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千葉県最古の銭湯「松の湯」で極上の湯に浸かろう!
近年、東京など大都市ではリニューアルされたきれいな銭湯も増えてきていますが、地方に行けば、まだまだ昔ながらの伝統的な魅力あふれる銭湯が残っています。今回は、千葉県・勝浦にある伝統的な銭湯と、その入浴方法などを紹介します。
今こそ、「地方」の銭湯に入ろう!
銭湯の洗い場
あなたは銭湯に行ったことがありますか?
銭湯とは、町の公衆浴場のこと。近年、東京など大都市ではリニューアルされた、きれいな銭湯も増えてきています。
しかし地方に行けば、昔ながらの伝統的な銭湯文化が息づく、古いけれど魅力あふれる銭湯がまだたくさん残っています。そこでは都市の新しい銭湯とは違い、その地域のローカルな生活が感じられることでしょう。
特に、今回紹介する千葉県・勝浦市の「松の湯」は、港からもほど近く、東京にはあまりないタイプの銭湯。銭湯の中では地元の漁師さんたちが笑顔で言葉を交わし、お風呂から出ると爽やかな潮風が香ります。
そんな勝浦(かつうら)にある伝統的な銭湯「松の湯」の魅力、その入浴方法をご紹介しましょう。
海風薫る港町、勝浦市にある千葉最古の銭湯「松の湯」へ
千葉県勝浦市。
ここは東京から特急で1時間30分、車で2時間ほどの距離にある、海風薫る小さな港町。駅の階段を降りると、港町特有の海の匂いに包まれます。
勝浦市には、千葉県最古といわれる「松の湯」という銭湯があります。
勝浦駅から徒歩10分。400年以上前から続く「勝浦朝市」が開かれる通りからほど近い路地裏に、築100年以上といわれる木造2F建の建物が姿を現します。
ここが銭湯「松の湯」です。早速、入ってみましょう。
松の湯には、入り口が2つあります。玄関向かって左側が男湯、右側が女湯です。
引き戸を開けると……。
そこには、昔ながらの番台(入浴料の受け渡しをする受付)が。長い間、銭湯の歴史を見守り続けてきました。
ここで番頭さんに入浴料を支払います。松の湯の料金は大人410円、子供170円、未就学児童70円(現金のみ)。備えつけのシャンプーなどはないので、気になる方は普段使っているものを持っていきましょう。貸し石鹸や貸しタオル、カミソリなど揃っているので、手ぶらでも大丈夫。
料金を支払い、靴を脱ぐと、そこはすぐ脱衣所です。
木製のロッカー、古い体重計やマッサージチェア、フルーツ牛乳の入った冷蔵庫などがあり、レトロな雰囲気が漂います。
間仕切りや壁などはなく、番台からは丸見えですが、これこそが古い銭湯の特徴。もともと銭湯は上下の身分の別なく、裸の付き合いができる庶民の憩いの場所でした。伝統の息づく松の湯で、その雰囲気を満喫しましょう。
松の湯の脱衣所で服を脱げば、そこにいる誰もが友人です。
服を脱いだら、木でできた古いロッカーに服を入れましょう。
このロッカーも、創業当時から受け継がれてきたもの。鍵はかかりませんので、財布や携帯電話など貴重品は番頭さんに預けるとよいでしょう。
銭湯を楽しもう!
いよいよ入浴ですが、ここで銭湯のルールを再確認しておきます。
1. お湯に入る前に、洗い場で体をきれいに洗いましょう。
2. お湯に入る際には、タオルや手ぬぐいを湯船に入れないようにしましょう。
3. 湯船の中で体を洗ったり、はしゃいだりしないようにしましょう。
この3つさえ覚えておけば大丈夫です。
初めての銭湯は緊張するかもしれませんが、銭湯の本質、つまり、銭湯はお湯に浸かって体を休める場所ということさえ分かっていれば、あまり悩むことはありません。
体を洗ったら、湯船に浸かり、温かいお湯に身を委ねてみましょう。
ここ松の湯のお湯は特別です。毎日薪を燃やして井戸水を沸かし、それを湯船に注いでいるのです。
創業当時から変わらないこの方法は、大変な手間がかかります。薪を用意すること自体大変な作業ですが、薪を適当な大きさに割り、ボイラーで燃やし、常に薪を補給しながら湯加減を調節し、湯を適温に保たなければなりません。
そうして大切に沸かされ、湯船に注がれたお湯は、肌触りがとても柔らかく、ぽかぽかと体の芯から温まります。
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昔ながらの銭湯を体験してみよう!
体が温まり気持ちもほぐれてくると、自然と笑顔になってきます。地元の漁師さんや大学生、近所のおじいさんなど常連客から話しかけられることもしばしば。
ここ勝浦は古い港町。方言を話す方も多く、コミュニケーションについて心配する方もいるかもしれませんが、優しい雰囲気の湯船の中ではみんなが友達。言葉の壁なんて関係ありません。東京の銭湯ではなかなか味わえなくなった、昔ながらの「裸の付き合い」を楽しみましょう!
きれいで新しい銭湯も楽しい体験になりますが、せっかくの機会、地方にある昔ながらの銭湯で、日本の銭湯文化を体験してみませんか。
In cooperation with 松の湯
千葉県勝浦市で市議会議員として活動中。 日本の田舎は少子高齢化などの要因で元気をなくし、悲観的になっています。しかし、まだまだ知られていない様々な「財産」の宝庫でもあります。 地域に根ざす身近な政治家として、故郷である勝浦市はもちろん、日本の田舎が持つ素晴らしい「財産」を、広く世界に向けて発信していきたいと思います!