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【姫路市】世界レベルで話題沸騰中!『姫路城西御屋敷跡庭園 好古園』
世界遺産・国宝姫路城と内堀を隔てただけの西隣という好立地にあり、姫路藩主の西御屋敷跡や武家屋敷跡の遺構を巧みに取り入れた敷地面積約1万坪の池泉回遊式日本庭園です。1992年の開園から30余年、『姫路城西御屋敷跡庭園 好古園』の魅力をお伝えします。
好古園に行きたい人が急増!海外からも高評価の観光スポット
世界文化遺産・国宝姫路城に隣接する『姫路城西御屋敷跡庭園 好古園(こうこえん)』(以下、好古園)。広大な敷地に9つの趣の異なる庭を配置し、訪れる人を楽しませてくれます。
季節それぞれに魅力ある庭園ですが、最も人気があるのが秋。紅葉シーズンです。特に、2022年の「『じゃらん』圧巻の絶景紅葉ランキング」で全国1位に選ばれてからは、多くの人が訪れる人気スポットになりました。
訪れる人の年齢層も幅広くなっています。その要因は、園内にある撮影スポットの多さではないでしょうか。
撮影スポットといっても、撮影を意識した人工物ではありません。庭園として、見る人の心を和ませ、安らぎを与えられるように、日々手入れされた庭園そのものがスポット。それぞれが美しいと感じたところで、思い思いの風景を撮影されています。
年配のご夫婦や小さな子ども連れのご家族もあれば、制服姿の高校生など、姫路城観光での立ち寄りスポットとしてだけではなく、好古園を目的に訪れている人も多いようです。コロナ禍明けにいたっては、訪日外国人の姿も多く見かけるようになりました。季節を問わず来園されています。
コロナ禍前で年間40万人を越える来園者(姫路城「平成の保存修理」明けの2016年は52万人)がいる好古園ですが、2023年度は過去最高になりそうな勢い。そのうち約4割が訪日外国人で、特に欧米からの個人旅行者が増えています。
姫路城を借景にした日本庭園
姫路城内堀を挟んだ西隣に位置する好古園は、発掘調査で確認された遺構を活かし、姫路藩主の下屋敷だったと思われる西御屋敷跡や武家屋敷跡・通路跡の地割を活用した、趣の異なる9つの庭園が四季折々の表情をみせてくれます。
開園は1992(平成4)年。姫路市市制百周年を記念し造営され、2023年10月現在でのべ800万人近くの方が来園されています。
園内は、築地塀や屋敷門などを配置し、電線などは全て地中化、ビルや道路などが見えないよう設計されているので、江戸時代にタイムスリップしたような感覚になります。
奥の方へと進めば、車の走行音も聞こえなくなり、鳥のさえずりや川のせせらぎが心地よく、日常を忘れて過ごせる場所。映画やドラマのロケ地としても使われる理由がきっとわかることでしょう。
見どころを紹介したいのですが、スペースがいくらあっても足りませんので、季節ごとに簡単にご紹介します。
2月には梅花展が開催され姫路に春の訪れを知らせてくれます。桜のシーズンは姫路城とともに夜桜会やライトアップイベントも開催されます。
5月、GWあたりになると9つの庭のひとつ「夏木の庭」では、フジの花が見頃を迎えます。規模は小さいながらも、見事に咲き誇る藤棚は見ものです。
新緑の頃から夏へと、青々としたモミジの美しさや、「竹の庭」では数種類の竹が見られる竹林が涼しげです。
秋の訪れは観月会。築路塀脇のススキが秋らしさを演出してくれます。紅葉が進めば「御屋敷の庭」や「築山池泉の庭」など、好古園が最も賑やかで艶やかに彩られます。
冬になると、落葉樹が葉を落とし、木々の枝ぶりと樹形の美しさを見せてくれます。まるで水墨画のようなコントラストに見えるため、あえてこの頃を好む人がいるほどです。
紅葉のライトアップなど、季節ごとにイベントも開催されているので、おでかけ前には公式サイトのチェックをお忘れなく。
好古園の美しさを守るということ
好古園が関西屈指の紅葉の名所として全国的にも有名になったのは、好古園の樹木たちと向き合い、美しい庭園になるように見守ってくれる人がいるからこそ。剪定を行う人、設備の管理や清掃を行なってくれる人など常時10人ほどに加え造園業者など、多くの人に支えられています。
中でも、ここ10年ほどにわたり、中心的な役割を担ってきたのが副園長の石山恵信さん。一級造園施工管理技師と一級造園技能士、樹木医でもあります。心がけていることは「常に同じ形で維持すること」。
木は、種類によって育つスピードが異なり、それぞれに個性があります。それを同じ形に維持するため、天候を読み、光の当たり具合を見て、剪定する枝、残す枝を見極めていきます。それも、剪定したことがわからないように進めていくことが、庭園を維持する難しさだといいます。
秋の紅葉を見る時のポイントについてもお聞きしました。「見て美しいと思ってもらえたら、それが一番。さらに、その景色に様々な木があり、1本の木でも場所によって葉の色が異なり、グラデーションをなしているあたりに気がつくと、味わい深いものになるのでは」とのこと。
見守り支える人がいるからこそ、好古園の木々は元気で、見る側を気持ち良くしてくれます。
ランチもカフェもおすすめ
好古園が注目されるのには、日本庭園を眺めながら食事ができるレストラン「活水軒(かっすいけん)」の存在も大きいでしょう。大きな池がある「御屋敷の庭」に隣接する「活水軒」では、穴子や「夢そば」を使った料理を楽しむことができます。
播磨の地酒も多く取りそろえてあり、利き酒セットもあります。
ランチメニュー以外にも珈琲、紅茶や抹茶セット、ホットケーキセット、ぜんざいなどがそろっています。
雨の日でも、ぼんやり庭を眺めながら、ゆっくりとしたひとときを過ごすことができます。
昼時は待ち時間が発生することも。少し時間をずらして利用されることをおすすめします。予約は3日前まで。行楽シーズンやイベント開催時は、予約受付ができない場合があります。
レストラン「活水軒」営業時間 10時〜16時(季節により時間延長あり)予約・問い合わせ先 079-289-4131
詳しくは、好古園公式サイトを参照
「茶の庭」には、本格的な数寄屋造りの茶室「双樹庵(そうじゅあん)」があります。椅子が用意された立礼式の部屋もあり、気軽に利用ができる茶室です。
茶室「双樹庵」営業時間 12時〜16時(最終受付15時40分)料金 一席500円(お菓子付き)休庵日 12月21日〜1月5日問い合わせ先 079-289-4121詳しくは、好古園公式サイトを参照
好古園へのアクセス方法
好古園へは、JR姫路駅・山陽電鉄姫路駅から徒歩で約15分。
バスを利用の場合は、姫路駅北口から神姫バス乗車「姫路城大手門前」下車で、徒歩約5分です。
姫路城周辺を楽しむなら、姫路城ループバスをおすすめします。姫路駅北口から姫路城の周囲を一周して「好古園前」まで約15分。1回100円です。
車の場合は、好古園には駐車場がありませんので、周辺の有料駐車場をご利用ください。
姫路城と合わせて好古園も楽しみたい人は、共通入場券がおすすめです。好古園(310円)、姫路城(1,000円)のところ、共通入場券ならば1,050円になります。
(ライター 塚本隆司)
※本記事は2023年9月時点の情報です。価格は税込み表示です。商品内容や価格が変更となる場合があります。
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基本情報
『姫路城西御屋敷跡庭園 好古園』
住所:兵庫県姫路市本町68番地
電話番号:079-289-4120
入園料:18歳以上310円、小学生・中学生・高校生150円、小学校就学前は無料
営業時間:9時~17時(入園は16時30分まで、季節により時間延長あり)
定休日:12月29日、30日
アクセス:JR、山陽電車姫路駅から神姫バス「姫路城大手門前」下車徒歩約5分、または姫路城ループバスで約15分「好古園前」下車すぐ
駐車場:なし(周辺の有料駐車場を利用)
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