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明治5年から続く冬の風物詩「二十四日市」
旧暦では、正月用品を売る歳の市として、12月24日に開かれていましたが、明治の初め頃から1月に開かれるようになりました。 市(いち)の形態も時代とともにかわってきましたが、今でも高山の近郊の農家で冬の手仕事として作られたひのきがさ、むしろ、しょうけ、おけなどが売られています。
江名子ばんどり
江名子バンドリは、江戸時代から江名子町の農家で製作された雨具の一種である。地元の伝承や江戸時代の国学者田中大秀(おおひで)によると、江戸時代に江名子で源十郎焼(げんじゅうろうやき)の窯を営んだ加藤源十郎が、江名子の農民にバンドリの製作技法を伝えたといわれている。藁(ワラ)とシナの樹皮を使って編み上げるバンドリは昔から農家の副業として作られてきたが、需要が大幅に減り、作れる人がほとんどいなくなった。現在、藤井新吉氏ただ1人二十四日市に売りに出すなどの目的で製作している。地元上江名子史跡保存会は製作技法の伝承と伝統の保存のため、江名子バンドリ保存会を組織し、過去に作っていた人、作ったことがある人が集まり記録保存と製作技法の勉強会を開いている。江名子バンドリは民俗資料として重要であり製品としての形も良く、製作技法の伝承が地元によってなされている。
宮傘
宮笠は、特産の白地のひのきや赤身のいちいのい木を薄く削り細長く切ったものを、竹を骨組に一筋ずつ丹念に編み込んで作るこの笠は、宮の伝統工芸です。
江戸中期頃に始まって、今日まで作り伝えられ、観光客の日笠や土産物として多く利用されています。
熟練した職人たちの造り上げた笠は実用にも優れており、日笠、雨笠に使用のほか、お部屋などの装飾にもなります。
人の手でこつこつと作り出されたこの笠は、木の香がほのかに漂い木の持つ温かさが感じられます。
小屋名しょうけ
高山市久々野町の北東部に位置する小屋名区で伝承される”小屋名しょうけ”と呼ばれるざるづくりの技術。
野菜の水きり、米上げに使用する「ざる」で、古くから飛騨人に親しまれてきました。正式には「升受(しょううけ)」と呼ばれていたものが訛り「しょうけ」となったと伝えられています。形は底と胴が一体となった浅い楕円形のもので、口のある「片口しょうけ」と口のない「丸じょうけ」に分けられ、用途によって様々な大きさがあります。材料はスズタケ、マタタビ、ツタウルシが使われ、スズタケは細く割り、ツタウルシを火で炙って輪にした芯に丁寧に編みこんでいきます。
飛騨山脈(北アルプス)に代表される雄大な自然に囲まれ、江戸時代の面影を残す古い町並や、春と秋の高山祭など、歴史と伝統文化が息づく町「飛騨高山」。飛騨高山温泉や奥飛騨温泉郷などの温泉と、飛騨牛や日本酒などのグルメも充実しています。 特に春と秋に行われる高山祭は絢爛豪華な屋台(山車)を中心に、精巧な動きをみせるからくり人形や絵巻物の再現のような祭行列が特徴で、国内外より多くの方々が見物に訪れます。 東京からは約6時間、大阪からは約4時間の道のりです。周囲には白川郷や上高地、金沢など日本有数の観光地があり、飛騨高山を中心として様々な土地へ訪れることができます。 欧米型のホテルや伝統的な旅館、家庭的な民宿や長期滞在に向いたホステルなど、さまざまなタイプの宿泊施設が混在しており、利用者の需要に応えられるキャパシティがあります。 自然・歴史・伝統・文化・美食、様々な分野に携わる飛騨の人々は素朴で温かく、訪れる人々を心からもてなします。