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日本のことば事典「茶の湯」
訪日旅行客向けに、難しい日本語や日本ならではの用語について解説します。今回は「茶の湯(ちゃのゆ)」。大切な客人が来た時に心をこめて茶を点てることから、お茶を楽しむ週間へと変化しつつある一連の流れについてご紹介します。
「茶の湯(ちゃのゆ)」とは、伝統的な様式で客人に抹茶をふるまうことです。抹茶は茶の新芽を摘んで精製した葉茶を微粉状にしたもので、さわやかな苦味があります。
濃茶と薄茶、どちらがお好き?
抹茶を振る舞うという行為は、現代でも少し堅苦しくとらえられていますが、一方では、伝統を大切にしながらもカジュアルに楽しみたい日本人も増えています。
抜群のロケーションで美味しい抹茶を頂きます!「東京大茶会2014(浜離宮恩賜庭園)」より
畳の部屋がないならテーブルで。正座ができないなら、椅子に腰掛けてもOKという具合に。好みの道具を使って、まず自分自身がお茶を楽しむことから始め、心を込めて迎え入れ、ゲストを楽しませようという考え方です。訪日旅行客の方も、難しいルールは覚えられないと尻込みせずに、茶道を体験する機会があればどうぞ気軽に参加してみてください。
photo by PIXTAより
茶道のお茶には「濃茶(こいちゃ)」と「薄茶(うすちゃ)」の2種類があります。濃茶は濃い緑色のお茶で、少量の湯で練り、数名で回し飲みをします。薄茶は、鮮やかな青緑色のお茶にたっぷりの湯を混ぜ、各自で飲みます。どちらも、季節感あふれる和菓子とともに楽しんでみてはいかがでしょうか。
実際の茶道具を見てみよう
美術的な価値のある茶道具が見学できる美術館は、各地にあります。
東京なら東京国立博物館や根津美術館、五島美術館など。京都なら京都国立博物館、茶道資料館、野村美術館など。その他、静岡のMOA美術館、長野のサンリツ服部美術館、大阪の逸翁(いつおう)美術館、福岡の福岡市美術館なども、茶道具の収集で知られています。常設展だけでなく、企画展も随時開催されていますので、各サイトでご確認ください。
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