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これを見ておけば全てわかる!富士山(吉田ルート)の登山体験記
2013年6月に世界文化遺産に登録された富士山。 今回はそんな富士山に登ってきた筆者が、富士登山についてご紹介します。
2013年6月に世界文化遺産に登録された富士山。
今回はそんな富士山に登ってきた筆者が、富士登山についてご紹介します。
富士山の吉田ルートは、2024年5月より通行予約が必要となりました。吉田ルートを登山される際は、富士山の登山公式HP(日、英語、中文繁体字・簡体字対応)から予約してください。
登山の時期について
富士山の山開きはこれまで7月1日から8月末の2ヶ月間でしたが、2014年から山開きの日と登山期間が下記の通りに変更になりました。
- 山梨県側(吉田口) 7/1~9/14
- 静岡県側(富士宮口・須走口) 7/10〜9/10
富士登山のベストシーズンは梅雨明けの7月20日頃から9月上旬です。週末やお盆は大混雑します(時間帯によっては登山道が大渋滞となり、山頂で日の出を見ようと計画していても、渋滞で進まずに、頂上での日の出を断念したという話も珍しくはありません)。ですので、週末やお盆を避けた平日での登山日程を組んだ方が良いと思います。またこの時期の山小屋は予約でいっぱいのため、ネットでの予約開始(山小屋によって異なる)と同時ぐらいに早めに予約を入れてしまうのが良いでしょう。
登山準備をしましょう
標高の高い富士山は、天候が下界とは全く異なっており、登山準備は少し悩んでしまうかと思います。そんな方は大型スポーツ用品店で見繕ってもらったり、富士登山グッズを専門に取り扱っているネットレンタルショップ等がありますので、そこでワンセットまるごと借りるのも良いと思います。
ここでは筆者が準備していったものをあげておきますので、ご参考までに。
5合目吉田口には数多くのロッカーがありますので、登山後に近くの温泉や宿泊所に寄るための大きな荷物などは預けて行くことができます。
いざ富士登山へ
当日は下記のようなスケジュールを組み、体調や天候を考えながらスタートしました。
10:00〜|5合目から登山開始
↓
17:00〜|8合目山小屋到着、夕食、仮眠
↓
2:00〜|登頂開始
↓
4:30|頂上到着
↓
5:00|ご来光、お鉢巡り
↓
9:30〜|下山
↓
13:00|5合目到着
富士登山には吉田・富士宮・須走・御殿場の4大ルートがあります。今回はその中でも一番人気の吉田ルートから登ることにしました。
5合目からみる富士山の頂上はダッシュして駆け上がれば、すぐにでも到着してしまいそうなほど近くに見えます。しかし、実際はここから7時間ほどかけないと頂上には到達できません。
5合目はひらけており、大勢の登山客が土産を買ったり、食事しながら景色を眺めたり、登山準備運動をしています。実はこの先の6合目まで一般客でも比較的軽装で行くことができます。
6合目からは軽装では登れない本格的な山道が始まります。意識的に深く呼吸を行うよう心がけ、マイペースで登りましょう。鎖だけでガードされている場所もありますので、落石や転落等に気をつけて登ります。
八合目近くからは岩を登るような道が続きます。両脇共にひもや鎖でしかガードされていないので、ストックや手袋をしっかりとつけて安定している岩を選んで登って行くことをおすすめします。
山小屋に宿泊
吉田ルートには山小屋が全部で20件(2014年8月現在)あります。「何合目の○○に宿泊して、夜中○時に出発して、頂上でご来光を拝もう!」などと具体的なプランを立て、そのプランにあった時間配分で無理をせず、山小屋で宿泊することをおすすめします。
筆者は8合目の山小屋「太子館」に17時に到着し、そこで夕飯を食べて仮眠を取り、夜中2時に頂上に向けて出発しました。山小屋ではカップラーメンは700円くらい、500mlのペットボトル飲料は500円くらいが相場です(標高によって異なる)。トイレの使用料は100円というところが多いようですが、200円のところもあります。
また、トイレは有料となっており、バイオトイレ(微生物による分解)や簡易浄化槽等になっています。写真は簡易浄化槽です。このホースで汚物を流すのですが、水の量が限られているため、節水を心がけ、細心の注意を払って利用するようにしてください。
就寝場所はどの山小屋もほとんどがしきりのない2〜3段ベッド式です。混雑時は2畳の広さに3人で寝るような感じです。荷物を置く場所がないので、上にひっかけます。ここではよりコンパクトに動き、就寝することが求められます。
また布団等も湿気が強い場合があり、なおかつ周辺の気温は真夏でも2〜3度とかなり冷え込みますので、カイロやエマージェンシーシートを持って行くと良いでしょう。山小屋1泊の料金は素泊まりで平日なら5,000円〜6,500円。1泊2食付きで7000円〜8500円となっています。ヘトヘトなのに宿泊できないなんてことがないように、事前に予約して行くことをおすすめします。
いざ頂上へ
頂上で日の出を見たい場合は本8合目付近に宿泊の人は午前2時前後に出発するとちょうど良いと思います(週末の場合は頂上付近の渋滞に巻き込まれないためにももう少し早くてもいいかもしれません)。
いろんな場所に道案内やここが何合目であるか等の標識が日・英・中・韓の4言語で表示されています。
山小屋での仮眠後、高山病にかかる方が増えます。高山病になってしまった場合は無理せず深呼吸して休みながらマイペースで活動するようにしてください。また、もし高山病が辛く、8合目付近で日の出を見るとしても、十分綺麗に見えます。その後、頂上に行かずに下山ルートに移動できる道もありますので、ご心配なく。
9合目付近には真夏にも関わらずつららがびっしり。気温も2〜5度です。下界では想像できなかった寒さに襲われ、軽装の者が一気に体調を崩すのもこの付近。防寒着はしっかりと準備していきましょう。頂上にむけての道は比較的楽になります(呼吸がしんどいだけです)。
最後に狛犬と鳥居をくぐると頂上に到着します。すぐに「富士山頂上奥宮」という神社があります。周辺には土産屋や食事処もあります。
しかし、実は本当の富士山頂上は別の場所にあるのです……。
富士山お鉢巡りをしよう
富士山お鉢巡りとは富士山の火口の周りを一周することです。その途中にある「富士山特別地域観測所」が富士山の中でもっとも高い位置にあるのです。ですので、ここまできたら、ぜひお鉢巡りに挑戦しましょう。
お鉢巡りは本当に柵がほとんど設けられていないので、時間をかけて慎重にゆっくりと巡りましょう。
富士山特別地域気象観測所。ここが「富士山本頂上である」という石碑があるので、その前で写真を撮りましょう!その他お鉢巡りの途中には郵便局等もありますので、富士山頂上登山記念に手紙を誰かに出してみてはいかがでしょうか。
下山しましょう
頂上を満喫したら、下山しなければなりません。登ったら、降りなければならないのです。それが登山です。
下山道は岩道等はなく、ひたすら同じ道の繰り返しなので、景色が綺麗じゃないと正直飽きます。音楽を聞きながら下山している登山者も結構います。そして、砂埃がひどいので、絶対にマスクや靴周りをカバーするスパッツを履くようにしてください。下りは3時間半程度で5合目までたどり着けます。
最後に
これが富士山登山(吉田ルート)の大概です。世界中の人や文化との交流、宗教観、自己達成感、見たことのない景色との出会いなどここには書ききれなかった多くのことを富士山登山で経験することができます。ぜひ、これを機に富士山に登ってみませんか?あなたの人生を変えてしまうようなすばらしい経験が待っていますよ。
Information
富士山
住所:静岡県富士宮市富士山
営業時間:24時間
定休日:なし
Wi-Fi環境:なし
クレジットカードの有無と種類:なし
言語対応レベル:日、英、中、韓
他言語メニューの有無:あり
最寄り駅:河口湖駅
アクセス:河口湖駅もしくは富士山駅〜富士五合目までバス(ハイキングバス等)利用
価格帯:入山料(富士山保全協力金)1000円(2014年7月1日(火)~9月14日(日))
宗教情報:なし
電話番号:富士山総合案内(富士山静岡ナビ)054-221-3776
公式HP:富士登山オフィシャルサイト
海に潜ったり、仏像を見たり、世界中を旅するのが大好きな日本人です。特にお気に入りの仏像は奈良県中宮寺の弥勒菩薩です。今年はさらに50体以上の仏像を拝観したいです!