旅の準備はじめよう
レンタサイクル「まちのり」で巡る金沢のモデルルートをご紹介!
金沢市の「まちのり」はレンタサイクルをシェアするサービスです。安くて使いやすいレンタサイクルで、市内の観光名所を巡るオリジナルの旅を楽しみましょう。
石川県の県庁所在地である金沢市は、北陸地方文化の中心地。歴史的な街並みや工芸品といった有形・無形の文化遺産も受け継がれており、現代的でグローバル化されながらも歴史と伝統が息づく都市です。
では、どうやって金沢市の観光スポットを巡るかというと……
金沢市の公共交通機関はバスとタクシーで、地下鉄はありません。旅の予算にもよりますが、タクシーが便利なことは確かでしょう。時折混雑することはあっても、バスも頼りになります。もちろん徒歩で巡ることもできます。
でも、もっと便利に、安く、混雑も関係なしに観光地巡りを楽しみたい! そんな方にオススメなのが、金沢市の自転車をシェアするシステム、「まちのり」です。
レンタサイクル「まちのり」の利用方法
「まちのり」は金沢市が提供しているレンタサイクルをシェアするシステムです。貸出・返却拠点のサイクルポートは21カ所(公式サイト参照)で、市の中心部や主な観光名所の近くにあります。
自転車のカゴに入っている地図には、すべてのサイクルポートとその近くにある観光名所が記されています。英語、中国語、韓国語版の地図はまちのりのホームページ、事務局、またはサイクルポートでも手に入れることが可能です。
ICカードやクレジットカードを使えば、どのサイクルポートでも自転車を借りることができます。取材時はタッチパネルでクレジットカードを利用して200円支払い、パスコードを受け取りました。これで一日分のアクセス権が手に入り、自転車をサイクルポートから借りることができます。「まちのり」のシステムは以下の通り。とても簡単です。
1. 自転車をサイクルポートから借りる。
2. 目的地まで乗っていく。
3. 目的地に到着したら近くのサイクルポートに返却する。
追加料金なしで利用するにはプランニングが大切!
自転車をサイクルポートから借りて30分以内に返却すれば、追加料金は発生しません。言い換えると、自転車の利用時間を30分以内に抑えれば追加料金はなし、ということです。
利用時間が30分を超えると、30分ごとに200円ずつ料金が加算されます。21カ所あるサイクルポートの場所を考慮して計画を立てたので、料金は200円だけで済みました。これはかなりお得です。
「まちのり」で金沢を探検しよう!金沢観光モデルルート
金沢駅からスタート
多くの観光客が利用する金沢駅を今回は出発地にしました。金沢駅に着いたら、まずコインロッカーに荷物を預けましょう。それから東口近くにあるサイクルポートに向かってください。
自転車での市内巡りに出かける前に、高くそびえるもてなしドームや、日本の伝統的な太鼓である鼓を思わせる駅前の鼓門を見ることも忘れないように。
まずはひがし茶屋街を散策
金沢駅を出発して近江町市場を過ぎ、江戸時代には商人たちが暮らしていた尾張町を通って浅野川を渡ると、ひがし茶屋街に到着します。金沢の茶屋街では最大の規模です。
保存された街並みの石畳と出格子からは古い江戸時代の魅力が伝わってきます。大通りのお店をのぞいた後、狭い路地も探検してみました。
早めに休憩することにして、醤油味のソフトクリームをいただきました。おいしい!
お次は兼六園へ
まちのりの自転車は三段変速式ですが、坂を上るのは少し大変。金沢で最も人気のある観光名所の一つ、兼六園に向かう際には気をつけてください。
兼六園は坂の上にあり、その途中にはおみやげ屋さんが並んでいるので、お店をのぞきながら自転車を押して坂を上るのもよいでしょう。兼六園の造営工事は江戸時代初期に始まり、今日では日本三名園の一つに挙げられています。
金沢城もあわせて見学しよう
兼六園の桂坂口の真向かいには金沢城と金沢城公園へと通じる石川門があります。金沢城は江戸時代、金沢を治めていた前田家によって隣接する兼六園とともに建設されました。当時は兼六園に入れるのは城の住人のみだったそうです。
城のあとは、金沢21世紀美術館でアート鑑賞を
丘の上の金沢城を後にして、金沢21世紀美術館にやってきました。2004年に開館したこの美術館は、世界中から集められた現代美術作品を展示しています。
ソーシャルメディアのハッシュタグによれば、「スイミング・プール」という作品によって有名となったそうです。天気の良い日であれば、屋外でも様々な作品を楽しむことができます。この日には、遠足で訪れた生徒たちが屋外展示の作品を見て喜んでいました。
こちらがその「スイミング・プール」という作品。ご覧のとおり、盛況でした。
最後に訪れたのは侍の町である長町
にぎやかな香林坊や様々なお店が並ぶ片町を経て、最後に石畳に覆われた静かな長町地区を訪れました。江戸時代には当時の支配階級である侍が住んでいた街です。土壁や古風な門、路地や水路のたたずまいからは往時の雰囲気が伝わってきます。
おわりに
最後のサイクルポートに向かいながら、一日の旅を振り返り、寄り道をしたり、初めて見るものに出会えたのも「まちのり」のレンタサイクルだったからということに気づきました。
「まちのり」はコンパクトな金沢の観光地を巡るには最適の方法です。多くの人々に交じって主要な観光名所を訪れたり、短時間ではあっても自分だけの場所で静かに過ごしたりと、様々な楽しみ方ができました。
金沢の古書店
金沢を訪れた際には、是非「まちのり」を利用して自転車で市内を巡ってみてください。もちろん交通規則はきちんと守りましょう! 楽しい旅を!
Born in 1959. Currently working as a freelance translator, after 21 years in various companies.