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東京駅の目と鼻の先。住民ゼロのビジネス街・丸の内の1日
たくさん人がいるというイメージをもたれることも多い東京。しかし、東京には「人が住んでいない街」もあります。本記事では、東京駅の目と鼻の先にあり、住民がほとんどいない丸の内エリアを取材。東京駅がきれいに写せる場所と時間もあわせて紹介します。
東京には人がたくさん"住んで"いる?
とにかく人が多い印象の東京。筆者も、人が波のように押し寄せる渋谷のスクランブル交差点や、買い物客であふれる上野・アメヤ横丁で、人に揉まれて大変な思いをしたのは一度や二度ではありません。
東京の内包する「たくさんの人が住むメガシティ」というイメージ。否定はできないものの、東京は郊外や都外から人が「働きにくる街」でもあります。昼間は会社員で賑わっているのに、早朝や夜は人っ子ひとりいないなんて場所も。
「ビジネス街・東京」の代表が、東京駅と皇居の間に広がる丸の内エリアです。
住民ゼロのビジネス街・丸の内2丁目と3丁目へ
日本を牽引してきた銀行や商社の本社が立ち並ぶ、丸の内。管轄する千代田区によると、丸の内1丁目の住民登録者数は12人、2丁目は1人、3丁目は0人※です。
筆者は、住民がほとんどいない2丁目と3丁目、そのメインストリートである丸の内仲通りの1日を追うことにしました。※2019年10月時点、参照URL
12:00
丸の内仲通りは、東京駅から徒歩3分ほど。オフィスビルのほか「ティファニー」や「エルメス」といった高級ブティックが軒を連ね、洗練された雰囲気です。
ランチタイムの12:00頃、オフィスから人が出てきました。
楽しげにレストランへと向かう女性たちのグループ。ベンチでお弁当を食べる男性。オフィスワーカーたちがいっときの休憩を満喫しています。
おしゃれなキッチンカーも登場。路面の椅子とテーブルで人々がくつろぐ様子は、さながらパリの街角のよう。
18:00
Photo by Pixta
18:00頃、イルミネーションで彩られた通りは、昼間とは違った華やぎをみせます。イルミネーションは毎年11月初旬から翌2月まで。
仕事帰りの人々の静かな活気が街を満たしていきます。ウィンドウショッピングをする人や、バルで仕事仲間と一杯飲む人。熱気あふれる新宿や渋谷とは異なる、エレガントな丸の内の夜は更けていきます。
23:00
23:00頃にもなると、だんだんと人影もまばらに。イルミネーションの写真をゆっくり撮りたい人は、このくらいに訪れるとよいでしょう。
人がいなくなったのもつかの間。オフィスワーカーと入れ替わるかのように、今度は建設作業員がやってきました。都心部では、夜から明け方にかけて工事が行われるのです。
翌朝5:30
翌朝、ついに訪れた無人の時間。人の気配のない街は、まさに「からっぽ」といった印象です。
昨日の賑わいが嘘だったかのように静まり返る街。住宅地にありがちな生活音もありません。この静寂を味わいたいなら、6:30くらいまでに訪れるとよいでしょう。
しばらくして、ビルの清掃員やレストランに食材を納入する業者がやってきました。日本を代表するビジネス街も、こうした人々の下支えによって成り立っています。
7:00
7:00頃。ぽつりぽつりとサラリーマンの姿が増えていきます。こうして再び、丸の内の1日がはじまるのです。
大都会の静寂に出会う
丸の内仲通りは、東京駅のすぐ近くで「人のいない東京」を実感できるスポットです。朝に訪れて大都会の静寂に出会うのも一興ですが、しばらくとどまってみるのもオススメ。
刻々と変化する街の様子は新鮮です。また、早朝や深夜に街を縁の下で支える人たちに出会えば、丸の内が単なる"ビジネスマンの街"ではないことにも気づくでしょう。
番外編:オススメの東京駅の撮影スポット&時間
本企画で、筆者は東京駅と丸の内2・3丁目を何度か往復しました。そのときに見つけた、東京駅がきれいに撮れる場所と時間を紹介します。
東京駅の全景をカメラにおさめたいなら、オススメは駅の目の前の行幸通り。建物の右翼と左翼までバッチリ写すことができます。
時間は、日中なら日が昇りきった12:00以降。駅に影がかかりません。夜景撮影は、日没後から20:00頃までの間がよいでしょう。駅周辺のビルの灯もともり、輝きの美しい写真が撮れます。東京駅を撮るときはこれらのTipsをお試しください。