旅の準備はじめよう

神戸港に面するメリケンパークは、神戸観光の中心となるランドマーク的存在の公園。素晴らしい景観と様々なモニュメント、歴史を感じるスポットなど、神戸を訪れたからには必ず立ち寄りたい場所です。
1896年、神戸で初めてキネトスコープを使った映画が上映されました。それを記念して作られたものがメリケンシアターの石碑です。大きな石をくりぬいた部分がスクリーン……となると、観客は?
こちらです! スクリーンの反対側には、観客に見立てた42個の石があり、映画スターの名前が刻まれています。
家族の像は、記念碑「希望の船出」です。神戸港からブラジル移民船が出航していた歴史を示しています。
パーク内にはほかにも「神戸海援隊」の石碑、「オルタンシアの鐘」など様々なモニュメントがあります。各モニュメントの背景にある物語は何だろうと思い浮かべながら時間旅行はいかがでしょうか?
画像提供:神戸市
メリケンパークは、1868年に開港した神戸港の船着場「メリケン波止場(はとば)」と「中突堤(なかとってい)」の間を埋め立てて作られました。
「メリケン」という言葉は「アメリカン(American)」からきています。近くにアメリカ合衆国領事館があった頃から付いた呼び名です。
画像提供:神戸市
日本有数の港となった神戸港。上の写真はメリケンパークができるずっと前の様子です。
多数の「はしけ船」(※1)が停泊している海を埋め立てて、1986年に作られたのがメリケンパークです。
白い大屋根が目を引くのは神戸海洋博物館。海や港に関する歴史を詳しく学ぶことができます。赤い塔は神戸のシンボル、神戸ポートタワーです。
※1:はしけ船……港内で貨物を運搬するための小型船のこと。
1995年1月17日5:46に起きた阪神淡路大震災。6,400名を超える方が犠牲となり、神戸に甚大な被害をもたらしました。
震災の記憶を継承し、慰霊の祈りを捧げるために、メリケンパークの北東部に作られた「神戸港震災メモリアルパーク」。黒とグレーでできている円は、色の境目で震災が起きた時刻を表しています。
震災時の姿で残された波止場もあります。砕けたコンクリートや傾いた街灯の様子から、震災被害の大きさが実感できますね。
映像と多言語音声(英・中・韓)を通じて、震災被害の全貌を垣間見ることができます。韓国からの旅行者の方が熱心に耳を傾けていました。
神戸ポートタワーの南にある、2017年夏オープンしたばかりの「SO. TABLE KOBE 0330」は、紺と白を基調とした海辺らしい外観が特徴のカフェ。神戸の食材を活かしたイタリア料理が楽しめます。
「スターバックスコーヒー 神戸メリケンパーク店」は、船が出航する様子をモチーフとした店舗です。美しい景色と美味しいコーヒーを楽しんでください。
プラントハンター(※2)西畠清順さんの手がけたボタニカルガーデンが印象的なカフェレストラン、「FISH IN THE FOREST 〜TOOTH TOOTH x そら植物園〜」でひと休みするのもいかがでしょうか?
※2:プラントハンター……植物を求め世界中を探索する人。
日本文化、特に絵画や工芸品が好き。福岡、京都、大阪、ベルギー、アメリカを経て現在は神戸在住。座右の銘は「住めば都」。