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金沢市「尾山神社」〜和・漢・洋が融合した魅惑の神社〜
北陸の小京都とも呼ばれている石川県金沢市にある金沢尾山神社。大河ドラマにも取り上げられた前田利家を祀っている神社で、和漢洋3つの様式を融合させたユニークな神社、尾山神社ついて説明しています。
北の小京都・石川県金沢市
石川県金沢市には北陸の小京都という呼び名があります。京都と同じくらい古い町並みや文化が残っている、金沢市だからこそつけられた呼び名です。
そんな石川県や金沢市の礎が築かれたのは、江戸時代のこと。当時の石川県は加賀藩と呼ばれ、前田家によって統治されていました。加賀前田家の初代当主が前田利家です。
金沢市内には、前田利家および加賀藩の精神を記念するため建立された尾山神社があります。和漢折衷でありながら洋式の風格も備えた、特徴的な神社である尾山神社を紹介します。
まずは前田利家について解説
新しい物好きであった前田利家は、当時まだまだ未発展だった金沢を開発し、現在の金沢の経済や文化、教育などの基礎を固めました。
現在もっとも知られているのは、利家とその妻・松の物語。2002年には2人を主役とする歴史ドラマ『利家とまつ』が放送さたほどで、2人の仲睦まじさを伝えるエピソードは、現在まで語り継がれています。ドラマは高視聴率を獲得しただけではなく、金沢の知名度も飛躍的に上げました。
尾山神社の4つの見所
尾山神社は金沢市最大の繁華街・香林坊の近くにあります。尾山神社の前身は前田一族を祀っていた卯辰(うたつ)八幡宮で、1873年に今の場所へ移りました。今回は尾山神社の魅力的なスポットを回ってみましょう。
見所1.和洋折衷 尾山神社神門
尾山神社には普通の神社と異なり、日本式と西洋のスタイルが融合した門があります。
オランダ人によって設計された門で、レンガと木材の3層構造で建造されました。もっとも特徴的なのは第3層に作られた西洋のステンドグラスです。最上部には日本最古の避雷針が設置されています。
神門が建てられた明治時代は、日本に西洋文化が流れ込んできた時代。愛媛県の道後温泉や石川県の山代温泉古総湯など、当時の建築物の多くにはステンドグラスが採用されていいます。
尾山神社の神門は、それらの建物と比べてもさらにユニーク。健在にレンガと木材の両方を採用した、和洋折衷の不思議な建築物なのです。
神門に施された彫刻にも注目してください。これは前田家の紋章である「梅」を表しています。
夕方以降に訪れる方は、日没後のライトアップもぜひご覧になってください。優しい光がステンドグラスを通り、見る者を魅惑的に照らします。普通の神社では得られない体験です。
見所2.和漢の融合 尾山神社本殿
神門を抜けると、すぐに目に飛び込んでくるのが、和漢折衷の神社本殿です。本殿の屋根には中国の伝統的な建築様式が採用されており、ひとつの建築物の中に日本と中国、2つの国の要素が混ざり合っています。
本殿の中で祀られているのが、加賀藩の創設者である前田利家です。
見所3.金鯰尾兜
神社内では至る所に前田利家を記念する彫刻や置物を目にすることが出来ます。
要ェックなのが、こちらの金色の兜。金鯰尾と呼ばれる、昔前田利家が使っていたものと同じモデルの兜です。霊力を持つと考えられていた鯰の尾をデザインしており、金沢市の特産である金箔が施されています。
妻・お松の彫刻も前田利家像とそう遠くない場所に置かれています。出兵する旦那を静かに見守る姿を描いているそうです。
見所4.東神門
尾山神社の後方にある東神門は、もともともと金沢城に備え付けられていたものです。東神門を通れば、前田一族がかつて暮らした金沢城遺跡へ行くことが出来ます。
尾山神社は、和・漢・洋の3つの様式が融合している珍しい神社。新しいもの好きの前田利家らしい神社と言えるかもしれませんね。
金沢市にやって来たら、尾山神社にも足を伸ばしてみてください。きっと前田利家も喜んでくれるに違いありません!
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