ラジウム温泉が魅力!新潟・五頭温泉郷のグルメ、観光、温泉スポット完全ガイド
「入る、吸う、飲む」の3つの楽しみ方ができる新潟県の五頭温泉郷。無色透明・無臭の3種の温泉は、全国でも珍しいラジウム温泉として有名です。身体の内側から温泉を取り込み、ぬる湯でじっくり湯治ができる秘湯の魅力と、おすすめスポットをご紹介します。
3つの温泉に入浴できる「五頭温泉郷」とは

東京から新幹線とレンタカーで3時間半ほどでアクセスできる温泉地・五頭温泉郷。2016年に、全国で93番目の国民保養温泉地に指定されました。
五頭温泉郷は1200年以上前に弘法大師が開湯したと伝えられ、今でも地元の人々の間で語り継がれています。
半径3キロほどのエリアの中に、成分が少しずつ異なる出湯・今板・村杉の3つの温泉が湧き出ている珍しい温泉地です。
各温泉はそれぞれ入浴できるスポットが異なるため、湯めぐりにもぴったりです。

この3つの温泉に共通しているのが、全国でも珍しい「ラジウム温泉」であるということ。これは温泉水の中に、ラドンが一定以上含まれている温泉の総称です。
ラドンからは微量の放射線が放出されており、放射線のおかげで多くの効能が期待できるのです。神経痛や痛風、婦人病の側面でも注目されていると言います。
湯治場としても栄えていた歴史があるため、連泊してラジウム温泉の効能をゆっくり満喫するのもおすすめですよ。
五頭温泉郷のおすすめグルメ・観光・温泉スポット11選
五頭温泉郷には、四季折々の景色が楽しめたり、ここでしか出会えないグルメがあったりと、観光スポットが盛りだくさん。
地元の方との交流を楽しみつつ、五頭温泉郷をめいっぱい観光できるスポットを詳しくご紹介します。
【グルメ】旬の食材を釜飯に閉じ込めた「新潟の釜飯 五頭山麓御食事処 山清水」

ランチタイムにぴったりなのが、出来立ての釜飯が食べられる「山清水」。阿賀野市産のコシヒカリを自家精米しており、いつでもツヤツヤのお米が食べられます。

1番人気は、具沢山の五目釜めし。エビやホタテ、シャケ、シイタケなどがふんだんに入った釜めしは、一口ごとに味わい深さが増していきます。
味噌汁・小鉢・漬物・フルーツがセットになった大ボリュームさも人気の秘密です。

期間限定の「かも鍋定食」もファンが多い逸品。脂が溶け込んだ「かも鍋」は、スープまで残さず食べたくなってしまいますが、そこはじっと我慢。最後は雑炊やうどんで締めて、余すことなく食材を楽しんでみてくださいね。

【グルメ】毎日食べたくなるデザートが魅力の「森のお菓子屋さんgland」

今板温泉と村杉温泉の間に佇んでいる「森のお菓子屋さんgland」。どんぐりが実るミズナラの木の麓にお店があることから、フランス語でどんぐりを意味する「gland (グラン)」という店名になったと言います。

おすすめは、店主・加藤さんのチョコレート好きが嵩じて作られた「ガトーショコラ」と、散策しながら食べやすいシフォンケーキ。
ガトーショコラはたっぷりのチョコレートを使用した自信作。こってり濃厚なテイストは、自分を甘やかしたい時のご褒美スイーツにぴったりです。

シフォンケーキは生地と具材を日替わりで組み合わせ、いつ来店しても違う味が楽しめます。シャインマスカットやルレクチェ、越後姫など、季節のフルーツもたっぷり使用しています。
特にシフォンケーキのふわふわもちもちの食感は、一度食べたら忘れられないほどハイクオリティ!お土産としても持ち帰りやすいため、甘いお菓子が食べたくなった時にぜひ訪れてみてくださいね。
【グルメ】温泉水100%のふわふわパンが名物の「出湯温泉パン工房」

五頭の温泉水と地元の食材をたっぷり使ったパンが名物の「出湯温泉パン工房」。出湯温泉周辺を観光する際に、ぜひチェックしてほしいグルメスポットです。

パン作りに使用される水は、出湯温泉水100%。さらに地元産の天然酵母にもこだわっており、出来上がるパンはどれも段違いにもちもち、ふわふわ!

テイクアウトしやすい食パンが売れ筋で、観光客だけでなく地元の人々からの支持も熱狂的。売切れ対策に、早めの時間に来店してみてくださいね。
店舗情報
住所:新潟県阿賀野市出湯809-1
営業日・時間:
【定休日】水曜日、木曜日
【営業時間】8:00~16:00(金曜日のみ9:00~16:00)
電話番号:0250-62-1566
ウェブサイト:https://www.instagram.com/deyuuonsen_pancobo/
アクセス:阿賀野市営バス「出湯温泉」から徒歩5分、JR羽越本線「水原駅」からタクシーで20分
【グルメ】大人の時間が流れる「愛着珈琲出湯温泉喫茶室」

出湯温泉パン工房から歩いて3分の場所にあるのが、愛着珈琲出湯温泉喫茶室。2018年にオープンした同店は、店内に一歩足を踏み入れると時代が変わったかのような不思議な感覚が芽生えます。

それはオーナーの石川さんが長年集めたアンティーク家具や、この地で時を重ねた古民家が醸しているゆったりとした雰囲気のおかげ。旅先でじっくり自分と向き合いたいときや、入浴後にひと息つきたいときに、足を運んでほしい純喫茶です。

同店でのおすすめは、なんと言っても淹れたての愛着珈琲。自家製のケーキやスコーンと一緒に、じっくり味わうのがおすすめです。

大人の居場所として旅人を迎える同店は、中学生未満のお子様は入店できない決まり。ここでしか感じられない雰囲気を守り、お客様を静かにおもてなししてくれる名店です。
店舗情報
住所:新潟県阿賀野市出湯738
営業日・時間:
【定休日】水曜日、木曜日(祝日の場合もお休み)
【営業時間】(平日)8:00~16:00(ラストオーダー15:00)(日祝)8:00~15:00(ラストオーダー14:00)
電話番号:0250-62-8686
ウェブサイト:https://www.instagram.com/nenrinsha/
アクセス:阿賀野市営バス「出湯温泉」から徒歩5分、JR羽越本線「水原駅」からタクシーで20分
【観光】自然の中に“お邪魔”できる「いこいの森」

いこいの森は、ほとんど手付かずの自然の中を散策できる観光スポット。散策は1周20〜30分ほどででき、普段は地元の方が愛犬の散歩や交流の場として生活に溶け込んでいます。

穏やかな川やいこいの森の主であるご神木、森林浴ができる芝生など、自然をたっぷり楽しめます。人間が自然の生態系の中にお邪魔するような感覚で、静かで豊かな時間が楽しめますよ。

また、駐車場の近くにある事務所に行けば、いこいの森に住んでいる猫のスズと、ニワトリのサンペイとルナに会えるかも。ご飯をあげたり、撫でてみたり、優しい動物たちと触れ合えるのもいこいの森ならではの楽しみです。
【観光】アクティブ散策にぴったりの「やまびこ通り」

出湯口から村杉口まで続く林道に、250を超える石碑がずらり。これらは日本一の規模を誇る俳句・短歌・川柳の道「やまびこ通り」です。

阿賀野市は昔から、佐藤念腹や石塚友二といった文人・詩人を多く輩出していました。そこで新潟県内外の俳人・歌人に発表の場を設けようと、松尾芭蕉の「奥の細道」をヒントに「やまびこ通り」が作られたのです。
およそ5キロの道のりには、思わず口に出したくなる詩や、くすりと笑える短歌が結集。ウォーキングがてら散歩したり、荘厳とした石碑を車から眺めたりと、観光の日程に合わせて訪れてみてくださいね。
【観光】新潟土産とボリューミーなランチが楽しめる「うららの森」

阿賀野市や五頭温泉郷のお土産をそろえたいなら、うららの森へ足を運んでみましょう。

村杉温泉の入り口にあるうららの森は、五頭温泉郷の「道の駅」のような存在。

地元の朝採れ野菜や日本酒、おつまみなど、お土産調達にうってつけの品ぞろえです。

また、うららの森には定食が人気の「結桜(ゆいざくら)」が併設されています。中でも人気は、ボリューム満点の「三角あげ定食」。焼きたての大判厚揚げは、白米がどんどん進む美味しさです。薬味と一緒に食べるのもおすすめ。

他にも日替わりで秋刀魚のフライが出たり、天丼やトンカツなどボリュームたっぷりのメニューが大人気。地元の人々から愛されているうららの森を訪れれば、阿賀野市のことがもっと好きになれるかもしれませんね。
【観光】四季折々の自然と白鳥に出会える「瓢湖水きん公園」

五頭温泉郷の中心地から車を15分ほど走らせると、美しい湖と春夏秋冬の自然が楽しめる「瓢湖水きん公園」があります。

毎年10月上旬~3月上旬にかけて白鳥が数千羽もシベリアから渡来します。多い日は5,000羽以上の飛来が見られ、その風景は圧巻。
湖畔にある「瓢湖白鳥観察舎」では、暖かいところから白鳥を観察することができます。また飛来時期以外でもシベリアに帰らずに残った白鳥を見ることができます。
白鳥の飛来を見学する際は、五頭温泉郷の旅館宿泊者限定で運行している無料の「瓢湖行きバス」の予約が便利。朝6時半出発で、1名様から送迎してくれます。11~12月の2か月間限定です。

また、瓢湖水きん公園は春は桜やあやめ、夏はハスなど、季節ごとの花々も観察できるスポット。自然に触れる旅が好きな方におすすめの観光地です。
【温泉】毎日でも入れるクセのない温泉「華報寺共同浴場」

出湯温泉が日帰りで堪能できるのが、「華報寺共同浴場」。お寺の敷地内に温泉施設がある全国でも珍しいスポットです。

源泉掛け流しのありがたい温泉は無色透明・無臭で、ゆったりじっくり浸かるのにぴったり。サラリとしていて温泉っぽさが感じられないことが、最大の魅力なのだとか。

何十年も通う常連さんたちは、口をそろえて「クセがないから入りやすい」「毎日入れる温泉」と、出湯温泉を大絶賛します。
出湯温泉の効能が実感できるのは入浴後。ぬる湯だったはずなのに汗が止まらず、どんどん代謝が促進されている感覚が得られますよ。
【温泉】県内最大級の大露天風呂に浸かれる「長生館」

日帰りで優雅に温泉を楽しみたいなら、村杉温泉に入れる長生館(ちょうせいかん)がおすすめ。長生館の温泉は、男女合わせて1000坪もの広さを誇る「庭園大露天風呂」が満喫できます。

内風呂から露天風呂までは長いトンネルでつながっており、道中も楽しめます。

トンネルを抜けた先では四季折々の草花と、広々とした大露天風呂の絶景が出迎えてくれます。桜や新緑、紅葉に雪景色と、春夏秋冬の景色は、心身をじっくりとほぐしてくれます。

温泉に浸かりながらゆっくりと深呼吸してみるのも、村杉温泉ならではの楽しみ方。湯気に含まれるラジウムを吸い込んで、温泉の効能を取り込んでみてくださいね。

入浴後は、ロビーラウンジ「詩季」でリラックスタイム。温泉で代謝が良くなった身体に、さらに温泉を取り込める「飲泉処」も自由に活用できますよ。
五頭温泉郷ならではの「入る、吸う、飲む」の3つの楽しみ方が一度にできる貴重なスポットです。
【温泉】地元の人々で賑わう安らぎの場「薬師の湯・足湯」

長生館から歩いて1分ほどの場所にあるのが、同じく村杉温泉に入浴できる「薬師の湯」と「足湯」。手ぶらで日帰り入浴ができる旅人にはありがたい施設です。

番台の券売機で入浴券を購入し、脱衣所を抜けたら温泉のお目見えです。シャワーで身体を洗い、半身浴からゆっくりと身体を慣らしていきます。

源泉温度が25度しかない村杉温泉は、季節に合わせて適切な温度に加温。気持ちよく入浴できる温度に合わせてあるため、長い時間温泉に浸かっていることができるのです。
観光だけでなく、ウォーキングや山登りの後の立ち寄りにもうってつけですよ。

また、薬師の湯の裏手には、誰でも足湯が楽しめるスポットもあります。ジェット・バブル・足裏マッサージのフットケアができる珍しい足湯は、平日でも多くの人が訪れています。協力金100円を入れて、じっくりと足の疲れをほぐしてみてくださいね。
薬師の湯の営業時間は7時から20時半まで。ぜひ五頭温泉郷の湯めぐり地として訪れてみてはいかがでしょうか。
旅の拠点「湯本舘」でくつろぎタイム

さまざまな温泉と観光スポットを巡った後は、今回の旅の拠点「湯本舘」でほっとひと息。五頭温泉郷の中でもトップクラスの客室数を誇る湯本舘は、館内探索だけでもワクワクしてしまう旅館です。

館内には若女将の趣味部屋「百蔵(もぐら)」や庭園が一望できるラウンジ、新潟の厳選土産がそろう売店など、見どころが満載です。
湯本館に着いたら、まずは名物の温泉へ足を運びましょう。

湯本館で楽しめる今板温泉は、今やここでしか入れない貴重なもの。40度ほどのぬる湯で入りやすく、「美肌の湯」「子宝の湯」などと言われる名湯です。

温泉に入る際は、かけ湯→半身浴→全身浴の順を守ると、効能がより実感できるとのこと。しっかりかけ湯をしてから、半身浴へと臨みます。

足先や腰からじんわりと温めてくれるお湯に、気持ちがふっと和らぎ、思わず笑みがこぼれてしまいます。肩まで浸かっても熱すぎず、程よい心地良さを感じます。
サラリとしたお湯はついつい長居しがちですが、おでこや鼻の頭が汗ばんできたら休憩を挟むとベスト。半身浴に切り替えたり、身体を洗ったりと、気持ちよく入浴してみてくださいね。
入浴後はシャワーを浴びず、温泉に浸したタオルで水滴を拭く程度にとどめると、薬効が長持ちしますよ。

入浴後はお待ちかねの夕食の時間。湯本舘の名物「鯉料理」が、テーブルを鮮やかに彩ります。

お造りの「アライ」や「甘煮」、味噌で煮込んだ「鯉こく」がいただける贅沢三昧。鯉料理には恋の成就や産後母乳の改善、脳の活性化など、さまざまな効果も期待できるのだとか。

若女将厳選の地酒と共に、新潟の食の恵みも堪能してみてくださいね。
旅立ちの朝には、地元の人気豆腐店「川上とうふ」のサラダや煮豆腐、トラウトサーモンの西京焼き、自家製麹味噌のお味噌汁など、心に染み渡る絶品料理が並びます。

おかわり自由なご飯とお味噌汁に、気づけば朝からモリモリと食が進んでしまうはず。

旅館の至る所には、若旦那・女将からのメッセージが散りばめられ、アットホームで親しみやすい旅館の虜になる人が続出。季節の節目や温泉での湯治がしたい方、何度でも帰りたくなる宿を探している方にぜひ訪れてほしい宿です。
アクセス

東京から五頭温泉郷へのアクセスは、新幹線とレンタカーでの移動が便利。東京駅からJR上越新幹線で2時間ほど移動し、新潟駅からレンタカーを利用しましょう。
新潟駅から五頭温泉郷までは、車で1時間ほど。車で移動をすれば、出湯・今板・村杉の3つの温泉地の湯めぐりも手軽に楽しめますよ。
道中の景色も楽しみたい方には、路線バスや電車での移動もおすすめ。新潟駅からバスや電車でJR水原駅までアクセスし、水原駅前から出ている「阿賀野市営バス」に30分揺られれば五頭温泉郷に到着します。
日程や季節、旅のスタイルに合わせて、五頭温泉郷での自由な湯めぐりを楽しんでみてくださいね。
国民保養温泉地とは、温泉利用の効果が十分期待され健全な保養温泉地として、「温泉法」に基づき環境大臣によって指定されています。全国に79箇所の温泉地が指定されています。(2024年10月現在) 国民保養温泉地の選定は、おおむね以下の基準によって行われています。 第1 温泉の泉質及び湧出量に関する条件 (1)利用源泉が療養泉であること。 (2)利用する温泉の湧出量が豊富であること。なお、湧出量の目安は温泉利用者1人あたり0.5リットル/分以上であること。 第2 温泉地の環境等に関する条件 (1)自然環境、まちなみ、歴史、風土、文化等の観点から保養地として適していること。 (2)医学的立場から適正な温泉利用や健康管理について指導が可能な医師の配置計画又は同医師との連携のもと入浴方法等の指導ができる人材の配置計画若しくは育成方針等が確立していること。 (3)温泉資源の保護、温泉の衛生管理、温泉の公共的利用の増進並びに高齢者及び障害者等への配慮に関する取組を適切に行うこととしていること。 (4)災害防止に関する取組が充実していること。