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【島根県】桜も雪も!四季折々の美しさを楽しめる「松江城」
日本の西、山陰地方に位置する島根県にある松江城は、江戸時代の姿を今に伝える貴重な建物です。2015年には日本の国宝にも指定されました。四季折々の美しい姿を楽しめることでも有名で、春には桜に映える天守閣の姿を、冬には雪で白く染まった城の姿を楽しむことができます。また船で川下りをしながら城を眺めるのも、松江城ならではの楽しみ方。松江城の歴史、見どころ、季節のイベントなどをご紹介します。
国宝・松江城の歴史
写真提供:松江観光協会
松江城とは、日本の中国地方にある、島根県松江市にある城のこと。正面から見た姿が、千鳥(ちどり)という小鳥が羽を広げた姿に似ているため、別名「千鳥城」とも呼ばれています。
松江城は、江戸時代に松江藩を管轄していた藩主堀尾吉晴(ほりおよしはる)が建てた城で、1611年に落成しました。江戸時代が終わり明治時代になると、松江城の建物は次々に取り壊されましたが、天守閣だけは有志により買い取られて保存され、今日に至っています。
松江城は1950年に重要文化財に指定され、更に、2015年7月8日には国宝に指定されました。
京都・大阪から松江城への行き方
京都・大阪方面から松江城へ行く場合は、JR山陽新幹線で岡山駅まで行き、岡山駅でJR山陰本線の特急八雲(出雲市行き)に乗車し、松江駅で下車します。所要時間は約3時間30分~4時間。料金は片道11,000~12,000円前後です。
松江駅からはレイクラインバスに乗車し、松江城の「大手前」停留所で下車します。所要時間は10分ほどです。
松江城の開館時間と入場料
松江城は年中無休ですが、営業時間が季節によって変わります。
春・夏(4月~9月)は8:30~18:30、秋・冬(10月~3月) は8:30~17:00です。ただし、最終入場時間が閉館の30前までなので注意が必要です。
入場料は、大人560円、子ども280円です。
国宝・松江城の見どころ
360度の眺望を誇る天守閣
写真提供:松江観光協会
松江城の見どころは、何といっても国宝に選ばれたその城の造りです。
天守閣の最上階は望楼式(ぼうろうしき)と呼ばれる、四方を手すりで囲んだ壁のない造り。展望台、また司令塔として、城の周りが360度見渡せるように造られています。とても見晴らしがよく、晴れた日には松江市を一望することができますよ。
城の基礎となる石垣は、大きな石を内側に積み、その隙間を小さな石で固める「牛蒡(ごぼう)積み」という手法で作られています。この石垣は堅牢で、これまで一度も崩れたことがないと言われています。
また、松江城の天守閣の屋根の端に置かれている鯱鉾(しゃちほこ)は、木彫りに銅を張った造り。2m以上もの大きさがあり、日本最大の木彫の鯱鉾です。
復元された3つの櫓も見どころ
写真提供:松江観光協会
松江城の二の丸には、5つの櫓がありましたが、明治初期にその全てが取り壊されてしまいました。しかし、2001年、そのうちの3つの櫓「太鼓櫓」、「中櫓」、「南櫓」が復元され、昔の美しい姿を取り戻しています。
松江城の春の桜イベント「お城まつり」
写真提供:松江観光協会
松江城は「日本さくら名所100選」に選ばれており、3月下旬から4月中旬にかけて「お城まつり」が開かれます。
松江城の敷地内には、ソメイヨシノ、ヤエザクラ、シダレザクラなど約200本の桜の木が植えられており、毎年この時期には多くの観光客が訪れます。
祭りの催し物としては、昔をしのばせる武者行列、ユーモラスな安来節(やすきぶし)コンクールなどが開かれ、また、メインステージではコンサートなどが行われます。また、本丸花見茶屋や桜餅の実演販売などの出店もいくつか出されます。
夜には、ライトアップされるので、夜空に映える松江城と桜を楽しむことができます。
松江城を船から眺める「堀川めぐり」
写真提供:松江観光協会
松江城とその周辺の地域には堀がめぐらされています。この堀川を遊覧船でめぐり、松江城や付近の自然、そして街の様子などを船の上から楽しむことができる、「堀川めぐり」と呼ばれる船があります。
この堀川は松江城が落成した1611年に、同時に完成したもので、全長3.7kmあり、途中17か所に橋が架けられています。この17の橋の内、4つの橋は船が通るのに十分な高さがないため、通過時には、船の屋根が低くなるようにアレンジされています。
乗り場は「ふれあい広場」、「大手前広場」、「カラコロ広場」の3か所で、どの乗り場からでも乗ることができます。所要時間は約50分で、15分間隔で出発しています。
写真提供:松江観光協会
松江は冬にはよく雪が降るので、雪で白く染まった城を眺めることもできます。「堀川めぐり」の船は冬でも運航しており、雪が降っても居心地よく遊覧できるよう、船内にはこたつが取付けられています。あたたかいこたつに入りながらの川下りは、日本でもなかなか出会えない貴重な体験となるでしょう。
松江城を訪れる際は、天守から街を眺めたり、川下りをしながら船から城を見上げたりと、様々な角度からお城を楽しんでみてはいかがでしょうか。