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島根で行きたいスポット10選・アクセス・グルメなど
出雲大社や松江の城下町など、歴史的スポットが満載の島根県。玉造・温泉津などの温泉もあるうえ、宍道湖や隠岐諸島の景色も魅力的です。島根県で行きたいスポットや、東京・大阪からのアクセス、ご当地グルメなどをまとめました。
- 島根県で行きたいスポット
島根は日本の西側、中国地方にある県です。
日本人が島根と聞いてまず思い浮かべるのは「出雲大社(いずもたいしゃ)」でしょう。
日本全国の神々が集まる神社として昔から信仰され、今は縁結び(※1)のスポットとしても知られています。島根の中心地・松江は古い町並みが残る城下町。多くの日本画と日本庭園が見られる「足立美術館」や、日本一のシジミ貝の漁獲量を誇る宍道湖(しんじこ)もあります。
松江近くでは玉造(たまつくり)、温泉津(ゆのつ)などの温泉街でゆっくりすることもできます。県内では、スズキなどの海の幸、出雲そば、しまね和牛、日本酒とおいしいグルメも豊富。
船に乗って行く隠岐(おき)諸島の島後(どうご)では、日本海の荒波が作った断崖絶壁や美しい夕日など風景を楽しむこともできます。
日本の歴史的建造物と文化、自然を楽しめる島根。ぜひ行きたいスポットを紹介します。
※1:縁結び(えんむすび)……人と人、特に男女の運命や関係をつなぐこと
1. "日本中の神が集まる"出雲大社に行こう
神楽殿 Photo by Pixta
太陰暦の10月(太陽暦の11月ごろ)になると日本中の神々が集まるという伝説のある「出雲大社(いずもたいしゃ)」。1744年設営の本殿は24メートルの高さですが、伝説では96メートルとさらに巨大だったとか(通常、本殿に入ることはできません)。舞が奉納される「神楽殿(かぐらでん)」の大きなしめ縄も、長さ約13メートル重さ5.2トンと日本最大級。
日本の神社では「二礼二拍手一礼(2回おじぎ、2回手を打つ、最後にもう1回おじぎ)」という参拝方法が一般的ですが、出雲大社では「二礼四拍手一礼」という特別なルールで参拝します。
割子 Photo by Pixta
出雲では、薬味を入れてつゆを直接かけて食べる「出雲そば」が有名。一般的な日本のそばと比べ見た目が黒っぽいのが特徴です。赤く丸い器に入った冷たい「割子(わりご)」と温かい「釜揚げそば」の2種類があります。
出雲大社周辺の複数の飲食店で提供されているので、こちらもぜひ試してみましょう。
2.日本庭園と日本画・陶芸1,500点の足立美術館へ
「【島根県】15年連続第1位!!日本一の庭園をもつ「足立美術館」の見どころ」より
「足立美術館」は、日本の芸術に触れられる美術館。日本画の巨匠・横山大観(よこやまたいかん)の120点を超える作品をはじめ、陶芸家・河井寛次郎(かわいかんじろう)、北大路魯山人(きたおおじろさんじん)の名作など、約1,500点を所蔵しています。
ミシュラングリーンガイドで3つ星、アメリカの専門誌『The Journal of Japanese Gardening』の日本庭園ランキングで16年連続1位を獲得した、美しい庭園も必見です。
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3.お堀巡りもできる松江城
Photo by Pixta
島根の中心地・松江のシンボルといえば「松江城」です。今から400年以上前に築城され、1935年に日本の国宝に指定されました。桜の名所としても知られ、春には約200本の桜の花が咲き誇ります。
城を囲むお堀を小舟で周遊するツアーも人気で、冬には珍しいこたつ(※2)船も登場します。
※2:こたつ……床や畳の上に置かれたローテーブルの天板の下から電気の熱が出ているものに、布団をかぶせた暖房器具
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4.塩見縄手の街並、小泉八雲記念館のある松江
Photo by Pixta
松江城の周辺には、塩見縄手(しおみなわて)と呼ばれる昔ながらの城下町が広がります。江戸時代の武士たちが住んだという古い建物が残る街並みが見どころです。
近くには、松江で一時期を過ごしたイギリス人作家・小泉八雲(こいずやくも、本名・ラフカディオ・ハーン)の記念館も。ハーンは日本の幽霊や妖怪を題材にした『怪談』などの作品で知られ、「小泉八雲記念館」には彼が愛用した衣服や小物が展示されています。
5. 世界遺産にも登録された石見銀山周辺
Photo by Pixta
16~17世紀ごろ、世界の銀の生産の3分の1を日本が占め、その銀の多くが「石見銀山(いわみぎんざん)」で生産されたものだったといわれています。
当時、銀はアジアとヨーロッパの交易に欠かせないものでした。世界の交易への貢献や、周囲の豊かな自然が評価され、2007年に石見銀山遺跡や鉱山町など14の資産がユネスコ世界遺産に登録。
Photo by Pixta
現地では、銀採掘の資料を集めた「石見銀山世界遺産センター」、ノミで採掘を行った跡がそのまま残る坑道「龍源寺間歩(りゅうげんじまぶ)」などの観光スポットがあります。
「石見銀山世界遺産センター」では、400年以上前に日本で流通した銀貨・丁銀(ちょうぎん)のキーホルダー作りも体験できます(素材は銀ではなく、すず・ビスマスの合金)。
6.レトロな温泉街・温泉津
Photo by Pixta
玉造温泉と同じく約1300年近い歴史があるとされる温泉地・温泉津(ゆのつ)は、石見銀山の一角に位置し、湯治場(とうじば ※3)として昔から評判があります。
日本人にとっては昔懐かしい、100年近く前の大正時代の面影を残す温泉街です。「元湯(もとゆ)」「薬師湯(やくしゆ)」の2軒の共同浴場があり、日帰り入浴が可能です。
近隣には、薬師湯の旧館をリノベーションした「震湯カフェ内蔵丞(しんゆカフェ くらのじょう)」が。ノスタルジックな館内とおいしいコーヒーで、入浴後ひと息つくのにぴったりのカフェです。
※3:湯治(とうじ)……湯に入ることで病気・症状を和らげようとすること。湯治場とは、湯治を目的に長期滞留する温泉地。
7.夕日が美しい宍道湖
Photo by Pixta
松江からすぐ、日本で7番目に大きい湖・宍道湖(しんじこ)は夕日の名所。夕日を楽しむために整備されたスポット「とるぱ」からは、宍道湖を象徴する嫁ヶ島(よめがしま)が目の前に見えます。
少し歩くと、写真スポットの「袖師地蔵(そでしじぞう)」が。ここから地蔵と嫁ヶ島、夕日の3つを一緒に写真に写すのが人気です。
Photo by Pixta
東岸の「島根県立美術館」では夕日を見ながら食事が可能。入場無料のエントランスロビーは湖に面して全面ガラス張りになっており、ソファに座りながら夕日を眺めることができます。
宍道湖は淡水と海水が混ざりあう汽水湖(きすいこ)のため、魚の種類が豊富。なかでもスズキ、モロゲエビ、ウナギ、アマサギ、シジミ、コイ、シラウオの7つの魚介類は「宍道湖七珍(しんじこしっちん)」と呼ばれます。
これらの魚を使った寿司や海鮮丼を松江の和食店で食べることができます。
8.日本最古の湯のひとつ、玉造温泉
Photo by Pixta
1300年前の書物に記録があり、日本最古の温泉のひとつといわれる「玉造(たまつくり)温泉」。湯の成分は美肌に効果があるとされています。
足をつけてゆっくりできる足湯が温泉街のなかにいくつかあるので、服を脱がなくても気軽に温泉が楽しめます。ゆっくりとお湯を楽しみたい人には宿泊がオススメ。「玉井別館」(1泊10,000円〜)や「ホテル玉泉」(1泊10,000円〜)など温泉つきの宿泊施設が複数あるので利用してみましょう。
願いが叶うとされるパワーストーンのある「玉作湯神社(たまつくりゆじんじゃ)」、美肌にご利益のあるとされる「清厳寺(せいがんじ)」などの観光スポットも、温泉街から徒歩30分ほどのところにあります。
9.潜伏キリシタンの史跡が残る、津和野
Photo by Pixta
城下町としての白壁の古い町並みや文化が残る津和野(つわの)。町の中心部の殿町通り(とのまちどおり)は、武家屋敷やカトリック教会など歴史的建造物が多くあります。
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津和野は1800年代、長崎で弾圧された潜伏キリシタンが流刑され殉教した地としても知られています。津和野駅の裏手の乙女峠には、聖母マリアと36人の殉教者のために建てられた「乙女峠マリア聖堂」などの史跡も。
松江から津和野へのアクセスは限られています。隣の山口県のJR新山口から電車で行くか、東京・大阪方面から長距離バスで移動したほうがよいでしょう。
10.ローソク島が有名、隠岐・島後
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「隠岐(おき)諸島」は島根県の北方にあり、大小約180の島で構成される群島。一番大きな隠岐の島町が島後(どうご)と呼ばれています。景観の美しさや独自の生態系から、島後を含む諸島の一部がユネスコ世界ジオパークに認定されました。
島後では、日本海の荒波に削られてできた断崖と、迫力のある海の景観が楽しめます。いちばん有名なのは、島後の北西にある奇岩「ローソク島」。呼び名の由来は、島に夕日が重なった姿がろうそくに見えることから。
観光タクシーを利用して、島でもっとも古い「玉若酢命神社」や絶景が望める「那久岬」といった島の観光スポットをまわるのもオススメです。
観光タクシー:http://www.oki-minato.co.jp/service2.html
15,900円〜(車種、スポットによって異なる)
島根のグルメ:海の幸、しまね和牛、日本酒
Photo by Pixta
日本海に面し、豊かな自然もある島根県では、海の幸も山の幸もおいしいと評判です。現地では、宍道湖や日本海でとれた海産物を使った海鮮丼・寿司を試してみましょう。玉造温泉の「若竹寿し」はボリュームたっぷりの海鮮丼がいただけることで知られます。
また、島根の自然の中で丁寧に育てられたしまね牛は、 風味豊かな旨さをもつのが特徴。出雲近辺では「焼肉まんまる」「焼肉の藤増」などのお店でいただけます。
日本でも最大級の神社・出雲大社があり神事に使われることもあって、島根は日本酒発祥の地という説も。「王祿 (おうろく)」「丈径 (たけみち)」など日本酒の種類も多くあります。
松江へのアクセス
Photo by Pixta
東京や大阪から島根へは、まず飛行機で「出雲空港(出雲縁結び空港)」まで向かいます。出雲空港からは空港連絡バスでJR松江駅まで行きます。
羽田から出雲空港までは約85分、大阪の伊丹空港から出雲空港までは約45分。出雲空港からJR松江駅まで約30分で、料金は大人1,030円、子ども520円です。
空港連絡バス:https://www.ichibata.co.jp/taxi-matsue/shuttle/
隠岐の島町へのアクセス
離島の隠岐まで行くときは、飛行機やフェリーを利用しましょう。飛行機の場合、出雲空港から隠岐世界ジオパーク空港まで30分で、料金は8,000円〜です。
フェリーの場合、JR松江駅からバス・電車で15~30分の境港・七類(しちるい)港に行き、フェリーで2時間30分ほどかけて西郷港へ向かいます。フェリーの料金は1名3,240円〜です。
松江のホテル
観光の拠点には、やはり県の中心地である松江エリアへの宿泊がオススメ。
「松江ニューアーバンホテル」(1泊7,100円〜)や「ホテル一畑」(1泊6,900円~)、「なにわ一水」(1泊8000円~)などのビジネスホテルがあります。
いずれもJR松江駅からタクシーで10分ほどの位置にあります。
まとめ
出雲大社だけでなく、宍道湖や城下町の景色も魅力的で、玉造・温泉津などの温泉、海産物と楽しみがいっぱいの島根。
今回ピックアップした情報を参考にしながら旅行を楽しんでください。
Main image by Pixta
Web編集者・マーケッター。屋号は「TOG-GLE(トグル)」。秋田県生まれ。ベネッセコーポレーション、ゲーム会社を経て通信会社でカルチャーマガジンを立ち上げ編集長に。現在は関西在住。得意分野はインタビュー、メディアの立ち上げ・改善、お片付け、健康、禅、文学、漫画、映画、教育、日本史、デザインなど。