【2026年特集】島根・西ノ島町を訪れる理由——午年に、のんびり草を食む馬に会い
2026年の午年、島根・西ノ島で草を食む馬と絶景の国賀海岸、イワガキやサザエなど島の食を楽しむ、のんびり旅。
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目次
- 午年に西ノ島に行きたい
- 西ノ島に馬がいる
- 西ノ島に「うまい」食べ物がある
- 西ノ島で作られたお土産
- 馬ゆかりの神社はないが、イカの伝説はある
- 2026年のまつりとイベント
- 西ノ島らしい旅のかたち
- 西ノ島までのアクセス:
- 関連記事
午年に西ノ島に行きたい
今年の干支「馬」は、前進や速度、飛躍の象徴とされます。
勢いよく駆ける姿を思い浮かべる人も多いでしょう。
西ノ島では、そのイメージと対照的に、青い海を背景に崖の上でのんびり草を食む馬の姿を見ることができます。
風の音に耳を傾けながら、静かに時を過ごす馬たちの姿は、島の穏やかな日常そのものです。
スロートラベルや、島の暮らしに寄り添う観光のかたちを意識しながら、2026年は西ノ島でゆっくりとのんびり過ごす旅をしてみませんか。
西ノ島に馬がいる

西ノ島の北西部にある国賀海岸は、島根県・隠岐諸島を代表する絶景の一つです。
高さ257mを誇る「摩天崖」や、自然の力によって形づくられた海食アーチ「通天橋」などのジオサイト*を見ることができます。
それら雄大な風景とともに、のんびりと草を食む牛や馬の姿も見られるのが国賀海岸ならではの魅力です。
*ジオサイトとは:地形や地質、そこから生まれた独自の歴史や文化、生態系などを観察できる価値の高い場所のことです。
隠岐ユネスコ世界ジオパークの一部である西ノ島では、「摩天崖」と「通天橋」が代表的なジオサイトとして知られています。
西ノ島は山がちな島で平地は限られています。
そのため昔から島の人々は、限りある土地資源を活用する方法として、山の上で「牧畑(まきはた)」と呼ばれる四輪農法を行ってきました。
現在、「牧畑」という農法は行われていませんが、かつて畑として使われていた場所は今も放牧地として活用されています。
畜産業は、西ノ島の経済活動を支える基盤の一つです。
国賀海岸の摩天崖周辺や赤尾展望所、鬼舞展望所で牛や馬の姿が見られるのは、こうした島の暮らしの背景があるからです。

国賀海岸の草地がきれいに保たれているのは、放牧されている馬たちが日々草を食んでいるからです。いわば、島の風景を支える「静かな作業員」です。
国賀海岸を訪れる際の注意点
国賀海岸は、絶景と牛や馬のいる風景が共存する場所です。
放牧されている牛や馬は観光目的で飼育されているわけではなく、島の暮らしの一部として存在しています。
訪れる際は、牛や馬に近づきすぎず、十分な距離を保ちながら牧歌的な風景を楽しみましょう。
大きな音を立てず、静けさを大切にすることも心がけてください。
西ノ島に「うまい」食べ物がある
隠岐のいわがき

イワガキ養殖発祥の地である西ノ島で育てられた「隠岐のいわがき」は、大きいな身とクリーミーな味わいが特徴です。
3月から5月がベストシーズンで、島内の飲食店で味わうことができます。
サザエ

イワガキの季節が終わる頃からは、サザエの旬が始まります。
夏になるとサザエ漁が解禁され、期間限定でサザエ丼やサザエカレーを提供する飲食店もあります。
夏の西ノ島を代表する味覚の一つです。
西ノ島で作られたお土産

西ノ島で水揚げされたサザエを使い、島内の加工場で作られているサザエの缶詰めがあります。
贅沢にサザエの身だけを使用した缶詰は、汁ごとに炊き込みご飯の具材としてもおすすめです。
また、缶詰製造の過程で廃棄されていたサザエの肝を活用した洋菓子も作られています。
フードロス削減にもつながるこの商品は、しっとりとした食感とココアの香ばしさが印象的です。
その他、日本酒の製造過程で生まれる酒粕を使い、島内のパン屋が作る酒粕クラッカーもあります。
帰りの船旅のおつまみに、手に取ってみてはいかがでしょうか。
西ノ島で水揚げされた海産物を味わい、島内で作られたお土産を選ぶことは、地域経済に貢献するとともに、旅の思い出をより深くしてくれます。
馬ゆかりの神社はないが、イカの伝説はある

西ノ島には、「延喜式神名帳」に記載された格式高い名神大社、由良比女神社があります。
馬にゆかりのある神社ではありませんが、イカにまつわる伝説が残されており、拝殿にはイカの彫刻が施されています。
静かな境内で深呼吸をしながら、ゆっくりとイカの彫刻を探してみるのも、この場所ならではの楽しみ方です。
2026年のまつりとイベント

春には毎年恒例の「国賀びらきフェスタ」が開催され、観光シーズンの幕を開けます。
また、夏と秋にはそれぞれ2年に1度行われるまつりが予定されています。
夏の蒸し暑い夜に町を練り歩く神輿、秋の昼に神社で静かに奉納される「庭の舞」。
雰囲気は異なりますが、どちらも西ノ島の暮らしの中で受け継がれてきた大切な文化です。
馬や風景と同じように、まつりも島の日常の延長線上にあります。
西ノ島らしい旅のかたち

西ノ島の魅力は、島の日常そのものにあります。
馬や絶景を目にしながら、島の文化や人々の営みに触れる旅。
急がず、騒がず、島のリズムに合わせて過ごすことが、西ノ島らしい旅のかたちです。

放牧地やジオサイトでは、そこが人と生態系、自然の暮らしの場であることを心に留めながら、ゆっくりと景色を楽しんでください。
一人ひとりの心がけが、西ノ島の風景を未来へとつなぐ、持続可能な観光につながっていきます。
西ノ島までのアクセス:
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島根県の島根半島の沖合い約65kmの日本海に浮かぶ隠岐諸島にある、西ノ島。隠岐諸島には有人島が4つあり、一つの島で一つの町を形成して2番目に大きな島が西ノ島です。 550万年前の火山の噴火により形成されたこの島は、隠岐を代表する景勝地『摩天崖』や『通天橋』、隠岐のいわがきなどの新鮮な海産物、神楽や田楽などの伝統文化など、「自然」、「文化」、「食」、「ひと」の魅力がある島です。