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具合が悪くなったときは?日本の病院で診察を受けるときのガイドライン
日本に留学したときや働くときなど、日本で生活すると病院やクリニックに行くことがあるかもしれません。日本の病院を受診する際の注意点は? 日本語が話せない場合はどうする? 診察代はいくらかかる? 日本の病院で診察を受けるときの疑問を解決します!
日本に留学したり働いていると、病院やクリニックに行く必要が出てくるかもしれません。日本で病院を受診する際の注意点は? 日本語が話せない場合はどうすればいいでしょうか? 健康保険証がない場合は? 日本で病院を受診するといくらかかるのでしょうか?
この記事が、日本の医療に関するあなたの疑問を解決してくれることを願っています。
日本で病院を受診する際の注意点は?
初診時には、病院から症例について記入する問診票を書くことが多いです。「服用している薬はありますか?」「アレルギー症状が出る薬はありますか?」「妊娠していますか?」「飲酒と喫煙の習慣はありますか?」などのことを聞かれます。
現在ほかの薬を服用している方や、アレルギーをお持ちの方は、直接医師に相談し、理解してもらうことを忘れないようにしましょう。
言葉が心配な方、日本旅行中に日本の病院で治療を受ける可能性がある方は、下記のフォームに必要事項を記入して病院に持参するとよいでしょう。(PDFファイルのフォームをダウンロードするには、こちらをクリックしてください。)
クレジットカードは使える?
通常、町の小さな病院・クリニックでは、支払いは現金のみのところが多く、クレジットカードでの支払いに対応しているのは一部の大きな病院のみとなっています。短期滞在の方は、帰国後に医療保険で一部の医療費が戻ってくる場合があります。旅行前に保険会社に注意事項を聞いておくといいでしょう。
受診するときはどうすればいい?
医師や看護師さんは、多くの場合とてもフレンドリーで、外国人だとわかると、ゆっくり話してくれたり、必要となる情報を教えてくれたりして参考になります。
もちろんクリニックによって違いはありますが、一般的にはとても心強いです。 自分の症状に戸惑いを感じたり、診察で言われたことがよくわからないようでしたら、医師に症状やキーワードを書いてもらい、自宅で確認してみるのもいいでしょう。病院によっては、英語など多言語でのコミュニケーションも可能です。
病院の選び方は?
言葉の問題が気になる方は、まずは多言語に対応している病院をネットで調べてみましょう。病院の口コミが気になる方は、訪問前に調べておくことも可能です。
国内の病院の口コミサイト(日本語のみ):https://caloo.jp/
外国語に対応可能な医療機関
下記のJNTOサイトでは、日本全国の外国語に対応している医療機関を検索することができます。
https://www.jnto.go.jp/emergency/jpn/mi_guide.html
また、下記サイトでは英語以外に対応できる病院・クリニックを検索することができます(日本語のみ)。
https://byoinnavi.jp/foreign_language_speakers
そのほか、日本の主要都市の、多言語対応可能な医療機関へのリンクを表にしました。
地域 | 備考 |
東京都 | 外国語対応可能な病院を検索できます |
大阪 | 検索すると、対応可能な外国語レベルが3段階で表示されます |
京都 | 中国語、英語、韓国語の医療通訳者がいる病院が紹介されています。通訳は無料ですが、5日前までに予約が必要な病院もあります。休日など緊急の場合は、下記の病院があります 京都市急病診療所:中京区西ノ京東栂ノ尾町6 JR二条駅東ロータリー南隣(京都府医師会館1F,Tel:075-354-6021) |
神戸(兵庫県) | フォームで「医療機能で探す」をチェック→「対応することができる外国語の種類」をチェックして進むと検索できます |
名古屋 | 外国語のレベルが1から3まで表示されます(1:支障なく会話可能、2:日常会話レベルで対応可能、3:図や単語でのみ対応可能) |
九州 | 多言語対応可能な病院がリストになっています |
健康保険証を持たずに病院に行ったら?
転職(※)した際や、まだ健康保険証が発行されていないときに、体調が悪くて病院に行かなければならない場合は、後で健康保険組合や区役所などに申請すれば、払い戻してもらえます(全額が返金されないこともあります)。病院受診後に領収書と、診察報酬明細書(レセプト)を残しておきましょう。
※:日本では、会社によって健康保険証を変更する必要があるため、転職後に前の会社で作った健康保険証が回収されます。入社時に新たに健康保険証を申請することもできますし、在職中に国民健康保険に加入することもできます。
日本での受診の手順例
受付で健康保険証を提出 → 初診時は問診票を記入 → 熱があるときは熱を測る → 診察の呼び出しを待つ → 診察(症状に応じて注射や点滴をする場合も) → 支払い → 受付で渡された処方箋を持って最寄りの薬局に行く → 薬をもらって支払い
待ち時間は病院の混雑状況によって異なります。筆者は病院の少ない街に住んでいたこともあり、4時間待ちのこともありました! しかし、東京のような大都市では、病院が多くあるため、長くても2時間程度で済むことが多いです。
診察にはいくらかかる?
健康保険証があれば、一般的な診察の費用は3〜4,000円前後。再診の場合などは1,000円足らずのこともあります。薬代は1〜2,000円前後。全体の費用は5,000円前後です。健康保険証を持っていないと自己負担になり、費用が上がってしまいます。
日本では、診察内容によって点数がカウントされ、診察料金が決まります。診察後に領収書と診療明細書を渡されるのが一般的です。診療明細書からは、検査・治療・投薬などの具体的な内容、何に費用(点数)がかかっているのかがわかります。
日本の診察料の基準
計算方法は、
点数 × 10円 × 負担の割合 = 負担額
となります。負担の割合は年齢によって異なりますが(下記参照)、おおむね3割負担です。たとえば、20歳の方が初診で診察を受けた場合、初診の点数は288点なので、288点 × 10 × 0.3 = 860円となります(10円未満は四捨五入)。薬が処方されれば、これとは別に薬局で薬代が必要となります。
負担する割合は?
健康保険証を持っている場合は、年齢層によって診察料の負担する割合が異なります。6歳未満は2割、小学校入学後〜70歳未満は3割、70歳以上74歳は2割、75歳以上は1割の負担です(一定以上の所得がある人は3割)
明細表の詳細
初診料:初診料は基本的に全国一律で288点です。長期のリハビリ通院をして、1ヶ月後にまた通院しても初診料は発生します!
再診料:200床未満の小規模病院・診療所は73点。特別な時間帯に訪問すると、点数が加算されます。
外来診療料:200床以上の大病院では、再診料の代わりに「外来診療料」の74点が加算されます。
投薬料:医師が薬の種類や量を指示する処方料などが含まれます。
※:上記の点数は基本的には誰でも同じですが、6歳未満の子ども、日曜・祝日・12/29~1/3・営業時間外は割増となります。
お薬手帳とは?
処方箋を持って薬局へ薬を受け取りに行くとき、ほとんどの場合「お薬手帳はありますか?」と聞かれます。日本に住んでいる人にとって、お薬手帳も重要です。どんな薬が処方されたかがこの手帳に記載され、過去に何の薬を服用していたかがわかるようになっています。
日本で初めて薬をもらうときには、表紙に絵が描かれた「お薬手帳」を手に入れます。 この小さな手帳は可愛いだけではなく、多目的に使えるので、病院に行くときには必ず持っていきましょう!
お薬手帳のメリット
1.二重処方を防げる
複数の病院を受診したとき、同じ薬が処方される可能性があります。 薬の名前が違っていても、成分や効果が同じということはあり得ます。お薬手帳があれば、繰り返し処方されることを防ぐことができるのです。
2.患者のアレルギーを把握できる
人によっては、特定の薬でアレルギーを起こす可能性があります。お薬手帳があれば、自分がどの薬にアレルギー反応を起こすのかを把握しやすくなりますし、どの薬でアレルギー反応を起こす可能性があるか、お薬手帳から予測することもできます。
3.過去の処方箋から病歴を推測できる
患者本人が過去の病歴をあまり知らなくても、お薬手帳から推測することができるかもしれません。
4.薬物混入のリスクを防ぐ
複数の薬を服用すると、ほかの薬と一緒に飲むことで副作用を引き起こすことがあるかもしれません。異なる医師が異なる薬を処方した場合、知らずに同時に服用してしまうと、そのようなリスクが生じる可能性は十分にあります。そのようなことを避けるため、薬の処方にはお薬手帳が大きな役割を果たしているのです。
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まとめ
本記事で解説した、日本での医療に関する疑問と回答が、日本にお住まいの皆さんのお役に立てれば幸いです。昔、筆者は病気になったとき、最初はドラッグストアで薬を買っていましたが、健康保険証があれば、薬を買うのと同じくらいの通院費用で、お医者さんに行って適切な薬をもらうことができるので、病気が治るのが早くなるということを知りました。
台湾台中出身で、食べ物の話題になると目が輝く女性です。日本で信じられないような経験をした後、現在は南半球に定住し、写真と文章を通じて旅の貴重な思い出や発見を記録し続けています。著書には「日本、ゆっくり旅:山城、花の季節、島々、海の幸、街の風景と日常、2190X四季の風物詩」があります。