旅の準備はじめよう
禅がアメニティに?「オリエンタルホテル京都六条」の文化体験ステイ
京都駅から電車で約10分の場所にある「オリエンタルホテル京都六条」は、文化体験が“アメニティ”として付いてくる、少し変わったホテルです。シンプルで落ち着いた空間は、茶道の文化や禅の思想に基づいて作られています。宿泊のときも、日本らしさを堪能したい方にオススメです。
日本文化に浸れる「オリエンタルホテル京都六条」
国内外からの観光客で賑わう京都。日本の政治や、文化の中心地であった歴史をもつこの地域は、日本を代表する文化のルーツが集まっています。
せっかく京都に訪れるなら、宿泊の際も日本の文化を感じてみませんか。2019年11月にオープンした「オリエンタルホテル京都六条」は、日本のお茶や、仏教における宗派の1つ、「禅」の思想が体験できるホテル。英語が話せるスタッフも常駐しています。
ホテルは茶室へ続く露地や、茶庭をモチーフにデザインされました。ライトも提灯を模して作られ、ホテルの至るところにこだわりが見られます。室内、屋外ともに石や木、植物で作られた庭がインテリアになっており、室内と屋外の境目があいまいな、日本独特の空間のように感じました。
さらに、ほかのホテルと違う点は、日本文化を体験できる"アメニティ”があるところ。日本文化を心ゆくまで堪能するにはぴったりのホテルです。
文化体験がアメニティのひとつ?
歯ブラシやシャンプー、カミソリなど、"アメニティ”と聞いて思い浮かべるものは、宿泊時に必須のアイテム。本ホテルではそれに加え、お茶の文化に関係する体験が、宿泊をより充実した時間へと変えてくれます。
部屋で心を整えよう。あめ玉を使った禅体験
日本のお茶の文化は、仏教の宗派の1つである禅宗の僧侶「栄西(えいさい)」から始まりました。禅宗の修行の1つに、坐禅があります。坐禅とは、背筋を伸ばし、呼吸を整え、座った状態で精神統一を行うこと。マインドフルネスにも近い要素があることから、国内外から注目されています。
レセプションで受付を済ませると、あめ玉としおりが配られます。これは「ひと粒の禅」と呼ばれ、あめ玉を舐める行為に集中することで、坐禅が体験できるプログラムです。
坐禅では通常、3~40分ほどひたすら座り続けます。初めての方には少し大変かもしれません。一方、あめ玉を舐め終えるまでの時間は約7分。坐禅をまず知るためには、ちょうどよい時間でしょう。
またスマートフォンのアプリ「ON THE TRIP」にある無料のオーディオガイドでは、坐禅の時に聞く「サウンドメディテーション」を提供しています。
ホテルのある地域は、天然水が地下に湧く、水の美しいエリア。サウンドメディテーションは天然地下水の流れる音を用いて作られました。聞き方はしおりに記載してあるので、しっとりとした音楽とともに、禅の世界へ足を踏み入れてみてください。
宿泊者専用オーディオガイドで禅寺巡り
禅に興味が湧いてきたら、京都にある禅寺を回ってみましょう。「ON THE TRIP」では、京都で禅体験ができるお寺の、オーディオガイドを提供しています。
栄西が創建した京都最古の禅寺「建仁寺」、国宝の水墨画が展示されている「退蔵院」、坐禅や茶道を英語の解説付きで体験できる「春光院」など、アプリでは7つのお寺を紹介しています。
お寺の歴史や建造物にこめられた意味は、訪れるだけでは案外わからないもの。オーディオガイドを聞きながら、お寺にまつわるストーリーも感じてみてください。
地域の天然水で淹れる抹茶サービス
抹茶サービスイメージ。普段はホテルのスタッフが点ててくれます。
ホテルでは毎日15:00~18:00に宿泊者の方へ抹茶がふるまわれます。先述した通り、ホテルのあるエリアは天然の地下水に恵まれています。抹茶で使用している水も近隣にある銭湯「白山湯」の水風呂で使われている地域の天然地下水。
水質がやわらかく、料理用に水を持ち帰る方も多いそうです。
※抹茶サービスは2020年2月24日から一時休止します。
シンプルで雑音のない落ち着いた客室
客室では必要なもののみが揃い、すっきりとした静かな空間が広がっています。
ドライヤーや充電ケーブル、電気ポットやコップなどは、ソファ横の「道具箱」にまとめて収納。道具箱は足にローラーがついており、ソファ付近へ移動させればテーブルにもなります。簡素でシンプルな作りは、日本の美意識を体現したものだそう。
ベッドの種類はダブル、ツイン、トリプルの3種類。枕元には目覚まし時計、提灯型のライトにUSBポートやコンセントが用意されています。部屋は靴を脱いでくつろぐ和室と、土足のまま移動できる洋室があります。
車椅子の方用の部屋や、1グループで2つの部屋を予約したお客さんのために、ドアを出ずに部屋が行き来できるコネクティングルームなど、客室にも工夫が施されていました。スイートルームに泊まれば、窓から京都タワーも見れますよ。
シャンプー、コンディショナー、ボディソープは茶葉のエキス入り。さわやかな香りがバスタイムをリラックスの時間に変えてくれます。
バーにもなるカフェラウンジ
Picture courtesy of オリエンタルホテル京都六条
部屋でもゆっくりくつろげますが、広々としたカフェラウンジもぜひ利用してみてください。12:00~18:00は宿泊者のみ、コーヒーやハーブティー、甘味などが無料で楽しめます。
カウンター席はスペースが大きく取られ、電源も利用可能です。正面の庭を眺めながら、観光の予定を考えるのもいいですね。
18:00以降はカフェスペースがバーに変わり、宿泊者以外の方も立ち寄れるようになります。メニューは地域性を取り入れたお酒と、京都の食材を使ったおつまみやスイーツがメイン。
オリジナルのスペシャル抹茶ぜんざいは、宇治で採れた抹茶を使った、甘みのある抹茶あんを使用。やさしく味付けした抹茶ソースをかけていただきます。
さらに、小豆を甘く煮た7種類のかのこ豆が、ぜんざいに彩りを加えます。京都の日本酒やウィスキーとともにいただきましょう。
※バーは2020年2月24日から一時クローズします。
京都を味わう華やかな朝食
ブッフェ形式の朝食も、京都の食を味わう絶好のチャンスです。12種類の漬物や京風の惣菜、温かい湯豆腐も宿泊したら食べたい一品です。
ご飯は京都産のお米を、キッチンにある大きな土鍋で炊き上げたもの。スタッフに声をかけると取り分けてくれます。
味噌汁はホテルオリジナルの方法で調理。前日から煮込んでペースト状にした里芋と、京都の白味噌を合わせた味噌汁には、しいたけや油揚げなどの具がたくさん入っています。やさしい味付けなので、朝はあまり食べられない人でも食べやすいでしょう。
ベジタリアンなど食事に制限のある方は、予約時に相談しておきましょう。またブッフェにはパンなど洋食も用意されているので、そのときの気分によって和・洋どちらも選べます。
朝食もバーと同様、宿泊者以外の人も立ち寄れます。
宿泊とともに文化体験を楽しもう
ホテルへのアクセスは、京都駅から地下鉄、またはバスで約10分、徒歩でも約15分です。最寄り駅は京都市営地下鉄烏丸線「五条」駅。 4番出口から徒歩9分ほどで到着します。
落ち着く静かな客室に、まざまな体験がつき価格は平日で一部屋10,000円程度です(※)。京都の魅力を、歴史あるお茶や禅を通して、さらに見つけてみてください。
※:価格の相場は時期により異なります。
In cooperation with 神戸メリケンパークオリエンタルホテル,ON THE TRIP
MATCHA編集者兼フリーライター。東京生まれ東京育ち東京在住。これまで渡航した国は30か国以上、住んだ県は4県。日本旅行はもうすぐ全都道府県を制覇!「読んだからこそわかるその土地の魅力」が伝えられることを目指して記事を作っています。森とお寺とラクダが好きです。