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日本のことば事典「ゆるキャラ」
訪日旅行客向けに、難しい日本語や日本ならではの用語について解説します。今回は「ゆるキャラ」。地域の町おこしや企業のPRに一役買っている、着ぐるみのマスコットキャラクターについて説明しています。
ゆるキャラとは「ゆるい(マスコット)キャラクター」を省略した呼び方で、地域や会社などのシンボル的な存在になっているキャラクターのことです。
ゆるキャラの今昔
ゆるキャラという言葉が定着し始めた2004年以前から、警視庁(警察の本部)のピーポくん(下の画像)や、佐藤製薬のサトちゃん(オレンジ色の象のキャラクター)のように、人間の代わりにマスコットキャラクターが交通安全や企業の活動をアピールする手法は、1950年代頃からすでに存在していました。
そして現在のゆるキャラは、地域の観光名所や特産などを宣伝して町おこしに一役買っているご当地ゆるキャラが主流です。企業のマスコットとして活躍するゆるキャラも、地域に根ざした会社であることが多いようです。
いずれもゆるキャラには、動物や人間、もしくは名産品などを擬人化(ぎじんか:人のように動き、人間のように心を持ち合わせていること)した着ぐるみ(人が中に入って動かすぬいぐるみ)が存在します。「ゆるい」ということばに表れているように、ゆるキャラの特徴はその親しみやすさ。イベントごとにゆるキャラたちが登場し、子どもだけでなく大人たちにも愛らしい姿を印象づけています。
代表的なゆるキャラには、2011年に九州新幹線が開通した際に熊本県をアピールする目的で生まれた、熊の「くまモン」などがいます。
ゆるキャラグランプリ
全国的にまだ知られていないゆるキャラの知名度を上げるため、日本一のゆるキャラを決めるコンテスト「ゆるキャラグランプリ」が2011年より毎年開催されています(初代グランプリは、くまモン)。
ゆるキャラグランプリには、石川県の和倉温泉のキャラクターわくたま君、これから人気が出てきそうな各地のゆるキャラたちがエントリーされ、注目を集めています。
ライター兼翻訳者、時にマーケティング調査員の顔も。訪日旅行客向けに東京都内レストランメニューの翻訳データ・ベースの作成や、宿・ホテル情報検索サイトの翻訳も手掛けてきました。旅行と食材研究が趣味です。