碧南: 白しょうゆ発祥の地で味わう美食の愉しさ

淡い色合いと独特の甘みが特徴の白醤油は、塩辛い料理にもデザートにもぴったりです。白醤油発祥の地である碧南市で、その独特の風味を体験し、日本屈指の料理をご堪能ください
愛知県(英語ではNagoya)の南に位置し、三河湾を臨む碧南市は、豊かな食文化の歴史を持つ醸造業が盛んな町です。特に、白醤油と白だしの発祥地であり、三河みりん発祥の醸造元である九重味淋もあります。これらの発酵調味料は、日本料理に欠かせない重要な役割を果たしています。
ぜひ、碧南への食の旅に出かけて、これらのユニークな製品がどのように料理の味を美味しく変化させるのかを、学んで、味わってみてください。
- 目次
- 1.ありがとうの里: 知られざる日本料理の奥義を発見する
- 2.アンファンス:白醤油を使った絶品デザートをお試しください
- 3. 小伴天: 名古屋名物「鰻の炭焼き」 - その極上のひつまぶしを堪能しましょう
- 4. 金原酒店:お土産探しに最適な、飲料、お菓子、手作り商品などをご用意しています。
- 5.九重味淋: 日本料理の隠し味、「みりん」を使った絶品デザート
- アクセス:碧南への行き方
1.ありがとうの里: 知られざる日本料理の奥義を発見する

碧南の食文化を堪能する旅は、七福醸造が運営する「ありがとうの里」からスタートしましょう。1950年に創業した七福醸造は、白醤油と白だしを製造する元祖であり、現在では白醤油で有機JAS認定を取得している唯一のメーカーです。
醤油は大豆と小麦を発酵してつくりますが、白醤油の主な特徴は、その原料の配分比です。一般的な醤油は、大豆と小麦の比率が約半々ですが、白醤油は主に小麦を使い、大豆は少量しか使用しません。このため、白醤油は淡い色と高い糖度という特徴があり、料理で使う他の素材の自然な風味を引き立たせることができます。
白だしは、有機白醤油と、希少な本枯れ鰹節、国産干し椎茸(肉厚どんこ)、北海道産昆布などの厳選素材からとっただしをブレンドして作る繊細な和風だし醤油です。この万能だしは、味噌汁、玉子焼き、煮物など、さまざまな和食のベースとして使用できます。
七福醸造は、白だしを初めて開発したことに誇りを持っており、厳選された素材と徹底した品質管理により、卓越した品質を維持しています。

七福醸造の工場「ありがとうの里」の魅力的な蔵元ツアーで、白醤油と白だしの製造について、学んでみませんか。職人の技を見学し、歴史的な展示物を探索し、設備を直接ご覧ください。ツアーのハイライトは試食会で、七福醸造の特製調味料でさらに美味しくなった、あっさりとしたスープ、ふわふわの卵焼き、パリパリの漬物などをお楽しみいただけます。

七福醸造のショップで同社の製品を購入すれば、ご家庭でもこれらの料理の美味しさを再現することができます。ベジタリアン向けの「野菜白だし」、卵焼き専用のだし入りつゆ「今日も玉子焼き♪」、白醤油を使ったユニークなお菓子などがあります。
2.アンファンス:白醤油を使った絶品デザートをお試しください

アンファンスは、名古屋、東京、千葉で修業を積み、地元に戻ったパティシエが創り出す魅力的な菓子店です。このお店では、手作りのケーキ、プリン、焼き菓子など、豊富な品揃えが特徴です。
近年、アンファンスは、白醤油や八丁味噌など地元の食材を使った斬新なデザートで人気を集めています。ぜひ試していただきたいのは、白醤油の風味がユニークなデザート「白醤油プリン」(370円)です。オリジナルのプリンと食べ比べをしてみてはいかがでしょうか。

アンファンスの「白醤油プリン」は衝撃的!驚くほどなめらかな舌触りと、白しょうゆの繊細な塩気とうまみが絶妙なバランスで、プリンの伝統的な甘さを美しく引き立てています。

プリンは当日中に新鮮な状態で食べるのが一番おいしいので、ナイトステイのお供にいかがでしょうか?アンファンスでは、持ち運びにも適した焼き菓子も豊富に取り揃えています。定番のマドレーヌのほか、白醤油や八丁味噌を使ったユニークなバリエーションもあり、碧南の味をお土産として持ち帰ることができます。
白醤油のマドレーヌは、コーヒーや紅茶とよく合う、楽しいおやつです。八丁味噌のマドレーヌは、深い香りと豊かな風味で、満足感のあるエネルギー補給を提供します。
ぜひ、ゆっくりとアンファンスの革新的なスイーツをご覧ください。そして、アンファンスがどんな風に発酵食品を日常的なお菓子に創造的に取り入れているかを体験ください。
3. 小伴天: 名古屋名物「鰻の炭焼き」 - その極上のひつまぶしを堪能しましょう

ランチには、創業100年を誇る碧南の洗練された日本料理専門店、小伴天(こばんてん)をお試しください。三河湾の海の幸、地元の野菜、みりん、醤油、味噌などの発酵調味料などの地元の食材にこだわって、料理に取り入れています。
地元を離れ修業を積んだシェフが、定番メニューに季節限定メニューを加え、訪れるたびに新鮮な料理体験をお楽しみいただけます。
愛知名物として、炭火で焼いたうなぎ料理「炭焼きひつまぶし」(4,400円)を、ぜひお試しください。この料理では、様々な食べ方で、うなぎを楽しむことが出来ます。
わさびを載せてシンプルにいただく、ご飯と混ぜる、あられと抹茶をまぶしていただくお茶漬け、ネギや好きな薬味と一緒にいただくなど、それぞれの組み合わせで、うなぎの異なる味わいを楽しめることは、愛知の豊かな体験となるでしょう。

あるいは、碧南ならではの味を楽しめる小伴天の季節限定メニューを試してみてはいかがでしょうか。2025年春の訪問時には、八丁味噌フォンデュを楽しみました。八丁味噌は、愛知県産のプレミアムな大豆味噌で、その深い香りや濃厚な舌触りで知られています。八丁味噌は、お味噌汁や煮込みうどんのような日常使いから、特別な日を彩る豪華な料理にまで、幅広く活用されています。

八丁味噌の特別な地位を理解すれば、小伴天のフォンデュの素晴らしさが明らかになります。このユニークなメニューでは、温かく濃厚な八丁味噌ソースで野菜、揚げ物、うなぎを味わうことができます。カカオマス、マスタード、パルメザンチーズなど、風味を変化させる7種類の独創的なトッピングで、さらに美味しさを引き立ててください。この素晴らしい料理は、碧南市の豊かな食文化を象徴しています。
碧南中央駅から徒歩圏内にある小伴天は、碧南市を訪れる際にはぜひ立ち寄りたい場所です。
碧南市作塚町にある小伴天 はなれ「日本料理 一灯」は、小伴天の兄弟店になります。
4. 金原酒店:お土産探しに最適な、飲料、お菓子、手作り商品などをご用意しています。

小判天から歩いてすぐの場所にある金原酒店は、お酒や地元の特産品を販売するお店で、バーカウンターを設置して、碧南を盛り上げています。
金原酒店では、購入前に試飲することを推奨しており、広々とした店内には、豊富な品揃えの商品を試飲できるスペースがあります。その品揃えには、日本全国から集められた約400種類もの日本酒をはじめ、焼酎、ワイン、ビール、その他の日本のお酒が含まれています。 金原酒店では、お酒を酒屋で飲む伝統的な「角打ち」の文化を取り入れ、愛知でこのスタイル文化を復活させ、普及させることを目指しています。

金原酒店は、ただの酒屋ではありません。碧南の名産品の宝庫です。お土産に最適な厳選された地元の特産品を発見してください。碧南に5つしかない全ての味淋蔵のみりん、白醤油、白だしなどの調理に欠かせない調味料や、地元のおやつや酒の肴など、厳選された品揃えです。

オリジナル商品には、Tシャツ、キャップ、バッジ、ステッカー、リサイクル生地を使用したユニークな前掛けなどがあり、碧南を訪れた思い出を楽しくスタイリッシュに持ち帰ることができます。
美味しいお酒がお好きな方は、金原酒店でお酒を味わいながら、お土産に最適なボトルを見つけてください。お酒を飲めない方には地域の独特な味を楽しめるスナックの宝庫となるでしょう。
5.九重味淋: 日本料理の隠し味、「みりん」を使った絶品デザート

1772年創業の歴史ある九重味淋(みりん)の工場を訪れて、食の旅を締めくくりましょう。日本料理に欠かせない調味料である三河みりんの発祥の地である九重味淋では、この重要な食材の真髄に触れることができます。
みりんは、もち米、米麹、焼酎(蒸留酒)を混ぜ合わせて糖化熟成させることで作られる甘味調味料です。この調味料は、ソース、マリネ、照り焼きソース、煮込み料理などに、お米から生まれる繊細な甘み、つややかな照り、豊かな風味を加えます。

九重味淋工場見学ツアーで、みりんの秘密と豊かな碧南の伝統を発見してください。知識豊富なツアーガイドが、楽しくコミュニケーションを取りながら、日本料理への理解を一変させるような、みりんが持つ素晴らしい特性を教えてくれます。
江戸時代の三河地域の地図が展示された歴史展示室では、みりんの文化的重要性についての貴重な洞察を得ることができます。また、九重味淋には築300年を超える蔵があり、黒壁の歴史的な木造建築は、水運で栄えた時代の面影を物語っています。

画像提供:九重味淋
九重味淋を存分に味わうなら、みりんが持つ風味を高める力が、どの料理にも活かされている「レストラン&カフェ K庵」がおすすめです。満足感のあるランチメニューには、もろみ漬けの焼き魚や野菜料理が用意されています。

みりんの甘さを感じられるプリン・アイスクリーム、みりん粕を使ったユニークなチーズケーキなど、素晴らしいデザートメニューをお見逃しなく。みりんの魔法は、その変化にあります。沸騰によりアルコール分が蒸発し、カラメルのようなソースが残り、自然な甘さと素晴らしい香りが生まれます。デザートが素晴らしい料理に変身するのです。
K庵の味淋デザートは、碧南の食の旅の完璧なフィナーレです。日本料理への新たな理解と、自宅で味醂を使ったレシピを試してみたいという気持ちを抱いて帰ることでしょう。九重味淋のウェブサイトでレシピを探し、碧南の味で料理の腕を磨きましょう。
アクセス:碧南への行き方
碧南地区へはセントレア空港から約1時間21分でアクセスできます。第1ターミナルから刈谷駅行きのリムジンバスに乗り、名鉄三河線に乗り換えて碧南中央駅で下車します。
名古屋駅からは、JR東海道本線で岡崎行きで刈谷駅に向かい、名鉄三河線に乗り換えて碧南駅まで行けます。(碧南中央駅は碧南駅の隣の駅。北新川駅は碧南駅の2つ手前の駅になります)この旅程で紹介するすべての場所は、最寄り駅から徒歩圏内、またはタクシーで短時間で行ける距離にあります。
碧南には壮大な観光スポットがあるわけではありませんが、食の宝庫です。食通の方や本格的な日本料理をお探しの方にとって、碧南は必見の場所であり、人生を変えるような素晴らしい食体験をお約束します。
和食の美味しさの決め手に欠かせないのが発酵食品。恵まれた自然環境によって独自の文化を育んできた名古屋の発酵食品の魅力をたっぷり、ご紹介いたします。