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100年以上の歴史を持つプレミアムビールを飲んで知って体験する「ヱビスビール記念館」
日本のビールはキレがあって飲みごたえがあると世界中のビールファンに有名ですが、中でも100年以上の長い歴史を持つプレミアムビールのブランド「ヱビス」はその深いコクと豊かな味わい味わいで別格と称されています。今回はそんなヱビスビールの歴史や味わいを楽しめる「ヱビスビール記念館」をご紹介します。
日本のお酒というと「日本酒」が有名ですが、ビールにも高い人気があります。日本中で飲まれているブランドから地方の小さな醸造所でつくられるクラフトビールまで、日本に来たら多種多様なジャパニーズビールをぜひ味わって見て下さい。
今回は長い歴史をもつプレミアムビールとして親しまれている「ヱビスビール」の歴史やその味わいを目と舌で体感できる施設「ヱビスビール記念館」をご紹介します。
日本を代表するプレミアムビール「ヱビス」
日本には4つの大きなビール会社があり、小さな醸造所の地ビールも含めると200以上のブランドが存在すると言われています。その中でも「ヱビスビール」は深いコクと豊かな味わいからプレミアムビールとして人気の高いブランドです。
主要ビールブランドの特徴は「知っておきたい! 日本の缶ビールの味の違いと特徴」を参考にしてください。
そんなヱビスビールの歴史や楽しみ方がわかる施設が、東京都渋谷区恵比寿にある「ヱビスビール記念館」です。
ビールの醸造所を思わせる館内は高さ7mの開放感のある雰囲気。レセプションでは各国語の資料が用意されていて、日本語ツアーの受付も行われています。
カウンターには英語、中国語、韓国語のパンフレットが用意されています。
ビールの醸造所が恵比寿の街をつくる
この施設がある「恵比寿ガーデンプレイス」というエリアは、もともとヱビスビールの工場跡地でした。恵比寿という地名はヱビスビールを出荷する貨物列車の停車場があったことから名付けられたそうです。ビールのブランドが駅や地名になるなんて驚きですね。
館内中央にはこの場所が醸造所だった1987年まで実際に使われていた仕込釜が鎮座しています。
ヱビスビールの歴史を知る
館内にはヱビスビールに関する資料を集めた「ヱビスギャラリー」があり、無料で観覧できます。
ヱビスビールが1890年に誕生してから現在に至るまで、順を追って歴史的に貴重な写真や映像や商品などが展示されています。
初代のラベルはとってもレトロ! 100年以上も前とは思えない完成度の高い意匠で、他のラベルもデザイン的価値の高い素敵なものばかり。
本格的なドイツビールとし誕生したヱビスは、東京を代表するビールとして人気を博しました。さらに多くの人にヱビスビールを広めようと看板や広告に力を入れ始めます。その頃のポスターは今見ても新鮮なデザインで美術品のようです。
1900年のパリ万博に出展されたヱビスビールは、30カ国から集まったビールの中から金賞を受賞したそう。受賞を記念した「巴里万国大博覧会金牌」と刻まれた木箱の現物も展示されています。
ギャラリーは全て日本語と英語の両併記になっています。
ギャラリーの見どころをピックアップした日本語の有料のガイドツアー(500円)も平日は30分おき、週末と祝日は20分おきに開催されています。
プロフェッショナルが注いだヱビスビールの味
有料のヱビスツアーに参加すると、締めくくりには2種類のヱビスの試飲が待っています。最適な温度に保って特別な方法で注ぐことで、ビールを最高の状態で飲むことができます。
今回は「ヱビスビール」と「琥珀(こはく)ヱビス」が提供され、ツアー参加者全員で乾杯します。ゴクゴク飲むとクリーミーな泡に閉じ込められた、豊かな風味が口いっぱいに広がります。苦みと深みのバランスがとれたリッチな味わいはヱビスならでは! 琥珀ヱビスはよりまろやかでコクのある味わいで、飲み比べることで2種類の違いがはっきりと感じられます。
ツアーに参加しなくても楽しめるヱビスビール
館内にはツアーに参加しなくてもビールが味わえるテイスティングサロンが併設されています。ここでは定番のヱビスビールに加えて黒ビールや期間限定品など、どれも1杯400円で提供されているので気軽に試すのにぴったりです。
ミュージアムショップには関連グッズがずらり! 一番人気はロゴをプリントしたタンブラー(300円~)だそう。ヱビスビールのロゴは洗練された日本らしさがあり、オリジナルグッズはどれも日本みやげとして喜ばれそうです。
「ヱビスビール記念館」にはヱビスファンだけでなく日本のビールや歴史、デザインに関心があれば楽しめる要素がたくさんあります。特にヱビスビールを知り尽くしたブランドコミュニケーターが注いでくれるビールは格別で、絶対試して欲しい一杯です。
この記事で興味を持たれたら、ぜひヱビスビールの世界観を体験しに足を運んでみてください。
新潟生まれ。事業会社でのマーケティングを経験後、2011年からシンガポールへ移住し、出版社や制作会社で編集に従事。2015年に日本へ帰国しMATCHAのライターに。国内外を旅行する中で見つけた新しい発見を、多くの人とシェアしていきたいです。