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日本のことば事典「駅弁」
全国の駅の売店で販売される「駅弁」。その土地ならではの食材や料理を食べられるとあって、日本では駅弁そのものが旅の楽しみのひとつと考えられています。そんな駅弁の基本情報や、有名で定番の駅弁を紹介します。
旅の楽しみのひとつ「駅弁」
駅弁は、全国各地の鉄道駅構内や列車内で買える手軽なお弁当のことをいいます。旅先でその土地ならではの名産品や特産品の入った駅弁を、美しい景色を眺めながらいただくのは、わくわくする旅の楽しみのひとつです。今回はそんな「駅弁」についてご紹介します。
「駅弁」ってなに?
「駅売り弁当」を略して「駅弁」といいます。1885年に栃木県の宇都宮駅で「おにぎり」にたくあん(漬物)を添えて販売されたのが始まりと言われています。
駅弁はご飯とおかずが基本形。一般的な弁当も販売されていますが、その地方独自の名産品や特産品が詰められているのが「ご当地駅弁」といわれるものです。海が近い地域の駅であれば、イカやアナゴなどの海鮮を使った弁当や、寿司などが販売されています。他にも地域銘柄の肉(豚・牛・鶏)を使った弁当があり、価格も500~1,200円程度でお手頃です。
駅弁はどこで買えるの?
駅によっても異なりますが、駅構内でさまざまな種類のものを並べて販売しているのが一般的です。内容を色々見比べて、どれにしようか迷うのも楽しみですね。
以前は、多くがこのようにホーム上にカートや台を置いて、その上に駅弁やお茶を並べて販売員が手売りしていました。ただし近年は、コンビニ弁当の登場や駅構内の飲食店の増加によりこうした販売形式はめったにみられなくなりました。
駅弁は包装や容器が面白い!
例えば「横濱ピラフ」(神奈川県 横浜駅ほかで販売)です。横浜には有名な中華街があるので、ピラフや焼売入りの駅弁があり、包装にも横浜を代表する観光地の横浜税関記念館や神奈川県庁が描かれています。
「モー太郎弁当」(三重県 松坂駅ほかで販売)。インパクトある容器ですね。ご飯の上に松坂名物の牛肉(すき焼き)がたっぷりのっています。フタを開けると日本の童謡「ふるさと」のメロディーが流れるという珍しい駅弁です。
他にも、熊本県の人気キャラクター「くまモン」が描かれた「くまもとあか牛ランチBOX」、昔話「桃太郎」をモチーフにした岡山駅の「桃太郎の祭ずし」など、本当に種類が豊富です。
人気駅弁にはどんなものがあるの?
日本には全国津々浦々、本当に数えきれないほどの駅弁があります。また、人気駅弁ランキングもよく行われます。
ここでは人気の定着した駅弁をご紹介しましょう。
あなご弁当(広島県 宮島口駅)、ひっぱりだこ飯(兵庫県 明石駅)、えび千両ちらし(新潟県 新潟駅)、いかめし(北海道 函館本線 森駅)、ますのすし(富山県 富山駅)などなど、また食べたいロングセラーがいっぱいです。
駅弁は日本の文化です!
それぞれに工夫され、どれもこれも食べてみたくなる全国各地の駅弁は、世界に誇る「日本の食文化」。百貨店でも折々「駅弁フェア」が開催される人気ぶりです。
日本を旅するならぜひ、その土地の風景や空気感と一緒に、各地の美味しい駅弁を楽しんでみてくださいね!!
東京駅には駅弁専門店があります
日本全国各地の有名な駅弁の他に、オリジナルも加えて170種以上を取り揃えてあるという「駅弁屋 祭」はJR東京駅の改札内にあり、大勢の旅行客で賑わいを見せています。一堂に会するにぎやかな駅弁のまさにお祭り、見るだけでも楽しいこと請け合いです。こちらにも、足を延ばしてみてください!
日本への訪日外国人の方が、もっと増えますように!