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伝統的な日本の宿「旅館」とは?~予算やマナー、宿泊にオススメの観光地まとめ~
「旅館(りょかん)」は日本の伝統的な宿泊施設のひとつです。畳の部屋に見た目も豪華な和食、浴衣のルームウェアや温泉など、訪日客の方にとって、日本を味わうにはうってつけの宿泊施設です。この記事では、そんな旅館の魅力や、宿泊料金やマナーについて紹介しています。
伝統的なライフスタイルが体験できる「旅館」
旅館は、日本の伝統的な宿泊施設。歴史ある日本家屋の建物が旅館となっていることが多く、温泉のある観光地でよく見られます。
施設内も日本ならではの様式がとられ、日本文化を体験するのにぴったり。本記事は旅館に泊まってみたいけれど、一体どんなところなの? という方に向けて、旅館の特徴や利用方法などを紹介します。
平均宿泊料
旅館の宿泊料は、1人あたりの平均が15,000円程度です。明治時代から続く歴史ある旅館や高級旅館などでは、1泊50,000円ほどすることもありますが、リーズナブルな料金で泊まれる旅館もあるので、予算に合わせた場所を選びましょう。
ビジネスホテルに比べると高く感じますが、旅館ではその分、豪華な食事や丁寧なサービス(おもてなし)があります。
旅館ってどんなところ?
昔の日本の部屋が体験できる
Picture courtesy of 銀山荘
一般的なホテルとの違いは、客室。畳(たたみ)や障子(しょうじ)、床の間などが設けられ、昔の日本人の住居のような空間で過ごすことができます。
部屋には脚の短いテーブル、背もたれだけがついた「座椅子(ざいす)」が用意されています。座椅子には座布団が敷かれているので、部屋でくつろぐときは座布団に座りましょう。窓辺に椅子が用意されていることもあります。
寝具も日本式。布団を畳の上に敷いて眠るところがほとんどです。場所によってはベッドのある部屋も用意されているので、ベッドを希望の場合は予約時に確認してみてください。
ほかテレビやコンセント、湯沸かしポットなど、宿泊に必要なものは一通り揃っています。しかし山奥の旅館ではWi-Fiが用意されていないところも。泊まる前に公式HPで確認しておくと安心です。
日本式のおもてなしが感じられる
Photo by Pixta
旅館ではスタッフ(仲居)が積極的にお客さんとコミュニケーションをとり、お客さんのニーズに応えようとしてくれます。そのため、至れり尽せりのサービスを受けたい、という人にオススメです。
部屋着の浴衣が体験できる
Photo by Pixta
ルームウェアの代わりに、浴衣が宿泊人数分置いてあります。ホテルのルームウェアとは異なり、浴衣を着て旅館の周りを散歩したり、浴衣のまま夕食を食べても大丈夫。ただし旅館によってルールが異なるので、心配な時は仲居さんに確認しておきましょう。
「【長野県】スノーモンキーに会える! レトロな渋温泉〜アクセスと日帰り温泉、旅館情報など〜」より(Picture courtesy of 長野県観光機構)
日本の温泉地に行くと、温泉施設や飲食店、おみやげ店などが立ち並ぶ温泉街があるところもあります。到着したら浴衣を着て、温泉街を散策してみてくださいね。
その地域ならではの和食が食べられる
旅館の滞在は1泊2食付きがベーシックです。豪華な食事は旅館の楽しみの1つ。夕食は御膳(※1)と呼ばれる、その土地で採れた野菜や魚、肉を使った料理が5〜10種類ほど味わえます。
料理はそれぞれ上品な器に盛られて出てくるので、味はもちろん目でも楽しめるようになっています。
※1:御膳(ごぜん)……食事の丁寧な言葉。一般的にはレストランなどで、料理が5〜10種類ほど味わえる豪華な和食のメニューのことをいう。
Photo by Pixta
プランによっては仲居さんが夕食を各部屋に運び、ご飯やお茶を提供してくれることもあります。
旅館の朝食は、ご飯、味噌汁、漬物、焼き魚、卵焼きなどがついた伝統的な日本スタイルの場合が多いです。スタッフがひとりひとりに食事を運んでくれるため、ゆったりと食事の時間を過ごせます。
泊まる際に気を付けたい旅館のルール・マナー
photo by Pixta
日本式の宿泊施設である旅館に泊まるにあたり、気をつけた方がよいルール・マナーがあります。
1.到着が遅れる場合は必ず連絡する
旅館によっては到着時刻に出迎えてくれたり、到着時刻に合わせた夕食の準備を行ってくれていたりしています。チェックインの時間が遅れる場合は事前に連絡を入れておきましょう。
2.靴は入り口で脱ぐ
旅館の玄関では靴を脱ぎます。宿泊客用のスリッパが置いてあるので、靴を脱いだらスリッパに履き替えましょう。靴はそのままで大丈夫です。
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3.スーツケースの置き場所に注意
キャスター付きのスーツケースで旅行中の方は注意。畳の上でキャスターを転がすと、畳を傷つけてしまうのでやめましょう。また、床の間は日本で神聖な場所として扱われています。そのため床の間に荷物を置くのも避けましょう。
荷物は床の間から離れた場所か、入り口近くに置いておくと無難です。心配な場合は仲居さんに聞いてみてください。
4.トイレは和式のこともある
最近では洋式のトイレが増えているようですが、まれに和式のトイレもあります。そのため、和式トイレの使い方を知っておく必要があります。
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5.チェックアウト時に部屋を確認
客室を出る際、脱いだ浴衣は軽くたたんでおきましょう。タオルは畳の上にそのまま置かず、タオル掛けか洗面所などの濡れても大丈夫な場所置いておきます。なお、布団は仲居さんが片づけてくれるので、そのままで大丈夫です。
温泉旅館に泊まって温泉も楽しもう!
「草津温泉完全ガイドーアクセス、宿、グルメなど見どころ紹介!」より(Picture courtesy of 望雲)
温泉旅館に泊まると、大浴場や露天風呂で温泉が楽しめます。シャンプーやコンディショナー、ボディソープ、ひげそり、タオル、ドライヤーなど必要なアメニティは揃っているので、持ち込まなくても大丈夫。タオルは部屋に置いてあるものを持っていきましょう。
入浴前にはルールとマナーを確認
大浴場はほかのお客さんも利用するため、いくつかマナーがあります。湯船に入る前に身体を洗う、髪の毛が湯船に浸からないよう束ねるなど、ほかのお客さんの迷惑にならないようルールを守って入りましょう。
わからないことがあったら、仲居さんに聞いてみてください。
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タトゥーのある人は大浴場に入れないことも
せっかく旅館に来たら、温泉や大浴場に入りたいものですが、ここにも注意点が。日本では温泉や銭湯、プールといった場所でタトゥーのある人を受け入れないことがあります。予約をする前に確認しておいたほうがよいでしょう。
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旅館に泊まりたい方にオススメの観光地
「箱根で絶対行きたいスポット7選 〜温泉、自然、美術館〜」より
旅館に泊まりたい方は、温泉地へ足を運んでみましょう。箱根、熱海は東京から電車で行ける人気の温泉地。「日本三名泉」と呼ばれる草津温泉は、東京からバスを使えば3~4時間ほど。湯量が豊富で、温泉が川のように流れています。
「大阪・京都から1時間!有馬温泉完全ガイドーオススメ日帰り温泉、カフェ、おみやげ」より
大阪や京都を拠点にしている人は、日本最古の温泉、有馬温泉がオススメ。風情のある温泉街が魅力です。
「源泉数と温泉湧出量が日本一!大分県別府温泉の基本情報まとめ〜概要、アクセス、オススメ温泉など〜」より(Picture courtesy of ツーリズムおおいた)
温泉旅を楽しむなら、人気の名湯が集う九州地方に行ってみましょう。さまざまな色に変色した温泉噴出口を回る「別府地獄めぐり」でも有名な別府、博多から2時間程度で行ける、自然豊かな由布院をはじめとした有名な温泉が集まっています。
「冬には温泉に入る姿も⁉長野県「地獄谷野猿公苑」へニホンザルに会いに行こう!」より
ほかにもスノーモンキーが見られる地獄谷野猿公苑の近く、長野県の渋温泉や、冬には幻想的な雪景色が見られる山形県の銀山温泉など、個性あふれる温泉地がたくさんあります。
旅館に泊まり、温泉に入って日々の疲れを癒す旅を楽しんでください。
元記事執筆:Mayu
※本記事は2016年8月15日に公開した記事をリライトしたものです