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有形文化財を活用したレトロな佇まい「スターバックス コーヒー 弘前公園前店」
青森県弘前市に、日本で2番目に有形文化財を利用したスターバックスの店舗があります。大正時代のレトロな雰囲気が漂う「スターバックスコーヒー弘前公園前店」は、東北地方にあります。
「スターバックス コーヒー 弘前公園前店」へ行ってみよう
本州の最北端、東北地方に属する「青森県」。冬には何メートルもの雪が降り積もるこの場所に、ひときわ趣のあるカフェが存在するのをご存知でしょうか。
スターバックス コーヒー 弘前公園前店は、神戸北野異人館店に続いて日本で2番目にオープンした、有形文化財を利用したスターバックスの店舗です。大正時代を思わせるレトロな出で立ちはもちろんのこと、そのほかさまざまな魅力が利用者を楽しませてくれます。その一部をご紹介します。
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なぜ文化財が、カフェの店舗として使われるように?
弘前公園前店のある青森県弘前(ひろさき)市は、桜の名所として有名な場所。春には弘前城とその周囲に咲き乱れる桜を見に、世界中から見物客が訪れます。また真冬には、何メートルもの雪が積もる、日本でも有数の寒い地域でもあります。
弘前公園前店の建物は、1918年に「第八師団長官舎」(=軍の建物)として建設されました。1951年には市に払い下げられ、市長公舎として活躍、2003年に国の有形文化財に登録されました。
文化財である旧第八師団長官舎の魅力を活かすべく、弘前市が建物の有効活用の公募を行ったところ、スターバックスのカフェ利用という案が採用され2015年4月に、「スターバックス コーヒー 弘前公園前店」 がオープンしました。
地域に根ざした店舗作りを目指すスターバックスと、文化財の魅力を活かしたい弘前市の考えが一致したことが、実現の最大の理由とのことです。
一般的なスターバックスの店舗と違い店内がいくつかの空間に分けられているのは、もとの建物の造りを活かしているからです。
扉もそのままの姿で残されています。障子や引き戸がはめられていた溝や、扉に彫られた取っ手などから、洋風な造りの店舗の中に和の要素が垣間見られます。
弘前の魅力を最大限に引き出すインテリア
店舗内には、弘前という地域の特色や伝統を、随所に取り入れています。
こちらは注文スペース。ここはもともと会議室として利用されていました。そのためか天井が高く、開放的な空間となっています。
注文スペースの真上にある照明には、ブナコが使用されています。ブナコとは、ブナ材をテープ状に薄く裁断してコイル巻きにしたもの。ひとつひとつ手作りされている木工品です。
青森県はブナの蓄積量が日本一であり、青森県にある世界遺産「白神山地」にもブナの木が多数生えています。そんな青森のブナを有効利用しようという思いから、ブナコは誕生しました。
こちらはかつて和室として使用されていた場所です。窓からは、庭園を眺めることができます。8人掛けのテーブルの上にある照明もブナコを使った製品。寒い季節でも、木の柔らかい光が店内を温かく照らし、利用者を迎えてくれます。
奥の座席を見てみると、背もたれに水色の素材となにやら模様が施されているのがわかります。これは、津軽こぎん刺し(つがるこぎんざし)という、青森の津軽地方に伝わる伝統的な刺繍。菱形をベースとした幾何学模様が特徴的です。
布の補強と保温のために、農家の女性たちが衣類に刺し子(刺繍)を施したのが起源で、1880年頃には手の込んだこぎん刺しの着物が多く見られるようになりました。一度は廃れたものの、1930年頃に再度その美しさが見直され、以降、現在まで手芸ファンに愛されています。
おわりに
有形文化財を店舗として生まれ変わらせ、地元の人々に親しまれるようになったこのカフェ。東北地方の旅行中、ひと息つきたくなったらスターバックスコーヒー 弘前公園前を訪れてみてください。
※本記事は2016年2月23日に公開した記事をリライトしました。
A Japanese girl who loves Japanese Rock music especially L'Arc-en-Ciel and VAMPS! L'Arc-en-Ciel、VAMPSをこよなく愛する20代です。全国どこでもライブを見に飛び回ってます。出身は山口県下関市です。 日本のロックミュージックと山口の知られていない魅力を中心に、様々な魅力を世界に発信していきたいと思います!