【富山】温泉から海へ!黒部・魚津で地ビール、海の幸、絶景を満喫
自然や温泉、グルメを存分に満喫できる、富山県の黒部市と魚津市の見どころを紹介。透明度日本一の宇奈月温泉、黒部峡谷鉄道のトロッコ電車、海の蜃気楼、ユネスコ無形文化遺産の「たてもん祭り」など。名物のチーズケーキや地ビール、新鮮な寿司も必食です。
かつてない開放感!トロッコ電車で行く、黒部峡谷の大自然!
富山県の黒部峡谷は、切り立った谷を流れるエメラルドグリーンの川の絶景に出会える場所。
レトロな雰囲気の黒部峡谷鉄道のトロッコ電車に乗れば、美しい黒部峡谷の景色を存分に堪能できます。トロッコの始発・宇奈月(うなづき)駅から終点・欅平(けやきだいら)駅までは、片道約80分です。
筆者は窓のないトロッコに乗ってそよ風の心地よさと、電車がトンネルに入るときのドキドキする感覚を楽しみました。
Picture courtesy of Pixta
秋、車窓から望むのは、モザイク画のような山の紅葉が翡翠色の宇奈月湖に映る景色です。遠目にはヨーロッパの古城のように見える発電所や、艶やかな赤い鉄橋といった景色も。
知って楽しい豆知識があります。2013年、黒部峡谷トロッコ電車と台湾の阿里山森林鉄路(ありさんしんりんてつろ)は友好姉妹提携を結び、姉妹鉄道になりました。車両の先頭には提携を示すプレートが掲げられています。
※秋は温かい服装で訪れましょう。10月下旬の黒部峡谷現地の気温は約10度と冷え込みます。
終点の欅平で電車を降りたら、歩いて奥鐘橋(おくかねばし)を渡ってみましょう。ここからも絶景が見えますよ。
奥鐘橋を過ぎると、珍しい岩壁・人喰岩(ひとくいいわ)が見えてきます。岩肌が大きく口を開けたような姿は、迫力満点!
入浴料大人500円/小学生200円/タオル200円
時間に余裕のある人は、人喰岩から一番近い露天風呂「欅平温泉 猿飛山荘(さるとびさんそう)」で温泉に入るのもよいでしょう。運がよければ、温泉に浸かって目の前に広がる景色を一人占めできるかもしれません!
日本一の透明度、宇奈月温泉で豪華な休日を過ごそう!
Picture courtesy of 宇奈月温泉旅館協同組合
黒部川上流の源泉からお湯を引く宇奈月温泉。100年近くの歴史をもち、澄んだお湯は透明度日本一とも言われています。
弱酸性で皮膚への刺激が少ないお湯は、老廃物の代謝を促進し、お肌の潤いをアップさせてくれるのだとか。さらりと滑らかで、別名・美肌の湯とも呼ばれています。
一帯に並ぶ温泉旅館やホテルでは、黒部川の四季折々の景色を眺めながら露天風呂に浸かれますよ。露天風呂では透明なお湯に外の景色が映る、心地よい時間が過ごせるでしょう。
名水から生まれる宇奈月温泉のグルメ
宇奈月温泉には、おいしいグルメもそろっています。
黒部川の西側に連なるのは立山連峰。雪解け水は黒部川に流れ込み、扇状地まで峡谷を流れたあと湧水になります。ミネラル豊富な水が美食を育むのです。
賞味期限わずか10分のアルペンチーズケーキ
幻のアルペンチーズケーキ( 税込660円※数量限定)
人気のスイーツが、賞味期限がわずか10分という「幻のアルペンチーズケーキ」。黒部産の牛乳を使った、ふわっと軽い口どけの"クレームダンジュ"タイプのチーズケーキです。
立山連峰を連想させる三角錐の形。白いチーズケーキはまるで山に降る白雪のよう。すぐに口の中で溶けて、爽やかなクリームと甘酸っぱいラズベリーソースの風味が広がります。
酵母の風味が生きる宇奈月ビール
名水をいかしたビールもオススメ。
「宇奈月麦酒館(うなづきびーるかん)」は黒部の名水と二条大麦を原料に、ドイツの伝統技法で地ビール"宇奈月ビール"を醸造しています。館内のレストランでは、できたての宇奈月ビールを味わえますよ。
隣接する「道の駅うなづき うなづき食菜館」には、ビール館オリジナル商品や地域の名産品などのおみやげも揃っています。
宇奈月ビール:左から十字峡、トロッコ、カモシカ(330ml、税込550〜580円)
宇奈月ビールには、豊富なミネラル、ビタミンなどの栄養素が含まれており、生きた酵母の風味が味わえるのだそう。筆者は3種類の宇奈月ビールをオーダーし、飲み比べをしました。
淡い風味で喉越しがよい十字峡、後味まで香り豊かなトロッコ、そして、馥郁(ふくいく)とした麦の香りが楽しめるカモシカ。それぞれに個性があります。
宇奈月ビールカレー オニオンスープ付き (税込700円)
宇奈月麦酒館で外せないのが、カモシカビールで煮込んだカレーライスです。ピリッとしたスパイスのあとに、濃厚な麦の香りがして美味。白米の甘みと相まって、癖になる味です。
宇奈月温泉街の食べ歩きグルメ3選
宇奈月温泉街は、地元の人に愛される名店揃い。宇奈月駅の隣にある温泉「湯めどころ宇奈月」で、食べ歩き用のクーポン券を購入しましょう。
クーポンは500円。温泉街の11店舗と黒部市内9店舗から3店舗を選んで、食品と交換ができます。
「やまとや」の香り豊かな豆乳
70年の歴史がある「やまとや」では、クーポンを豆乳1杯と交換可能。タンパク質が多い白大豆を黒部名水で煮た豆乳は、甘みがあっておいしいですよ。
「 レストプラザ柏や」のすいかソフトクリーム
「レストプラザ柏や」の名物は、すいかソフトクリーム。黒部名水を引いて育てる大きなすいか「入善(にゅうぜん)ジャンボ西瓜」を材料に、店長が何度も試作を重ねて作り上げた逸品です。
クリームの風味はひかえめで西瓜の甘みがしっかりと感じられます。唯一無二の味ですよ。
レストプラザ柏や Information:
【住所】:富山県黒部市宇奈月温泉372
【営業時間】:10:30~15:30
(1F)売店・ソフトクリーム 9:30~17:00、(2F)食堂 11:00~15:00
【店休日】:不定期
歴史ある「つぼや」の黒糖饅頭と煎餅
創業90年以上の老舗和菓子店「つぼや」。宇奈月温泉の誕生当時から無休で、旅人のために手作り饅頭を作ってきました。
4代目の上野さんは、饅頭のあんこを小豆から手作りすることにこだわっています。
創業当時から作り続けられている温泉饅頭(黒糖)と煎餅を、クーポン券と交換しました。
饅頭を口に入れると、黒糖の香りが広がります。甘さ控えめのあんことのコンビネーションが絶妙です。可愛い招き猫が描かれた煎餅は香ばしい風味。訪日観光客にも人気だといいます。
一度は行きたくなる、魚津の海と盛大な祭り
黒部市の南側にある魚津市(うおづし)は、海と山の風景が楽しめるエリア。漁業が盛んで、海鮮グルメは絶品です。漁業と深い繋がりのある地域の祭りも見どころ。
神秘的な自然の芸術、海の蜃気楼
Picture courtesy of uozu city
"蜃気楼"は幻という意味で使われる言葉ですが、魚津では実際に蜃気楼に出会えます!
魚津で見られる海の蜃気楼は、冷たい空気と暖かい空気が交差したときの光の屈折で、海面に対岸の景色が虚像として映るもの。光と影が織りなす自然の芸術ともいえる蜃気楼はとても神秘的です。
魚津は頻繁に蜃気楼が出現する稀有な場所です。とくに春になると旅行客でにぎわい、多くのカメラマンが三脚を据えます。
年に一度のたてもん祭りと海上花火大会
Picture courtesy of uozu city
魚津で毎年多くの観光客が訪れるのは、ユネスコ無形文化遺産に登録されている「たてもん祭り」。毎年8月の第一金曜日・土曜日の夜に、市内の諏訪神社で開催されます。
漁業に従事している人々は「諏訪神社の明神様が航海を守ってくださる」という信仰をもっています。そのため、祭りは航海の安全と大漁を願って行われ、たてもんと呼ばれる山車を氏子たちが曳きまわします。
たてもんは全部で7基あり、高さは約16メートルほど。それぞれ90あまりの提灯は船の帆のような形に連なっています。重さ約5トン、底部は車輪のない、そりのような形です。
汗をほとばしらせた若者たちが、たてもんを威勢よく曳きまわす様子は圧巻ですよ。
Picture courtesy of uozu city
2日目の夜は、約2,000発の花火が海上に打ち上げられます。周囲には視界を遮るビルなどがないため、花火がさらに荘厳に見えます。
美食の宝庫!新鮮な海産物と甘いりんごに舌鼓
富山湾ではさまざまな海産物が水揚げされます。地元の人々は、新鮮な魚介類を使った料理を日常的に食べているのだそう。
魚津市は日本最南端のりんごの産地でもあります。樹上で熟すまで待ってから収穫するりんごは糖度が高く甘いと評判です。
海の絶景×新鮮なシーフード 「魚津丸食堂」
「魚津丸食堂」は、ランチタイムだけ営業している海の見える食堂。港の横にある漁業協同組合が運営しています。2019年に漁協倉庫をリノベーションし、鮮やかなブルーの外観に生まれ変わりました。
港町の人々にとって、ここは自分の家の台所のような場所だといいます。提供されるのは、その日水揚げされた魚の刺身と日替わりのおかず。毎日来ても食べ飽きることがありません。
味は店長のお墨付きです。魚津に引っ越すまで魚が苦手だった彼ですが、店の新鮮な海鮮丼を食べてから、魚を食べない日はないほどになったそう。
バイ飯定食 (税込1,000円)
名物の「バイ飯(ばいめし)定食」は、もともと漁師たちが漁の後に作っていたもの。地元では知る人ぞ知るごちそうです。
貝のダシを吸ったお米に、ふっくらとしたバイ貝がよく合います。おかわりしたくなりますよ。
フルーツ?ケーキ?「KININAL」のスイーツ
Picture courtesy of KININAL
「魚津埋没林博物館」の中にある「KININAL」は、創業50年の老舗洋菓子店が手がけるスイーツショップ。コンセプトは「ケーキっぽくないケーキ」で、オープン以来、多くのスイーツファンを魅了してきました。
Picture courtesy of KININAL
ベースのビスケット生地に、房付きのぶどうやキウイ、季節限定のりんごがのったユニークなルックス。まさにフルーツが主人公のケーキです。
りんごケーキ (税抜850円) / りんごジュース (税抜555円)
筆者はりんごケーキを注文しました。中にはカスタードクリームやスポンジケーキ、栗が入っています。ビスケットも栗でできていました。濃厚でありながらフルーツ本来の味を堪能できますよ。
りんごジュースも美味。果肉が入っていて、まるで"リンゴを飲んでいる"かのような感覚です。
深夜に寿司がいただける「小政寿司」
明け方4:00まで営業しているのは「小政寿司」。近隣のバーや屋台でハシゴ酒をしていた人がシメに訪れます。
日本には値段が高く入りにくい寿司店もありますが、ここは新鮮な刺身や寿司をお手頃価格で提供。仕事の後、ひとりで飲みにくるお客も多いそうです。
おまかせ寿司 (税込880円)
常連客が筆者にオススメしてくれたのは、おまかせ寿司とカニちらし寿司、ぶり大根。おまかせ寿司は、人気のマグロ、サーモン、タコ、イカなど9つのネタのにぎり寿司です。
店主が目の前でキビキビと寿司を握ってくれる様子を見ていると、寿司がさらにおいしく感じられます。
カニちらし寿司 (税込1,050円)
木箱の蓋を開けると現れたのは、まるで宝石箱のようなカニのちらし寿司。ふっくらとしたカニの身は、新鮮で甘みたっぷり。
ぶり大根(税込 700円)
ぶり大根とは富山名産の魚・ぶりを使った煮込み料理です。煮汁が大根に染み込んでいて、魚は脂がのってまろやか。ご飯がすすみますよ。
美しい黒部・魚津へ
黒部峡谷と宇奈月温泉エリアでは、刻々と変化する大自然を感じながら、温泉に浸かり心身ともにリラックスできます。
海の蜃気楼など神秘的な自然の景色に出会えるのは魚津市。地元の人たちと情熱的なお祭りに参加して思い出を作るのもよさそうです。
次の日本旅行では富山県の山や海の美しい景観を訪ねて、名物グルメを楽しんでみましょう!
Sponsored by General Association Toyama Bay, Kurobe, Etchu Niikawa tourist area Council
Written by Miho & Lin
Main image by Pixta