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東京から日帰り可能。千葉県「養老渓谷」で見る四季の自然(滝・花・紅葉)
東京の隣にある千葉県にはまだまだ豊かな自然が残る場所も多く、四季折々の景観が楽しめます。今回は千葉県で随一の有名な滝と言われている「粟又(あわまた)の滝」のある、養老渓谷(ようろうけいこく)をご紹介します。
成田空港のある千葉県は、東京から1~2時間で行ける距離にありながら、県内に豊かな自然が残るスポットをたくさん抱えています。
今回ご紹介する養老渓谷(ようろうけいこく)もそのひとつ。清流のせせらぎに加えて、川辺に繁る樹々が四季折々の景観を作り出し、日々かわる絶景を楽しむことができる景勝地です。大きな見どころは4か所あるので、順を追ってご案内します。
1.千葉県随一の名瀑布「粟又の滝」
養老渓谷のハイライトは何と言っても「粟又(あわまた)の滝」です。駐車場やバス停が近いので気軽に訪れるスポットとして人気があります。
バス停で下車して階段を降りると川辺が現れます。岩々しい川面を眺めながら進むと滝が見えてきます。
幅100メートルに広がる岩肌をゆるやかに流れ落ちる雄大な景色が広がります。11月下旬~12月上旬には紅葉が真っ赤に色付いて、紅葉を楽しむこともできます。
2.拝めば偉くなれる?寺院「出世観音」
養老川に掛かる朱色の太鼓橋は「観音(かんのん)橋」と呼ばれています。
橋を渡ると登り階段があり、途中にはご利益を願って硬貨を埋め込まれた壁があります。
小高い丘を登りきると「立國寺(りっこくじ)」の境内があります。ここは日本の古い武将であった源頼朝が祈願したことで知られ、「出世(しゅっせ)観音」と呼ばれています。お参りすると昇進にご利益があるかもしれませんね。
境内には梅の木が植えられていて、2月には濃いピンク色に染まる梅の花を見ることができます。
3.トンネルが崩落してできた断崖「弘文洞跡」
出世観音近くの養老川沿いには弘文洞(こうぶんどう)跡という昔のトンネルが崩落した場所があります。
弘文洞跡へは川辺を進みながら、何度か川面に設えられた橋を渡ります。等間隔に置かれたコンクリートの上を渡って行くと、冒険気分がますます高まります。
ここが弘文洞跡で、140年前に耕地を開拓するために掘られたトンネルです。崖の上がつながっていましたが、1979年に突然崩落し左右に分断されたそうです。崖の下の川面に転がった大きな岩が崩落の様子を生々しく伝えています。
4.紅葉の名所「梅ヶ瀬渓谷」
梅ヶ瀬(うめがせ)渓谷では川辺に設けられたルートで本格的なトレッキングを楽しめます。
梅という名前がついているだけあって、2月になると鮮やかな梅の花を見ることができます。しかし、この場所が有名なのは美しい紅葉! 秋になると赤や黄色に色づいた紅葉の紅葉が渓谷を埋め尽くすそうです。
渓谷入り口から3kmほどの道のりはほとんどが川辺。何度も川面に置かれた石の上をジャンプしながら渡ります。
この辺には梅ヶ瀬(うめがせ)層と呼ばれる特徴的な地層があり、崖の断面や川底に大昔にこのエリアが海底だった頃の地層を見ることができます。
真冬の寒い日には日陰になった崖に氷柱(つらら)がびっしりと垂れ下がります。地中からしみ出した地下水が見事な氷柱になり幻想的な景色になります。
3kmほどで日高邸(ひだかてい)跡に到着します。ここには明治時代に活躍した教育者・日高誠実(ひだかのぶさね)の邸宅がありました。今では石碑が残るのみですが、秋になると敷地一帯が赤い紅葉に覆われて見事な景観になるそうです。
養老渓谷へは鉄道で簡単アクセス
今までご紹介したスポットは小湊鉄道「養老渓谷駅」を起点にすると便利です。
レトロな田舎列車と言う風情で、車窓からはのんびりとした風景が望めます。
養老渓谷駅前には観光案内所があり、観光ルートの地図が配布されています。まずは、ここで情報収集をするとよいでしょう。
渓谷をトレッキングする際の注意点
弘文洞跡や梅ヶ瀬渓谷は川辺に整備されたルートがあります。中には川面を渡る箇所もあるので、動きやすい服装とスニーカーの着用がオススメです。街灯のない場所も多いので、日没までには帰ってこられる計画を立てましょう。
滝に渓谷、紅葉など春夏秋冬で異なった美しい姿をみせてくれる養老渓谷。ぜひ、自然の景観をめぐる旅に出てみてください。
新潟生まれ。事業会社でのマーケティングを経験後、2011年からシンガポールへ移住し、出版社や制作会社で編集に従事。2015年に日本へ帰国しMATCHAのライターに。国内外を旅行する中で見つけた新しい発見を、多くの人とシェアしていきたいです。