CEC日記【京都】西陣織産業を支える職人技と科学技術3選
皆さん、はじめまして! CECメンバーの瀬戸口瑛(Akira Setoguchi)です。 「CEC日記」では、私たちCECメンバーが実際に見て聞いて感じた、京都の魅力満載スポットなどをご紹介させていただきます。 旅の計画のお役に立てれば幸いです。 今回は、京都の伝統”西陣織”産業を支える職人技と科学技術を3つご紹介します!
1.職人技「勘染め」
「勘染め」をご存知でしょうか?糸を染める際に、仕上がりの色を予測しながら職人さん自身の感覚で糸を染めることをいいます。感覚で染める・・・?我々素人にはまったく想像が尽きませんが、糸を傷付けないために糸染めの工程はすべて職人技で行っています。染色を完全に機械で管理してしまうとかえって時間がかかってしまうそうです。“湿った”糸の“乾燥”後の仕上がりを予測しながら染め上げる。まさに神業です。
見本と見比べながら行う糸染めの工程を見学しました。
勘染めの技
2.科学技術「精練釜」
「精練」とは金属の製錬とは異なる漢字を書きます。聞きなれないですね。「精練」は糸の表面に付着している不純物やたんぱく質を取り除くことによって、糸をしっとりとした仕上がりにするための工程のことをいいます。大型の釜から小型の釜を100℃以上に熱することができる圧力釜など、様々な種類の釜がありその光景は圧巻でした。
精練を行う専用釜
3.職人技と科学技術の融合「手機」
「手機」とは、ジャガードと呼ばれる機械を使いながら、職人さんの手で織る技術のことをいいます。ジャガードはフランスで発明され、明治時代に日本に伝わった装置です。私も初めてこのことを知りましたが、フランスの技術が日本の伝統工芸品を支えているのがというのもなかなか面白いですね。ジャガードによって経糸を自動制御しつつ、図面をもとに職人さんが横糸を一つ一つ通して織上げていきます。ものによっては経糸が3,000本以上にもなる西陣織。これらの経糸をジャガードに制御させることによってより複雑なデザインをより早く織ることができるようになったそうです。しかし、完全に機械で織りあげるより、職人さんの手で織り上げた織物は軽く、着心地の良いものに仕上がるそうです。最終的には職人さんの技がなければ西陣織は成り立たないということです!
手機によって織られた能衣装を見ることができます。
今回は西陣の伝統の技をご紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか。ぜひ、西陣を訪れていただき、職人さんたちの技に出会っていただきたいと思います。
みなさんの旅が素敵な体験でいっぱいになりますように。
企画協力|まいまい京都
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