大自然に癒やされる!離島・隠岐諸島で過ごす3日間のリトリート
日本海に浮かぶ隠岐諸島。フェリーや飛行機でしか行けませんが、世界でも有数の稀少で美しい景観と、見渡す限り輝く海を満喫できます。日頃のストレスから解放され、隠岐と島前の島々でゆっくりとした生活に浸りましょう。
自然を満喫!隠岐諸島で過ごす3日間の旅行プラン
島根県沖にある日本の隠岐諸島は、世界でもっとも豊かな自然がある観光地の1つです。中でも、島前(どうぜん)は、特に訪れて欲しい場所。岩場の多い地形にクリスタルブルーの海、美しい夕日、そして魅力的な村があなたを迎えてくれます。
島前にはコンビニはありません。この島には生活において必要最低限な設備しかなく、東京や大都市の騒々しい雰囲気とはまったく違います。このシンプルな考え方と島の魅力、そして美しい自然とが結びつき、現代社会の便利さや快適さから少しだけ、距離をとることができます。
ここは、母なる自然によって日常生活のストレスから解放される場所。できることなら、島の魅力を存分に味わうためには3日以上の滞在がオススメ。この記事では、隠岐で自然を満喫する3日間のプラン、アクセス情報を紹介します。
目次
- 1. 隠岐諸島とは?
- 2. 隠岐諸島への行き方
- 3. 1日目:迫力がある海岸線をトレッキング!島の夕日を見よう
- 4. 2日目:雄大な国賀海岸を探索
- 5. 3日目:海士町での文化活動
- 6. ルートまとめ、費用
隠岐諸島とは?
隠岐諸島は約600万年前の火山活動によってできたとされ、島後、島前のほかに、約180の小さな無人島、そして多くの無人島によって成り立つ島。面積、人口ともに最大の島が島後です。続いて、中ノ島、知夫里島(ちぶりじま)、西ノ島の3島からなる島前があります。これらは島根県の一部で、日本海に位置しています。
島前・島後、ほとんどすべての隠岐諸島が隠岐ユネスコ世界ジオパークに含まれます。島特有の地形であるカルデラ(※)や、大地の成り立ちなど、貴重で美しい自然を感じられるため、毎年世界中から観光客が訪れます。
隠岐諸島の自然は和歌にも詠まれています。1200年代、隠岐に流された後鳥羽上皇は、隠岐で感じたこと、島で見たことを歌に詠みました。現在でも中ノ島では全国的な短歌のコンテストが開催されています。
※:カルデラ……火山の噴火によって火口付近が崩れ、大きく丸くへこんだ場所。
隠岐諸島への行き方
島と島の間はフェリーで移動します
観光客は、フェリーまたは飛行機を使って隠岐諸島に行くことができます。島根県の七類港(しちるいこう)や鳥取県の境港からのフェリーが便利です。隠岐諸島の目的地によりますが、所要時間は2時間〜2時間半。
島後には隠岐世界ジオパーク空港があり、大阪の伊丹空港(片道55分)と島根の出雲縁結び空港から毎日直行便(1日1便)が運行しています。出雲縁結び空港での乗り継ぎ便(羽田空港、福岡空港、名古屋の小牧空港から)も1日1便、定期便が出ています。
島後から島前に行くには、西郷港からフェリーに乗ってください。島前の目的地にもよりますが、約1時間ほどで行けます。島前内の島を移動するときには、「フェリーどうぜん」(車両の乗船可能)または「いそかぜ」(車両不可)に乗ってください。島が近いので所要時間は短く、料金は300円。英語で書かれた案内書が各フェリーターミナルにあり、近くにある観光協会には英語を話せるスタッフもいますよ。
1日目:迫力ある海岸線をトレッキング!島の夕日を見よう
さて、初日は、本島〜島前への旅です。島内でもっとも面積・人口が少ない知夫里島、あるいは知夫村からスタート。
まずは赤壁と呼ばれる鮮やかな赤い断崖と、赤ハゲ山からの絶景を目指します。午後には、中ノ島または海士町(あまちょう)に移動してホテルにチェックイン、そのままゆっくり夜を過ごす1日です。
9:30 - フェリーで知夫里島へ
それでは一緒に出かけましょう!
知夫里島へは、島根県・松江の七類港から、9:30発「フェリーくにが」に乗ります。チケットの料金は席によって異なります。多くの人は二等席(スタンダードタイプ)に座っていますが、予算が合えばよりよい座席や個室もありますよ。
知夫里島のフェリーターミナル・来居港(くりいこう)まで、所要時間は約2時間です。
フェリーに乗っている間は、読書や、穏やかな波に身を任せてお昼寝タイムもいいですね。
ストレスなく島を探索するには、観光タクシーに乗ってください(国際運転免許証を持っている人はレンタカーもあります)。11:30頃に到着した後は、フェリー乗り場のビルの隣にある知夫里島観光案内所を訪ねてみましょう。英語対応が可能です。
※:タクシー、レンタカーは事前の予約をオススメします。予約についてなど詳細は公式HPをご覧ください。
11:45 - 知夫里島ならではの料理を食べよう
知夫里島の来居港エリア Photo by Pixta
目的地までの行き方が決まったら、まずは腹ごなし。港の近くにある魅力的な日本料理店、ダイニングカフェ DONA(民宿なかはま) では、味噌汁、島のおいしい海鮮がセットになった定食が食べられます。あるいは「ホテル知夫の里」の隣にある「レストハウス神島」もオススメ。隠岐名物のサザエを使った「ちぶりサザエ天丼」がいただけます。
12:30 - 赤壁と赤ハゲ山をハイキング
おいしい食事の後は、赤ハゲ山と赤壁(赤い岩肌)へ。息を呑むような大自然を満喫しましょう!
Photo by Pixta
途中、牛や馬が道路に現れるかもしれませんが、遠くから見るだけで近づかないように注意してください。
赤ハゲ山は、知夫里島でもっとも高い山(325メートル、1,066フィート)で、来居港から車で20分ほどで到着します。展望台から見えるのは、日本海、島前のカルデラ、そして周囲を囲む緑と海……360度のすばらしいパノラマビューです。
近くにある赤壁は、鮮やかな赤い岩がむき出しになった崖。溶岩からできた、知夫里島のシンボルです。この赤壁が、目の覚めるような青色の海、周囲の柔らかな緑の草と絶妙なコントラストを作り出します。海風と太陽の光を感じながら、この絶壁を楽しみましょう。自然によって作られたこの楽園で、好きなだけゆっくりしてください。
見事な赤ハゲ山と赤壁を見た後は、2つ目の島前「中ノ島」(「海士町」または「海士」と呼ばれます)へ行き、ホテルにチェックイン。
行き方はこの通り。まずは観光タクシーで知夫村に戻ります。そこから来居港までシャトルバスで行き、15:00発のフェリーいそかぜに乗船。海士町の菱浦港で降ります(300円、約37分)。
15:45 - マリンポートホテル海士にチェックイン
海士町に到着後、マリンポートホテル海士にチェックインしましょう。フェリーターミナルに隣接した、優雅な海辺のホテルです(英語対応も可)。地元の食材を使った料理や地域情報、アウトドア体験など、海士町の魅力が堪能できます。ゆったりとした和室と洋室のお部屋からは、海が一望!
チェックイン後はお部屋で休めますが、周辺を散策するのも楽しいもの。近くのレインボービーチ(夏は海水浴ができます)を歩いたり、海士町観光協会で自転車も借りられます。釣りも面白いかもしれません。釣った魚はホテルで調理してもらえ、夕食で食べられますよ。
マリンポートホテル海士 公式HP:https://www.oki-ama.com/
海に沈む夕焼けを眺めて、懐石料理を
中ノ島の夕景(写真はホテルからの景色ではありません)
ホテルの部屋からは、太陽が海に沈むにつれて、温かな色に滲んでゆく夕焼けが見られます(日の入り時刻はホテルのスタッフにお尋ねください)。
日が暮れたら、日本の伝統的なコース料理・懐石料理をいただきます。島で水揚げされた魚や隠岐牛、島の野菜など、隠岐の季節の食材が使われており、なかなかいただけない新鮮で本格的な料理が目白押し。
焼酎から高級なお酒までさまざまな隠岐のお酒も揃っているので、ゆっくり食事を楽しみたいときや特別な席など、場面に応じて自分にぴったりのひとときを過ごせます。
2日目:雄大な国賀海岸を探索
さて、2日目は、もう一度島をわたって国賀海岸で有名な西ノ島へ。ハイキングした後、夜の神社巡りはいかがでしょう。海士町をさらに探索する1日です。
8:00 - 朝食を食べて西ノ島へ
2日目の朝はホテルで、おいしい島の食材を使った朝食を。コーヒーを飲みながら海の景色を眺める、そんな静かな朝を過ごせます。外出前には、服装も要チェック。強い日差しや天候の急変から身を守るため、長袖と長ズボンを着ることをオススメします。喉が渇いたとき用にペットボトルの水や飲み物も持参しましょう。
ホテルのある菱浦港から、9:00発のフェリーどうぜんで西ノ島の別府港へ。乗船料金は300円、たったの15分程度で到着します。
西ノ島に着いたら、西ノ島町観光協会(英語対応可能)でレンタサイクルを借り、国賀海岸まで行きます。約40分かかりますので、電動自転車がオススメ。レンタカーや観光タクシーもありますので、料金を確認してそちらにしてもいいでしょう。
10:00 - 海風を感じながらハイキング
国賀海岸の駐車場に自転車を停めたら、ちょっとしたハイキングを楽しみます。国賀海岸の遊歩道には、通天橋や、垂直に切り立つ日本一高い崖の1つ・摩天崖など、いくつかの有名な絶景スポットが。
知夫里島と同じように、野生の美しい馬や牛が近くで見られます。刺激しないよう、静かに眺めましょう。
Photo by Pixta
こちらの写真は通天橋と呼ばれる奇岩。海の侵食によって造り出された見事な天然の橋で、むき出しの岩も色彩豊か。起伏に富んだ海岸の景色と、エメラルドに輝く海に、しばし見とれてしまいます。
いつまでも眺めていたいところですが、そろそろ昼食の時間です。駐車場に戻り、お昼ご飯へと向かいましょう。
12:00 - 浦郷港で漁師ご飯にトライ
昼食にオススメしたいのが、浦郷港近くのローカルな食堂・にしわき鮮魚店。こちらの刺身定食は近海でとれる魚やシーフードなど新鮮な食材を使っており、隠岐の日常の味をいただくことができますよ。
14:00 - 西ノ島コミュニティ図書館でコーヒーを飲みつつリラックス
お腹を満たしたら、港から国賀海岸方面へ約30分のサイクリング。西ノ島コミュニティ図書館で休憩をとりましょう。この図書館は、誰でも利用できるコミュニティスペースになっており、レトロで趣ある建物。コーヒーなど飲み物を楽しめるので、これまでの旅を振り返ったり、残りの旅行の計画を立てたりしましょう。もちろん、ゆったりリラックスするのもいいですね。
15:00までに港に戻り、海士町の菱浦港までフェリーに乗りましょう。15:30発のフェリーいそかぜは片道300円、所要時間はたったの7分です。
16:00 - 海士町でゆったりしたひとときを
釣りスポット
穏やかな島の雰囲気を味わいながら、午後の残りの時間を過ごしましょう。釣り、サイクリング、ウォーキングなど、初日にはできなかったことをやってみて、海士町ならではの風景に浸るのがオススメです。
夕食は、隠岐の食材がたっぷり楽しめるバーベキューをセレクト。新鮮でおいしい魚や魚介類、野菜を堪能でき、1日の疲れも吹っ飛びます。
20:00 - 夜の隠岐神社に参拝
2日目の夜は、地元の有名な神社、隠岐神社で特別な参拝を。芸術的才能に恵まれた、後鳥羽上皇を祀る神社です。暗闇の中、神秘的な雰囲気が漂います。
3日目:海士町での文化活動
いよいよ旅も最終日。島前での最後は、隠岐諸島の魅力をさらに伝えてくれる自然や文化活動で締めくくりましょう。島を離れる際には、フレンドリーな地元の人たちの見送りも!
9:30 - 海中展望とサイクリング
ホテルのチェックアウト後は、港の近くにあるキンニャモニャセンターで島のアクティビティについて訊いてみましょう。クルーズから、カヤック、郷土料理体験や魚釣りなど、さまざまなアウトドアや文化活動が行われています。
特にオススメなのが、海中展望船あまんぼう。ガラス越しに海を一望でき、海面に飛び出している3つの巨大な岩・三郎岩や海草、海の生き物などを見られます。ボートは静かに水中を進み、海の世界を間近に感じられます。
海中展望を楽しんだ後は、自転車に乗って、海士町の他のエリアを探索しましょう。
中でも、明屋海岸と北分大橋は穴場の景勝地。自転車に乗るとさわやかな海風が心地よく、明屋海岸沿いや橋沿いの海辺の小道は、華やかな赤やエメラルドがとてもきれいです。また、宇受賀命神社は、田畑の中に参道がある魅力的な神社。写真を忘れずに撮りましょう。
最後の昼食は、港に戻って島の特産品・隠岐牛を味わいましょう。隠岐諸島で生まれ育った最高級の牛肉です。隠岐牛店は、港とインフォメーションセンターのすぐ隣にあり、おいしい隠岐牛をいただける店。ごはんと焼き肉の定食(写真)や、丼もオススメです。
15:15 - 隠岐諸島とお別れ
残念ながら、どんなに楽しい旅行でも終わりがあります。フェリーターミナルに向かい、再訪への願いを込めながら海士町と隠岐諸島に別れを告げましょう。
15:15発のフェリーで島根の七類港に戻ります。フェリーが船着き場から離れる際には、地元の人々が色とりどりの紙テープを持って、心温まる見送りをしてくれます。隠岐諸島にまた訪れたくなる、特別な体験になりますよ。
島前でお気に入りの場所を見つけよう
この記事で紹介した、島前エリアの息を呑むような自然は、隠岐諸島の一部分にすぎません。都会の喧騒から遠く離れた海士町、知夫村、西ノ島をぜひみなさんの旅行リストに入れて、訪れてくださいね。
ルートまとめ:
七類港 → 知夫里島・来居港 → 赤ハゲ山・赤壁 → 来居港 → 菱浦港・海士町(中ノ島) → マリンポートホテル海士 → 別府港・西ノ島 → 国賀海岸 → 浦郷港 → 別府港 → 菱浦港 → マリンポートホテル海士 → 隠岐神社 → マリンポートホテル海士 → 海中展望船あまんぼう → 明屋海岸、北分大橋・宇受賀命神社 → 菱浦港 → 七類港
費用:
宿泊費……マリンポートホテル海士:約15,000円(1泊2日。部屋や時期によって異なる)
交通費……七類港から島前(往復):約7,000円、観光タクシー:約10,000円、島間のフェリー移動:900円、レンタサイクル:2,000円
食事……約10,000円
アクティビティ……海中展望船あまんぼう:2,000円
海士町と島前についてもっと知りたい方はこちら: https://oki-ama.org/ (日本語のみ)
隠岐諸島についてもっと知りたい方はこちら: http://www.travel-oki-islands.net/ (英語)
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Written by Jasmine Ortlieb
Sponsored by Shima Factory, Ama Town Tourism Association
Main image by Pixta