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【東京都】アクセス情報から離島グルメまで、小笠原「母島」の基本情報
小笠原諸島は東京都心から1000も離れた場所にある、ユネスコ世界自然遺産に登録された離島です。小笠原の玄関口である父島から、さらに50ほど南にある島が母島です。今回は母島へのアクセス、宿泊、グルメ情報などをご紹介します。
東京都心から1000kmほどの場所にある小笠原諸島。その玄関口の父島(ちちじま)からさらにフェリーで50㎞ほど南に行くと母島(ははじま)という有人島があります。母島は面積20平方kmの南北に長い島で、約500人の島民が暮らしています。亜熱帯気候に属し、固有種をはじめとした樹々が生繁る静かな島です。今回は、アクセス方法や母島の自然やグルメ、母島に滞在する際の注意事項をご紹介します。
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母島へのアクセス方法
母島へ行くには、東京・竹芝(たけしば)から「おがさわら丸」に乗船し24時間かけて父島へ行きます。それから、父島・二見港(ふたみこう)から「ははじま丸」に乗船し、約2時間で母島に到着します。「ははじま丸」はおがさわら丸の発着に連動し、父島と母島を週に3~4便の頻度で運行されています。ははじま丸の運航日は小笠原汽船のHPから確認してください。
ははじま丸は事前予約制ではないので、乗船当日に父島・二見港にある「ははじま丸船客待合所」の窓口で乗船券を購入します。運賃は毎月変動するため乗船日が決まったらHPで確認してください。
小笠原二見港船客待合所周辺のおすすめホテル
船内には和室の共有スペースとイス席があり、好きな場所を利用できます。
ははじま丸は別名「ホエールライナー」と呼ばれていて、その航行中にクジラが見られることでも有名です。居室の外には潮風の気持ちよいデッキスペースもあります。今回乗船した際も、雨上がりには半円の2重の虹が太平洋にかかっており、幸せな気持ちで景色を眺めました。
到着したらまずは母島の観光情報をゲット
母島に到着すると港の向かいに船の待合所があります。館内には「小笠原母島観光協会」のカウンターが設置されていて、観光パンフレットや島内で出会える動植物の情報が収集できます。
母島の珍しい生き物たち
母島は父島よりも動植物の固有種が多く、特に父島で絶滅してしまった多くのマイマイ(カタツムリ)が生存しています。土のある場所では頻繁に見かけるので、足で踏みつけないように気を付けてください。
母島周辺の海を飛び回る海鳥の「カツオドリ」や小笠原固有のアカガシラカラスバトなど野鳥の多さも目を見張るものがあります。
写真提供:小笠原観光局
母島にしか生息していない「ハハジマメグロ」は山間部だけでなく集落の道端でも飛び回っています。国の特別天然記念物に指定されていて、絶滅危惧種として保護されている貴重な野鳥です。
母島はウミガメの里でもあり、太平洋で大きく育った母亀が春から初夏にかけて産卵をしにきます。ダイブステーション母島では保護した卵を孵化させて、毎年8月ごろにウミガメの赤ちゃんを海に放流しています。
母島に泊りがけで滞在する際は……
母島は父島よりも人口が少ない静かな島です。宿泊施設も民宿やペンションタイプのみで、その数は限られています。予約無しでは泊まれないため、事前に宿泊場所を確保してから訪れましょう。
母島には商店が3つあり飲み物やお酒、パンやカップ麺などが売られています。商店は夕方6時頃には閉まるので、飲料水など夜間に必要なものは早めに購入しておきましょう。
クレジットカードが使える宿やお店は非常に限られています。また、JA東京島しょ小笠原母島店にATMはありますが、日本国外で発行されたカードが利用できないため、滞在中に必要な現金を持参し入島してください。
母島の素朴なローカルグルメ
母島の飲食店は4店舗と少ないので、朝食と夕食は宿の食事を利用する人が多いです。ですが、せっかくなのでランチは母島の自然の恵みを生かしたグルメを楽しみたいもの。
ビーチに面した「クラブノア母島」の名物「島魚のそぼろ丼」は、島で採れた魚をほぐして醤油で味付けした素朴な味でご飯がすすみます。大漁寿司では小笠原の郷土料理「島寿司」が食べられます。
おわりに
母島は父島よりも静かで穏やかな小さな島です。最先端の文明からは遠のいて少し不便に感じることもありますが、だからこそ自然の中でゆったりした時間を過ごすことができます。夜明けともに起きて自分の足で歩き、土地の物を食べる。母島では心身ともにリフレッシュできますよ! 小笠原に訪れた際には父島からフェリーに乗って母島まで足をのばしてみてはいかがですか?
新潟生まれ。事業会社でのマーケティングを経験後、2011年からシンガポールへ移住し、出版社や制作会社で編集に従事。2015年に日本へ帰国しMATCHAのライターに。国内外を旅行する中で見つけた新しい発見を、多くの人とシェアしていきたいです。