【富山】忘れられない経験!入善町・朝日町の絶景と絶品グルメ
雪に桜、チューリップ、菜の花の奇跡の景色を同時にカメラに収めるなら、富山県の朝日町がオススメ。アニメの世界に迷い込んだような深い森に出会うなら、国の天然記念物に指定されている入善町の杉沢の沢スギへ。一度訪れたら忘れられない朝日町と入善町の絶景、おいしい料理を紹介します。
奇跡の1枚が撮影できる!春の絶景スポット
日本旅行で写真映えする景色に出会いたい人へのオススメが、富山県の朝日町(あさひまち)と入善町(にゅうぜんまち)。2つの町は、エメラルドグリーンの川が美しい黒部峡谷や、名湯・宇奈月温泉で有名な黒部市の北側にあります。
とくに春に見られる花畑が有名で、朝日町では色とりどりの花が咲き誇る「春の四重奏」と呼ばれる風景が見どころ。入善町には全国でも最大級の面積を誇る「フラワーロード」と呼ばれるチューリップ畑があり、毎年花の絨毯のような美しい光景が広がります。
この時期に訪れると、暖かい日差しのなかで忘れられない風景に出会えますよ。
シャッターを押す手が止まらない!朝日町の「春の四重奏」
Picture courtesy of asahimachi
夢のような景色で近年訪日観光客の注目を集めているのは、朝日町の「春の四重奏」です。
北アルプス山脈の残雪を背景にして、川の両岸の桜のトンネル、色とりどりのチューリップと黄色い菜の花が、圧巻の四重奏をかなでます。
Picture courtesy of asahimachi
夜には美しい星空が見えるだけでなく、灯りに照らされた優雅な夜桜まで楽しめますよ。
200万株のチューリップ畑「にゅうぜんフラワーロード」
Picture courtesy of nyuuzenmachi
入善町の「にゅうぜんフラワーロード」は、約6haの広場に200万株以上が植えられた国内最大級のチューリップ畑。
毎年春になると、美しさを競うかのように色とりどりのチューリップが咲き乱れます。絨毯のような花畑がどこまでも広がる光景に、思わず見とれてしまうはず。
入善町では、積雪や水はけのよさなどチューリップ栽培に適した気候をいかし、80年以上前に栽培がはじまったといわれています。最盛期には300人以上が栽培に携わり、数多くの新品種がこの町で誕生しました。
※チューリップは連作障害や害虫病を起こしやすい植物のため、にゅうぜんフラワーロードは毎年会場となる畑を移動して開催しています。開催場所は公式HPでご確認ください。
「にゅうぜんフラワーロード」入善町HP:https://www.town.nyuzen.toyama.jp/
宝石を探そう!ヒスイ海岸
朝日町には「ヒスイ海岸」と呼ばれる海岸、宮崎・境海岸があります。名前の由来は、波打ち際でヒスイの原石を見つけられることから。ここは海辺でヒスイが見つかる世界でも数少ないスポットなのです。
周辺にはヒスイ玉を作っていた古代遺跡もあり、一帯は日本のヒスイ文化を探るうえで欠かせない場所でもあります。
筆者が訪れた日の天気は良好で、限りなく広がる青い海を眺めることができました。海の青いグラデーションに日光がキラキラと反射し、時を忘れて眺めてしまったほど。
地元の大人や子どもたちは、水遊びがてらヒスイを集めにこの海岸を訪れるのだそう。
拾い集めたものがヒスイなのか、普通の石なのか見分けがつかないときは、海岸近くの「ヒスイ海岸観光交流拠点施設ヒスイテラス」(以下、ヒスイテラス)のスタッフに鑑定してもらいましょう!
Main image courtesy of asahimachi
ヒスイテラスは、海岸近くにあるスタイリッシュな建物。屋上だけでなく室内からも広い海が一望できる設計で、ひと休みしたいときの休憩場所にぴったりです。シャワー室やキッチンも完備され、イベントや交流の場にもなっています。
アニメのような幻想的な世界!杉沢の沢スギ
杉というと、山奥で天に向かって高く伸びる木を思い浮かべるでしょう。しかし、入善町ではそんな杉のイメージがくつがえる光景が待っています。
「杉沢の沢スギ」と呼ばれる杉林は、海岸からほど近い場所の湧水地帯(湧き水の出る場所)にあります。国内で唯一、平地の湧水地帯にある杉林であることから、国の天然記念物にも指定されています。
一般的な杉とは違って沢スギは幹が細いため、枝が雪の重みに耐えることができなくなると、幹が地面に落ちてしまいます。しかし、落ちた幹から新たに根が生えて新しい株が生長し続けます。この成長の仕方を「伏条更新」と呼ぶのだそう。
入善町は冬に雪が降る寒い地域にありますが、湧き水が1年を通して一定の温度を保っているおかげで、温暖な地域の植物も生息できているのだとか。さまざまな植物が同居する「天然の植物園」として、自然を愛する人たちを惹きつけてやみません。
沢スギや湧水地帯の生態系についてさらに知りたい方は、併設の「杉沢の沢スギ・沢スギ自然館」を訪れてみましょう。沢スギの多様性や希少性が理解できますよ。
沢スギ自然館の展望台からは、立山連峰の壮大な景色も望めます。
気温の低い冬の早朝、池の水面にはもやがかかり、沢スギ林に神秘的な雰囲気が加わります。山深くまで行かなくても、ここでファンタジックな瞬間をカメラに収めることができるでしょう。
地元の人イチオシ!必食のローカルグルメ
ローカルグルメをいただけば、その地域の名産品や文化についても知ることができます。地元産の食材で手間暇込めて作られた料理は、ひと皿ひと皿に温かみがこもっています。
歴史的建物で香り高いバタバタ茶を味わう
バタバタ茶は朝日町に昔から伝わるお茶です。大きな五郎八茶碗(ごろはちぢゃわん)に黒茶を注ぎ、竹製の茶筅で泡だててからいただきます。
クリーミーな泡のおかげで、お茶にまろやかさや甘味が加わり美味。
バタバタ茶は今はほとんどがみやげ品とみなされていますが、町内にある歴史公園の「旧川上家」ではバタバタ茶を無料で味わえます。
旧川上家は、県内最古といわれる町屋を復元した建物。
地元の女性の説明を聞きながら、囲炉裏の側で暖をとり、熱いバタバタ茶を味わう。静かで、思わず時を忘れてしまうほどです。
お腹も温まる素朴なたら汁
朝日町の名物はたら汁。魚のたら1匹の切り身と味噌をアルミの鍋で煮たこの料理は、もともと漁から戻る夫のために妻が作っていた家庭料理でした。
素朴なおいしさから地元を代表する料理となり、日本の人気テレビ番組『秘密のケンミンSHOW 極』でも紹介されたほど。
町には"たら汁街道"と呼ばれる、たら汁を出す店が並ぶ通りがあります。
タラ汁一人前800円
40年以上の歴史をもつ「たら汁 栄食堂(さかえしょくどう)」は、さっぱりしたたら汁と豊富なメニューで地元客に人気の店。柔らかいタラの肉、さっぱりして甘味のあるスープが癖になります。
厳しい基準で管理した牡蠣「入善 牡蠣ノ星」
生牡蠣は亜鉛やミネラルが豊富で体によい食材である一方、食べることに慎重になっている人もいるかもしれません。そんな人に食べてほしいのが入善町の「入善 牡蠣ノ星」の牡蠣。
店内には富山湾の海洋深層水を使った牡蠣のいけすを完備。さらに店舗の隣には、大規模な牡蠣の浄化センターがあり、毎日全国から届く生牡蠣を海洋深層水で約2日間以上かけて浄化しています。
牡蠣の体内にきれいな海水を循環させることで、食あたりの原因となるウイルスや菌を排出させて、できうる限り安全な生牡蠣に仕上げています。その基準は、厚生労働省が定めるものよりも厳しく、安心して牡蠣を楽しめます。
牡蠣ノ星セット (税抜3,500円)
牡蠣ノ星では、牡蠣をさまざまな料理にして提供しています。
筆者が注文したのは一番人気の「牡蠣ノ星セット」。焼き牡蠣や蒸し牡蠣、生牡蠣、牡蠣の味噌汁、牡蠣の炊き込みご飯、さらに大きなホタテとサザエも付いた豪華な組み合わせです。
牡蠣もホタテ、サザエも歯ごたえ十分。新鮮で甘みがあり、ひと口噛むごとに旨味が広がります。
厳しい基準で管理された生牡蠣は、ぜひ味わうべき一品。店では季節にあわせて全国各地の生牡蠣を用意しています。
筆者がいただたのは広島産の真牡蠣。プリッとした身に海の風味がぎゅっと詰まっていて、感動の味です。
レストランに隣接する、入善町漁協が運営するみやげ店には、無料で深層水が飲み比べできる場所も。用意されているのは入善町自慢の地下水と、海洋深層水、塩分を除去した海洋深層水、1.5倍に濃縮した海洋深層水の4種類です。
塩分を除去した海洋深層水はやわらかな口当たり。みやげ店の中ではこの水で淹れたコーヒー(税込100円)がいただけます。甘味があってまろやかですよ。
富山・朝日町と入善町で春を探そう
富山県の朝日町と入善町は、日本で春を見つけるのにぴったりの場所。ヒスイ海岸の紺碧の景色、綺麗な海がもたらすおいしい海の幸、美しい花畑は忘れられない経験です。
Sponsored by General Association Toyama Bay, Kurobe, Etchu Niikawa tourist area Council
Written by Miho & Lin
Main image courtesy of asahimachi