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【東京 馬喰町】秋葉原・浅草観光の拠点に。クリエイターが手がける「DDD HOTEL」
2019年秋、日本橋馬喰町にグランドオープンした「DDD HOTEL」。老舗ビジネスホテルを全面改装し、「ミニマル・ラグジュアリー」をコンセプトに掲げる1軒です。宿泊機能のほかカフェやアートギャラリーを併設する注目のニュースポットをレポートします。
老舗ビジネスホテルをフルリノベーション
繊維や人形、店舗装飾などの問屋街として栄えてきた東京・馬喰町エリア。国内外から観光客が押し寄せる上野、秋葉原、浅草エリアからもほど近いこの場所に、この秋グランドオープンしたのが「DDD HOTEL」です。
目印は、赤茶のレンガタイルの外壁と真鍮の塗装が施されたドア。その素敵な佇まいに、思わず足を止めてスマートフォンで撮影をはじめる人もちらほら見受けられます。
Picture courtesy of DDD HOTEL
「DDD HOTEL」は、1982年から約40年もの間営業してきたビジネスホテル(※1)をフルリノベーションしたホテルです。外壁を除く全てに手を入れ、名前も新たに生まれ変わりました。
リノベーションの際に重きをおいたのは「必要なものを見極め、余計なものは作らない」「機能性を追求する」という2点。空間づくりからアメニティ、朝食に至るまで、その哲学は至るところに散りばめられています。
※1:ビジネスホテル……日本独自のホテルの形態の1つで、主に出張などで利用するシングルルームが主体のホテルのこと。
Picture courtesy of DDD HOTEL
Picture courtesy of DDD HOTEL
たとえば、1Fのロビーホール。天井からシャンデリアを吊り下げても決して窮屈さを感じさせないほどの広さがありながら、吹き抜け部分には間接照明が埋め込まれているのみで装飾はありません。
その背景には、観光、ビジネス、その他さまざまな目的でこのホテルを訪れる全てのゲストがニュートラルに過ごせる場所にしたかったからだそう。
2Fのフロントとカフェが一体となった空間も、十分に余白を感じられる設計になっています。
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快適な水回りと上質なアメニティ
客室は3F〜10Fの全122室。廊下と客室は深いモスグリーンを基調としたデザインで、客室は広さが異なる4タイプから選べます。
Picture courtesy of DDD HOTEL
ダブルベッドを1台配置した「ミニマル ダブルルーム」、ダブルベッドを2つ設置した「スーペリア ツインルーム」、2段ベッドとシングルベッドを1台ずつ配置した「スタンダード トリプルルーム」、そして最も広い「スイートルーム」です。
Picture courtesy of DDD HOTEL
Picture courtesy of DDD HOTEL
客室にも哲学が感じられます。「DDD HOTEL」は元ビジネスホテルという特性上、ミニマル ダブルルームの面積が14平米と決して広くはありません。そのなかで重視されたのが機能的な水回りでした。
日本のホテルは、トイレ、洗面所、バスタブが1つの空間にまとまったユニットバスが多数を占めます。そんななか、「DDD HOTEL」ではスイートルーム以外にバスタブは置かず、トイレとシャワーをドアで仕切り、それぞれが独立しているのが特徴です。
ミニマル ダブルルームは、トイレと洗面台が同じ空間にまとまっていますが、スーペリア ツインルームやスタンダード トリプルルームでは洗面所を真ん中に、その両サイドにトイレとシャワーが配置されています。
Picture courtesy of DDD HOTEL
実際に使ってみるとその使い勝手のよさを実感できるでしょう。シャワールームが独立していることで、シャワーカーテンの外に水が漏れないように気を配る必要がなく、「建てつけに苦労した」というシャワールームのドアは、しっかりと目張りされているので水が漏れません。
シャワールーム内にはゲストが持参したバスアメニティを置いておける棚があり、洗面所には贅沢にもコンセントが2つ備わっています。ドライヤーは「Nobby by TESCOM」のプロ仕様で速乾性抜群。ホテルに宿泊するたびに感じてきた「もっとこうだったらいいのに」という小さなストレスから解放されます。
Picture courtesy of DDD HOTEL
フランスの老舗ブランド「Descamps 」のタオルをはじめ、リネン、ルームウエアなど、肌に触れるものへのこだわりはひとしお。
マットレスは「フランスベッド」に特注した最上級のマットレスで、朝の軽やかな目覚めを想定して少し硬めを採用しているそう。京都の老舗寝具メーカーが手がける軽くてあたたかい羽毛布団とともに心地よい眠りに誘います。
デスクワークと朝食は、ミニマルで洗練された共用スペースで
水回りの広さを優先した分、デスクスペースはスーペリア ツインルームとスイートルームのみに限られているため、デスクワークがしたくなったら2Fへ。
24時間開放されているフロント周辺の共用スペースには、スタッフが常駐しているので夜遅くまで安心して作業できます。10:00~18:00まではバリスタが淹れるおいしいコーヒーや「ART OF TEA」の紅茶やハーブティーを楽しめます。
朝食は宿泊費プラス1,500円(税別)。1Fのキッチンで毎朝焼き上げるパン、新鮮な野菜、ゆで卵やハム、ヨーグルト、グラノーラ、各種ドリンクが並ぶビュッフェです。パンはBALMUDAのトーストでホカホカに温めて直していただきましょう。厳選された上質なラインナップにも一貫した哲学を感じます。
カフェ&バー、ギャラリー、ミシュラン2つ星シェフの実験場も
コレクティブ・ホテルと銘打つ「DDD HOTEL」には、ミニマムで上質な宿泊機能に加え、宿泊者以外も利用できるスポットが充実しています。
1Fには立体駐車場を改装したアートギャラリー「PARCEL」と、29歳の若さでミシュラン2つ星を獲得した厚東 創(HAJIME KOTO)氏がディレクターを務めるキッチン兼完全予約制のレストラン「nôl」。
お皿に並んだ口に入れるのがもったいないほど美しいフィンガーフード(写真上)は、内覧会で提供された厚東氏によるものです。
12月中旬には2Fにカフェ&バー「abno」がオープン予定。デンマークの「Coffee Collective」やオーストラリアのコーヒーシーンを牽引する「SINGLE O」など、日本ではまだまだ珍しいコーヒーや、オリジナルカクテルをいただくことができるそう。
最寄駅はJR総武線の馬喰町駅。徒歩7分圏内に都営浅草線・JR総武線の浅草橋駅もあります。東京駅からは2駅、成田・羽田両空港からも電車を選べば乗り換えなしで到着するとても便利な立地です。
目や耳にするもの、肌に触れるもの。五感が冴えるような出会いをもたらす「DDD HOTEL」は、宿泊するのはもちろん、東京の今を感じるニュースポットのひとつとしてもオススメです。
In cooperation with DDD HOTEL
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素敵な宿を探して、その魅力を紹介する記事を書いています。
お酒は飲まないけれど渋い居酒屋でおいしいものを食べながら、おしゃべりするのが好き。
最近の興味は、上野エリアの散策と好みの和菓子店を見つけること!