
入場無料なので、広島の現代建築を散策するのにぴったりな穴場スポットです。
「ヒルトン広島」広島の文化をイメージした究極のホテル体験
「ヒルトン広島」は、2022年8月に開業したニューオープンホテル。瀬戸内海の波をイメージしたカーペットや、海の中に建つ宮島の鳥居をイメージした青と赤のプールなど、広島らしいモチーフをインテリアの随所に取り入れているのが特徴です。
レストラン街や観光スポットからも近く、広島観光の拠点にもぴったりです。平和記念公園からは車で約4分、広島城からも車で約8分でアクセスできます。
街を散策した後は、リラクゼーションスパ施設Spa by L'OCCITANEで疲れを癒したり、最上階のエグゼクティブラウンジから煌びやかな夜景を眺めてみてください。
2. 尾道市:広島の歴史ある港の玄関口
港町が広がる尾道市は、広島市から電車で1時間ほどでアクセスできる、人気の日帰り観光地です。
なかでも名所となっているのが、第2次世界大戦の空襲を免れた寺「千光寺」です。標高144mの山の中腹に立つ「千光寺」へ向かう道中では、瀬戸内海の景色も楽しむことができます。
さらに尾道は、日本最大級の橋を渡って四国へと渡る約70キロメートルのサイクリングロード「しまなみ海道」の出発点であることでも有名です。
広島から尾道市への移動は、観光列車「エトセトラ」を利用するとより一層楽しくなります。風光明媚な瀬戸内海の海岸線を走り、車内のバーでおつまみや地酒を味わって楽しむことができますよ。
さらには、広島の和菓子職人やパティシエが作るデザートボックスを予約して、瀬戸内海の味覚を堪能することもできます。なお、デザートボックスは、乗車4日前までの予約が必要です。
ここからは、尾道市を訪れたら、ぜひ立ち寄ってほしいスポットを紹介します。
千光寺頂上展望台「PEAK」
千光寺頂上展望台「PEAK」は、古くから港まちとして栄え、今は日本遺産のまち、瀬戸田の観光地として有名な尾道の街を眺めるのに絶好の場所です。こちらへは、千光寺山ロープウェイを利用するか、徒歩でアクセスできます。標高144mの千光寺山頂にある「PEAK」のらせん階段からは、尾道や瀬戸内海の絶景をご覧ください。
ここから、詩歌が刻まれた自然石が並ぶ「文学のこみち」を通って、断崖絶壁に建つ千光寺に向かうこともできますよ。お参りの後は、風情ある路地を抜け、人懐っこい近所の猫たちを見ながら、2kmにわたる長い商店街で昭和時代のかわいい店やおしゃれなブティックなどの映えスポットを見て回りましょう。
140年の邸宅を受け継ぎ誕生した島の旅館「Azumi Setoda」
「Azumi Setoda」は、日本の職人技と現代的なデザインが融合したリゾートホテルです。尾道の生口島 (いくちじま)にあるこの宿は、17世紀~19世紀に海運や塩田業で栄えた堀内家の建物をスタイリッシュにリノベーションしたものです。
建物は2F建てで、中庭を囲むように建てられた各部屋では、ベッドや檜 (ヒノキ)のプライベートバスを完備しています。
リゾートの向かいには、島の銭湯「yubune」があり、島の風景をイメージしたタイル壁画を見ながら入浴を楽しむことができます。夕食は、半径50キロメートル以内の食材にこだわって丁寧に作られた料理を、堀内家所有の食器でいただくことができます。
広島県は日本一のレモンの生産量を誇りますが、その中でも生口島は、日本有数のレモンの産地として有名です。レモン畑の中をサイクリングしたり、しおまち商店街を歩いたりして島内を散策した後は、「Azumi Setoda」のような、静かで心地よい隠れ家でのんびりと過ごしてはいかがでしょうか。
尾道駅近くの宿泊にオススメ「ホテルビーコンおのみち」
尾道駅近くで宿泊するなら、「ホテルビーコンおのみち」がオススメです。尾道市の中心部にあるこのスタイリッシュなホテルは、リモートワーカーやサイクリストなど、現代の旅行者のニーズを考えて作られています。
施設内には、6タイプのコンセプトルーム、ワーケーションラウンジ、ソロサウナ、プライベートバス、瀬戸内の海鮮料理を中心とした館内レストラン・バーを備えています。
3. 福山市:壮大な城と瀬戸内海の風景
福山市は、広島県で2番目に人口の多い都市です。
400年の歴史を誇る福山城、ノスタルジックな雰囲気の漁村・鞆の浦 (とものうら)、そして日本の伝統楽器である琴の産地として有名です。そんな福山市の見どころを紹介します。
「福山城」日本で唯一の鉄板張りの城を訪ねよう!
白い五層構造の福山城の最大の特徴は、北側にある黒い鉄板張りの面です。鉄板張りの理由は諸説ありますが、北側の城壁には堀がなく、攻撃や火災に弱かったという説が有力と言われています。
当時この地を領土としていた、福山藩の初代藩主の水野勝成 (みずの かつなり)は、1622年に福山城を築城しました。しかし、明治時代 (1868年〜1912年)には主要な建造物が解体され、さらには、第2次世界大戦で残存する遺跡が破壊されました。それから20年近くの歳月を経て、多くの福山市民の想いが込められ、1966年に再建されたのが現存する天守です。
そんな福山城の中では、福山城の歴史をデジタルコンテンツを通して学ぶことができます。さらに、福山市の街を一望できる最上階の展望台からは、春になると城内に咲き誇る美しい桜の景色が楽しめますよ。
「鞆の浦」瀬戸内海の素晴らしい眺望
鞆の浦は、スタジオジブリの宮崎駿監督が手掛けた映画作品『崖の上のポニョ』の舞台として有名です。しかし鞆の浦の魅力は、それだけではありません。
この美しい漁港には、かつて船の錨 (いかり)や道具を作る鉄工所がありました。旧市街地では今も建物の一部に昔の船のパーツを再利用するなど、当時の港町の面影が残されています。
また、鞆の浦は、1600年代半ばから病気に効く酒として親しまれてきた「保命酒」の産地でもあります。
最後にオススメしたいのが、福禅寺対潮楼です。海峡を行き交う船と山のパノラミックな絶景を楽しむことができますよ!
福山にある2つの優良ホテル
日帰り旅行の延長で「福山ニューキャッスルホテル」もしくは「鞆の浦のホテル 鷗風亭」に宿泊してみてはいかがでしょうか。
福山ニューキャッスルホテルはその名の通り、福山駅の向かいに位置するホテルです。客室は洋室タイプで、食事はフレンチや中華などがいただけます。福山城からも徒歩10分圏内にあり、観光にも便利です。
鞆の浦での滞在をより楽しみたい方には、「鞆の浦のホテル 鷗風亭」もオススメです。ホテルは海に面しており、客室・温泉から海を眺めることができます。食事は、瀬戸内海をイメージした会席料理を提供しており、名物の鯛料理や新鮮な刺身が味わえますよ。
4. 竹原市:酒と塩の歴史を持つ町の散策に出かけよう
広島駅から80分の場所にあるのが、昔ながらの美しい町並みが残る竹原です。
350年以上にわたって塩と酒の町として栄えた竹原市の重要伝統的建造物群保存地区を歩けば、歴史の息吹を感じることができるでしょう。
「まちなみ竹工房」で竹風車を作り、おみやげにするのもオススメです。
地元の名物を味わいたいなら、江戸時代の終わりから続く酒蔵の1つである藤井酒造へ。2007年に開催されたワインコンペ『インターナショナル・ワイン・チャレンジ』の日本酒部門で、堂々の1位に輝いた日本酒「龍勢」を、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
「NIPPONIA HOTEL 竹原 製塩町」歴史ある旧邸宅に宿泊しよう
竹原の歴史探検で「NIPPONIA HOTEL 竹原 製塩町」に1泊してみてはいかがでしょうか。このホテルは、町内各所にあるかつての銀行や江戸時代の酒蔵や民家を、宿泊施設に生まれ変わらせた分散型ブティックホテルです。
各部屋では、NIPPONIAの特徴である手作りの檜のバスタブや、モダンなディテールが、元の建物と継ぎ目なく調和。むき出しになった天井の梁 (はり)など、もともとの部屋の個性を活かした空間を楽しむことができます。
レストラン「LE UN (ルアン)」では、瀬戸内の魚介類や柑橘類を使った料理を堪能しましょう。竹原市の歴史的な味覚の数々を、ぜひ地酒とともに楽しんでみてください。
5. 安芸太田町:広島の田舎暮らしを体験しよう
広島駅からバスで約90分の安芸太田町(あきおおたちょう)は、広島の旅に田舎らしさをプラスしてくれる場所です。広島で1番高い山「恐羅漢 (おそらかん)」があり、ここではハイキングをはじめ、冬にはスキーやスノーボードなどが楽しめます。
また、この美しい山間部で代々受け継がれてきた神楽を見るために、観光客が訪れる場所でもあります。ここでは、文化や芸術に興味がある方にオススメの、安芸太田で体験できるアクティビティをいくつか紹介します。
地元の人たちと一緒に日本の「押し寿司」を作ろう
安芸太田町には、お祭りやお祝いのご馳走があります。この押し寿司作りは、まず、酢飯を木型に押し込んで、味付けをした野菜や鯖、卵などを重ねていきます。最後に四角くプレスしたら、押し寿司の完成です!
工房で日本の「木彫り体験」してみよう
横畠工芸は、木彫りの伝統技法「戸河内刳物 (とごうちくりもの)」を用いて工芸品を制作している工房です。「戸河内刳物」とは、1本の木からくぼみを彫り、さまざまな生活用品を生み出していく技法。
江戸時代末期(1853年〜1868年)、宮島の職人が刳物に適した木が豊富にあることを知り、その技術を安芸太田に持ち込んだのが刳物の歴史の始まりとされています。
こちらでは、横畠工芸の方の指導のもと、横畠氏特製の鉋(かんな)を使って調理器具「浮上お玉」を作るなど、古くから伝わる木彫り体験をすることが可能。
押し寿司作り・木彫り体験は「あきおおたから」のHPから予約できます。
6. 宮島:寺社仏閣が建つ神の島
広島駅から電車とフェリーで1時間ほどのところにある「宮島(嚴島)」は、嚴島神社とその象徴である大鳥居があることで知られています。
しかしこのほかにも、宮島には日帰りでは観光しきれないほど、多くの見どころであふれています。
「嚴島神社」の神聖な大鳥居
JR宮島口駅からフェリーに乗り約10分、宮島に到着するとまず目に入るのが、朱色の嚴島神社との大鳥居です。最近改装された宮島の大鳥居は、2022年12月の工事完了まで3年以上足場が組まれていましたが、現在は足場のない美しい姿を見ることができます。
大鳥居が最も魅力的に見えるのは、大潮の時間帯です。フェリー乗り場には、干潮と満潮の時刻表が表示されているので、宮島に到着したら初めに確認しておくとよいでしょう。水面の上に建てられた嚴島神社内を歩いてみるのも良いでしょう。
さらに、夕暮れ時から23時までは、大鳥居と神社のライトアップが楽しめます。なおこの時間帯は、比較的観光客が少ないので、人混みを避けて観光したい方にもオススメです。
宮島のその他のオススメ観光スポット
Picture courtesy of Made in Miyajima
大聖院は島内有数の寺院で、本堂の下には提灯で照らされた見事な洞窟「遍照窟 (へんじょうくつ)」があります。また、こちらの寺院は、弥山 (みせん)の山頂へと向かう大聖院登山道の出発点でもあります。こちらから約2時間歩いた先の頂上からは、広島屈指の瀬戸内海の眺望が楽しめます。また、大聖院内で抹茶が飲めるカフェ「六角茶房」でゆっくり過ごすのもオススメです。
なお、途中まで宮島ロープウェーで行き、そこから約30分のハイキングで山頂の絶景を楽しむこともできますよ。
Photo by Pixta
嚴島神社の裏山にある五重塔や千畳閣(せんじょうかく)も、宮島で訪れたいスポット。これらのスポットは静かな場所にあり、島にある寺社仏閣の歴史や美しさに思いを馳せることができます。一方、フェリー乗り場近くの宮島表参道商店街には、おみやげ店やオイスターバー、カフェなどが軒を連ねています。フェリーの待ち時間に、もみじの葉の形をしたもみじ饅頭を食べてみるのもよいでしょう!
広島市周辺の旅を楽しもう!
広島市内にある有名な観光地はもちろんですが、市外にも広島の文化や歴史に触れられる観光スポットはたくさんあります。
オススメのスポットを組み合わせて、気軽に日帰り旅行を楽しむのもよし、泊まりがけでじっくりと各地域の魅力を味わうのもよし。
文化に歴史、精神的な魅力にあふれる広島へ訪れて、ぜひ忘れられない思い出を作ってください。
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Text and photos by Mika Senda
Sponsored by Setouchi DMO and Hiroshima Tourist Association
Main image by Pixta