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日本のことば事典「割烹」「料亭」
訪日旅行客向けに、難しい日本語や日本ならではの用語について解説します。今回は、いずれも高級日本料理の店である「割烹(かっぽう)」と「料亭(りょうてい)」についての説明と違いについて解説します。
「割烹(かっぽう)」も「料亭(りょうてい)」も、高級日本料理レストランです。普段の食事としての和食ではなく、伝統的な食材と作り方で作った和食を特別に楽しみたい時に、利用します。
割烹と料亭の違いは?
割烹は大抵において、カウンター席やテーブル席で、料理人である板前(いたまえ)が調理している様子を見ることができ、店舗によっては板前とおしゃべりすることもできます。活気ある雰囲気の中、季節の素材の良さと板前の腕、そして料理の美しさと味を純粋に楽しむのが割烹です。
老舗料亭をリノベーション。赤坂「あかりまど」で大正ロマンを感じるより
一方料亭は、写真のような座敷(ざしき)の個室に通されることがほとんどです。また、和服の接客係である仲居(なかい)がお世話してくれることが多いです。出てくる料理は割烹と同じく最高級の和食ですが、料理だけでなく、庭や室内に飾られた草花、仲居のサービスなども含めてすべてを楽しむのが料亭です。料亭では舞妓(まいこ)なども呼ぶことができます。
どんなシーンで利用するところ?
昔の日本の町並みと和食を楽しめる「権八 G-Zone銀座」より
割烹も料亭も、特別な時に食べに行くところです。たとえば割烹の場合、大人気分のデートで美味しい食事を楽しみたい時、大切な客や遠方から来た友人をもてなすときなどに利用することがあります。料亭では、重要な会合を開いたり、重要な人物を接待したりすることがあり、日本の結婚にまつわる儀式である結納(ゆいのう)を料亭で行うこともあります。
もしあなたに日本人の友達がいて、その人があなたを割烹に連れていってくれたなら、あなたはその人にとって本当に大切な遠方からの客人であることは間違いありません。食べなれない食材もあるかもしれませんが、ぜひその最高のおもてなしを五感で味わうことにチャレンジしてみることをおすすめします。