旅の準備はじめよう

第3回は岩泉町龍泉洞事務所の周由希さんにお話を伺いました。
初めてここに来たのは早稲田大学に留学生として通っていた時です。1カ月に渡るインターンシップに参加し、岩泉町のことや、ここに住んでいる人たちのことを知るようになりました。2016 年に大学を卒業し、ニューヨークで働き始めたのですが、その年に台風 10 号が岩泉町を直撃したと知りました。インターンシップを通じて友達になった方たちがたくさんいたので、とても心配しましたね。なんとかして町の観光産業をサポートしたいと思い、役場職員に応募したところ、2017 年秋から町役場で働くこととなりました。
そうなんです。コロナの大流行はみちのく潮風トレイルのような観光産業にとって特に大きな痛手となりました。海外のメディアに取り上げてもらうことで、外国人ハイカーの増加を見込んでいたのですが、コロナ過の旅行制限によってインバウンド効果が厳しい状況となりました。ですが、そのような大変な時期にもいろいろと工夫することでトレイルの PR に努めました。
実は私はトレイルルートの管理にも携わっていて、地元の人たちとのパトロール活動に積極的に参加していたときもあったんですよ。雑草や伸びてきた枝などを除去する作業はルートを適切に維持するのに非常に大切な活動ですからね。雑草取りなんかはやっていて楽しかったです。それから、暖かい時期には蜂対策もしました。地元の方々と避難経路も作るなど、トレイルルートがもっと安全なものになるように、気を引き締めて頑張りました。
また、トレイルの魅力や利用しやすさを発信し続けるために、インターネットを活用した宣伝の取組みも行いました。町が運営する SNS へ定期的に投稿したり、リールを作成したりするなどして、トレイルをたくさんの人に知ってもらえるように工夫しました。さらには、当時政府が出していた「新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」の趣旨に沿うよう、ソロハイキングのようなアウトドアアクティビティを PR しました。いかなる活動のなかでも安全対策と維持管理を続けることを優先し、前例のないような状況下であってもハイカーの方が素敵な体験をできるように努力しました。
私は前所属の職員と一緒に一連のハイキングイベントを企画することとなり、みちのく潮風トレイルが誰にとっても利用しやすくなるよう、宣伝にさらに力を入れました。具体的には、三陸ジオパークについて学べるガイド付きのトレイルウォーク、海岸の清掃活動、紅葉狩りハイキングなどを企画しました。その結果、イベントには地元や近隣の県からの外国人ハイカーを中心とした多くの参加者が集まりました。
その際、イベントに多くの人が参加してくれるよう、町の公式ウェブサイトを活用したり、チラシを配布したり、SNS を利用したりするなど、いろいろな宣伝方法を試みました。また、岩泉町と隣接する宮古市に協力を依頼したことで、より多くの方々に情報発信することができ、トレイル独自の魅力を広められたと思います。
まずは、みちのく潮風トレイル5周年、おめでとうございます!5年以上前、みちのく潮風トレイルの企画が動き出した当時、私はまだここにはいなかったのですが、大変だったという話をこれまでたくさん聞いてきました。ここでの仕事を通じ、大きく変わったなと思う点は5つあります。
1.インフラ設備の改善:2019 年以降、ハイカーなどの町を訪れる人々の体験がより良いものになるように、休憩所やトイレ、標識、それから SNS など、トレイルに関するインフラ設備の充実が図られたと思います。ハイカーからのコメントやフィードバックを得てそれらの改善に取り組みました。
2.トレイルルートの管理:各地のサテライト施設や行政機関、名取トレイルセンター、ボランティアの方々などの懸命な努力により、ルートの定期的なメンテナンス、修繕、保護活動が続けられてきました。美しいトレイルの維持のためには、こういった連携は不可欠でした。
3.宣伝方法の工夫による認知度の向上:マーケティングキャンペーン、観光団体との連携、メディアを通じた報道、コミュニティエンゲージメント活動等の長年に渡る宣伝活動を通じ、みちのく潮風トレイルの認知度が高まってきました。
4.訪問者数と彼らの感想:多くの方がトレイルを知ってくださるようになったので、トレイルを利用する人が増えました。名取トレイルセンターはハイカーなどに対し感想の聞き取りを行ったことで、彼らの要望や期待に応えるための改善活動に繋げられたように思います。
5.各関係機関の連携:地元のコミュニティ、企業、ボランティア団体との連携が拡大したことで、トレイルとそれが位置する周辺地域の両方にとって有益になるような、より包括的で持続可能なトレイル維持の方法が確立されたと感じます。
はい、自分でも歩きます。岩泉町や普代村、田野畑村、宮古市、最近では釜石市など、近くの市町村のトレイルを歩いて楽しんでいます。もっと開拓したいな~といつも思っています。
岩泉町のトレイルルートは多種多様です。田野畑村に向かうルートは、標高差が 150 メートルあるためなかなかのアップダウンがありますが、五感で自然を感じながら、もののけ姫を連想するような深い森の中を歩く経験ができます。私はこのルートを「マジカル・ジブリ・トレイル」(12.6 km、6時間)と呼んでいます。そして、宮古市に向かうルートは、三陸の海の素晴らしい眺めを堪能しつつ、中生代にタイムスリップしたかのような経験ができます。そこでは、日本で初めて発見された恐竜の化石の遺跡を訪れたり、古代の岩石を発見したりできます。私はこのルートを「歴史発見トレイル」(9km、4時間)と呼んでいます。ちなみに、私のお気に入りのスポットは、岩泉町にある御殿崎自然休養林につながる須久洞浜です。長いハイキングの後、太平洋の景色を楽しみながら、リラックスしたり、軽食をとったり、コーヒーを飲んだりするのにとてもおすすめの場所なんです。
日本に来るまではトレイルハイクをしていなかったので、海外のトレイルを歩く機会はありませんでしたが、特にアメリカ東海岸のアパラチアン・トレイルに興味があります。世界最長のハイキング専用トレイルで、ユニークで挑戦的な体験になるそうです。みちのく潮風トレイルに関わる人たちのなかにはそこを歩いた方も多くいますが、地元の人々による温かいおもてなしや、道中の宿泊施設の利用しやすさなどに感動したと話していました。地元の人々と交流し、アパラチアン・トレイルの自然の美しさに浸れるのは本当に魅力的ですね。
みちのく潮風トレイルの今後の発展のために、トレイルネットワークがさらに拡大及び改善し、ハイカーがあっと驚くような体験を提供できればいいなと思っています。今までやってきた取組みを引き続き行い、さらに地域社会との結びつきを育むことで、この素晴らしい自然資源の長期的な保護と強化を確実にすることができるはずです。
私の今の担当業務的に、みちのく潮風トレイルに関する大々的なイベントを頻繁に開催することはできないかもしれませんが、まだ誰にも見つけられていない場所を探索したり、トレイルに携わる方々と積極的に交流したりするなど、トレイルとの関わりを絶やさないように心がけています。また、SNS 等を通じて情報発信を行うことで、世界中のハイカーがみちのく潮風トレイルという冒険に飛び込むきっかけになれば嬉しい限りです。ハイカーの方々には、是非、魅力的な岩泉町を探検し、龍泉洞のような素晴らしい自然の驚異を発見していただきたいです。もっと言えば、ハイカーの皆さんが岩泉町の街中に来て一泊し、龍泉洞等観光地を訪れ、翌日にトレイルのほうに戻れるような方法があれば良いなと思っています。
とにかく、旅を楽しんでください。トレイルを歩けば歩くほど、自然の美しさに浸り、自分の限界に挑戦する良い機会になるはずです。土地を尊重し、ゴミは残さず足跡だけ残して行ってくださいね!みちのく潮風トレイルでの冒険を通し、喜び、心地良さ、そしてこの土地への感謝を感じることができたら何よりです。
☑ 熊よけの鈴とホイッスル
飲み物や軽食のほかに、熊よけの鈴とホイッスルは必ず持って行きます。この辺りは熊や他の野生動物がたくさんいるので、彼らの縄張りに入るときには何らかの音を出すことで私たちの居場所を知らせます。また、ハイキング中に仲間とはぐれてしまったときは、ホイッスルを使うことでお互いの居場所を知らせることができます。山の中では何が起こるか分からないので、万が一に備えてこういったアイテムを持っておくことが大切です。
こんにちは!岩手県庁の沿岸地区を担当している岩手県沿岸広域振興局です。北は田野畑村から南は陸前高田市までの沿岸13市町村を担当しています。 2011年3月11日、東日本大震災による巨大な津波がこの地域を襲いました。 甚大な被害を受けましたが、世界中からの支援によって復興のみちのりを歩んでまいりました。 防災教育にも力を入れ、震災遺構や伝承施設も整備されています。ガイドと一緒に歩き、復興の歴史を体験できます。 【北部の名所】 田野畑村には高さ200メートルの断崖が連なる「北山崎」、岩泉町には日本3大鍾乳洞の「龍泉洞」、宮古市には真っ白な石の海岸がさながら浄土のようとうたわれた「浄土ヶ浜」、山田町には穏やかな湾内に浮かぶ大島(おおしま)「通称:オランダ島」と小島(こしま)など、迫力ある絶景が広がります。この地域を楽しむには三陸鉄道がピッタリです。ローカル線に乗ってのんびりと車窓の風景を楽しめます。 【中部の名所】 大槌町には、「ひょうたん島」の愛称で町民に親しまれている「蓬莱島」、 釜石市には現存する日本最古の洋式高炉跡で、 世界遺産に登録されている「橋野鉄鉱山」など 海と山、それぞれを楽しむことができます。 また、この地域は虎舞や鹿子踊りなどの郷土芸能も盛んで、古くから受け継がれてきた伝統を、イベントやお祭りで体感できます。 【南部の名所】 大船渡市には、リアス式海岸の変化に富んだ景観を楽しめる「碁石海岸」、陸前高田市には、津波被害の事実と教訓を発信する「東日本大震災津波伝承館」、住田町には、国内最大級の洞窟内滝を有する鍾乳洞の「滝観洞」など、この地域特有の自然・文化を感じられるスポットがたくさんあります。 雄大な自然がもたらす恵みを楽しみつつ、自然の脅威と共生する知恵と教訓も学ぶことができる地域です。 皆様のお越しをお待ちしております。